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Maurice G. Dantec

モーリス=G・ダンテック
 〔1959 - 〕

     【活動叢書】
セリ・ノワール、ラ・ノワール 
url : http://www.mauricedantec.com/

【略歴】
1959年グルノーブル生まれ。ロマン・ロラン中学校に通い、同校で教鞭をとっていたジャン=ベルナール・プイからSFやハードボイルドの薫陶を受けています(当時の友人にベナキスタもいました)。文学研究を放棄した後ロックバンドに所属。バンド名の一つ「アルテファクト」は後に作品名として生かされていきます。80年代後半は広告会社に勤めながら、作家デビューの機会を伺いはじめます。   
ドゥノエル社やガリマール社に原稿を持ちこむ中でセリ・ノワール監修者のパトリック・レナルからアドバイスを受けて完成させた『レッド・サイレン』が813長編賞を獲得、作家活動が軌道に乗り始めます。2作目以降はSF/サイバーパンクへの傾倒を強め99年『バビロン・ベイビーズ』のヒットによって人気作家の地位を確保。同時に論考やインタビューで筆禍事件を重ねる問題児としての側面も見せ始めます。
反イスラム、反ユーロ統一、死刑復活賛成論、ブッシュ政権支持、神秘主義…良識派を逆撫でする言動の数々にダンテック・バッシングが起動、表立って名を出すのが憚られる状況が続きます。07年の『アルテファクト』以降、文壇・読者との
関係は持ち直してきているようです。英訳、映画化を通じ英語圏への紹介も始まっており、本邦での追随が期待されています。 

【諸データ】
『遁走続くミール宇宙ステーションの
ジャズマン亡霊に似て』 PV

2008年11月

セリ・ノワール監修者の[パトリック・]レナルがね、「次はミステリー系作品を持ってきたら丁寧に読んであげるよ」って言ってくれたんだ。漠然とした物語の種、精子からスタートして『レッド・サイレン』を書き上げた。書きながら自分に言い聞かせてたよ。「さ、気をつけようか。目先で気になっている出来事を余り混ぜこんじゃいけないぞ」って。唯一の例外は元ユーゴスラビア絡みの話だった。あの場所で問題になっているのはある種現代版のベトナム戦争だったから。   
モーリス=G・ダンテック/インタビュー(1996年)
『ポップ変異体&クラッシュ・カルチャー』、53ページ
ローラン・クロー著
2004年、ル・ルエルグ社

「人間終末」、西洋思想の2500年が無に帰してしまうという考え方に文字通り魂を抜かれ、ダンテックは乱心としか言い様のない切迫感に突き動かされているように見える。一日18時間の読書と執筆を己に課す、のような。 
 フィリップ・ナシフ
「ダンテクニカール」
テクニカール誌55号、146ページ、2001年9月

文学パンフレットが稀有となった時代、ある作家がこれだけの確信を持って、ユーモアまで含ませながら新たなる文学概念を擁護しようとしている姿を見るとホッとする。おそらくは論争家としての才が作家の成功に何がしかの貢献をもたらしているのだろう。残念なことに、理論偏重の結果その言葉遣いが「虚構」と呼ぶべきものまでを完全に蝕んでいる。独創性は消え失せてしまうのかもしれないが、『ヴィラ・ヴォルテクス』があと500頁ほど短ければ胸ときめかせるノワール小説となっていたことであろう。 
ジェラール・ムダル
「構成主義的マシーン・サイボーグ」
ル・モンド・デ・リーヴル紙
2003年4月17日付

【小説】

レッド・サイレン

モーリス=G・ダンテック著


〔初版〕 1993年
ガリマール社 (パリ)
叢書セリ・ノワール 2326番

La Sirène rouge / Maurice G. Dantec
-Paris: Editions Gallimard.
-(Série noire : 2326).
-478p. -1993.


悪の根

モーリス=G・ダンテック著


〔初版〕 1995年
ガリマール社 (パリ)
叢書セリ・ノワール 2379番

Les Racines du mal / Maurice G. Dantec.
-Paris: Editions Gallimard.
-(Série noire : 2379).
-635p. -1995.


バビロン・ベイビーズ

モーリス=G・ダンテック著


〔初版〕 1999年
ガリマール社 (パリ)
叢書ラ・ノワール

Babylon Babies / Maurice G. Dantec
-Paris: Editions Gallimard.
-(La Noire).
-551p. -1999.


ヴィラ・ヴォルテクス

モーリス=G・ダンテック著


〔初版〕 2003年
ガリマール社 (パリ)
叢書ラ・ノワール

Villa Vortex / Maurice G. Dantec
-Paris: Editions Gallimard.
-(La Noire).
-824p. -2003.


コスモス・インコーポレイティッド

モーリス=G・ダンテック著


〔初版〕 2005年(8月)
アルバン・ミシェル社 (パリ)

Cosmos Incorporated / Maurice G. Dantec
-Paris: Editions Albin Michel.
-568p. -2005.


グランド・ジョンクション

モーリス=G・ダンテック著


〔初版〕 2006年(8月)
アルバン・ミシェル社 (パリ)

Grande Jonction/ Maurice G. Dantec
-Paris: Editions Albin Michel.
-2006.


アルテファクト

モーリス=G・ダンテック著


〔初版〕 2007年(8月)
アルバン・ミシェル社 (パリ)

Artefact / Maurice G. Dantec
-Paris: Editions Albin Michel.
-565p. - 2007.


遁走続くミール宇宙ステーション
のジャズマン亡霊に似て

モーリス=G・ダンテック著


〔初版〕 2009年(1月)
アルバン・ミシェル社 (パリ)

Comme le fantôme d'un jazzman
dans la station Mir en déroute
/ Maurice G. Dantec
-Paris: Editions Albin Michel. -210p. -2009.


2010_metacortex

メタコルテクス

モーリス=G・ダンテック著


〔初版〕 2010年(1月)
アルバン・ミシェル社 (パリ)

Métacortex
/ Maurice G. Dantec
-Paris: Editions Albin Michel. -2009.


【日記】

作戦の舞台
形而上的論争の日記/1999年
モーリス=G・ダンテック著

〔初版〕 2000年
ガリマール社 (パリ) 叢書ブランシュ

Le Théâtre des opérations
- Journal métaphysique et polémique - 1999
/ Maurice G. Dantec
-Paris: Editions Gallimard. -(Blanche).
-646p. -21 × 14cm. -2000.


普遍化したカタストロフの実験工房
形而上的論争の日記/2000〜01年
モーリス=G・ダンテック著

〔初版〕 2001年
ガリマール社 (パリ) 叢書ブランシュ

Laboratoire de Catastrophe Générale
- Journal métaphysique et polémique - 2000-2001
/ Maurice G. Dantec
-Paris: Editions Gallimard. -(Blanche).
-756p. -21 × 14cm. -2001.


アメリカン・ブラックボックス
形而上的論争の日記/2002〜06年
モーリス=G・ダンテック著

〔初版〕 2007年
アルバン・ミシェル社 (パリ)

American Black Box
- Journal métaphysique et polémique - 2002-2006
/ Maurice G. Dantec
-Paris: Editions Albin Michel
-690p. -22 × 15cm. -2007.


【短編集ほか】

神はサングラスをかけているのか?
モーリス=G・ダンテック著

〔初版〕 2003年
ジェ・リュ社 (パリ)
叢書リブリオ・イマジネール 613番

Dieu Porte-t-il des lunettes noires ?
et autres nouvelles
/ Maurice G. Dantec
- Paris: Editions J'ai Lu. -(Librio Imaginaire; 613).
-92p. -21 × 13cm. -2003.


周縁 〔エッセイ/短編〕
モーリス=G・ダンテック著

〔初版〕 2003年
フラマリオン社 (パリ)

Périphériques - essais et nouvelles
/ Maurice G. Dantec
-Paris: Editions Flammarion.
-281p. -24 × 16cm. -2003.

 

【最終更新】 2010-01-04
Photo : "Un Témoin dans la ville" / Edouard Molinaro, 1959
] Noirs [ - フランスのもう一つの文学 by Luj, 2008 - 2010