家に誰もいない時に発作が起きたらどうしようと不安になってしまうのが、置き去り恐怖と言われる発作性神経症の症状になります。

一人で留守番をしていた時に、不安発作の症状が起こり、辛い思いをしたりすると、また、あの時のようになったらどうしようと予期不安を感じやすく、この不安にとらわれてしまうのが、置き去り恐怖の症状だと言っても良いと思います。

発作性神経症の場合は、対人恐怖症の場合などとは違って、側に誰か人がいないと不安になってしまうという傾向が強いものなのです。

対人恐怖症の場合であれば、むしろ、側に人がいなく、一人の方が気が楽なのですが、発作性神経症、特に、この置き去り恐怖の場合には、側に人がいてくれないと不安になってしまうものなのです。

このように、同じ神経症でも、その症状のタイプによって、症状の感じ方が全く違ってくるものなのです。

ただ、置き去り恐怖の場合も、その根本原因は神経症から来ていますから、森田療法の考え方を身につけていく中で、「死の恐怖」対する「とらわれ」が薄れてくることで、少しずつ根本的に改善してくるものなのです。

ただ、このためには、ある程度の時間が必要になってきます。

つまり、薬を飲んだり、訓練や練習すれば、これですぐに治るという単純なものではないと言えるのです。