動悸や息苦しさのため電車や飛行機に乗れないということで悩むのが、乗り物恐怖の症状になります。

この症状も発作性神経症の場合に、良く見られるものです。

ただ、同じ電車でも、各駅停車の電車のように頻繁に駅に止まる場合よりも、急行や特急といった駅に止まる頻度の少ない電車において症状が出やすい傾向があります。

自動車に乗っている場合であれば、一般道を走っている時よりも、首都高などの高速道路を走っている時に症状が起こりやすいものなのです。

つまり、この症状も、密閉恐怖やビル恐怖症と共通する点があるものなのです。

もともと発作性神経症の症状の一つですから、それぞれの症状に共通する部分があって当然なのだと思います。

つまり、いずれの症状も、その根底には「死の恐怖」があると言えるのです。

普通は、このことをあまり意識せず、ただ、動悸やめまい、息苦しさといった症状が起こった時に、このまま気を失ったらどうしようとか、死んでしまうのではないかという不安を感じるという形で現れてくるものなのです。

さっきも書きましたが、乗り物恐怖の場合も、その根本原因は神経症から来ていますから、森田療法の考え方を身につけていく中で、「死の恐怖」対する「とらわれ」が薄れてくることで、少しずつ根本的に改善してくるものなのです。

つまり、練習や訓練をしたり、不安をなくす薬を飲めば、これですぐに治るという単純なものではないと言えるのです。