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朗読版
『お前らの墓にカフカしてやるぜ !』
〔1998年〕

ミシェル・シュヴロン作
     朗読、ル・プルプ、カフカ
B急ゴシック・ファンタジー、吸血鬼

原作: ミシェル・シュヴロン(原作1996年)
朗読: ピエール・フォレスト

J'irai faire kafka sur vos tombes!
Auteur : Michel Chevron
Lecture : Pierre Forest
-Thélème Editions.
-(le Poulpe).
-2cs. -1998.


【試訳】
 「昨日から何も食べていないんだ」とガブリエル。
 「カフカ!この人に何か作ってあげて!」
 男が離れていった。ミレナは大きなビスケット缶を取りに行った。薬箱だった。女はガブリエルの傷口を消毒し始める。器用に動く手先が心地良かった。
 「看護婦でもしてた?」
 「血は慣れっこなので…」
 「その指がすごい好きなんだけど」とガブリエル。
 「それは駄目」
 「どうして」
 「あなたと私は種が違っているから。危ないでしょう」
 

【原文】
 - Je n'ai pas rien mangé depuis hier, fit remarquer Gabriel.
 - Kafka, prépare-lui quelque chose!
 L'homme s'éloigna. Milena alla chercher une grosse boîte à biscuits. Elle servait de trousse à pharmacie. La femme nettoya la plaie de Gabriel. Ses mains étaient habilles et douces.
 - Vous avez été infirmière?
 - J'ai l'expérience du sang...
 - J'aime vos doigts, dit Gabriel.
 - Il ne faut pas.
 - Pourquoi?
 - On n'est pas de la même espèce, c'est dangereux.
 
『お前らの墓にカフカしてやるぜ!』
76ページ
ミシェル・シュヴロン著
1996年、バレンヌ社 

【あらすじ・補足】
町から約一キロメートル。川から悪臭が漂っていた。吸血鬼二人は振り返らなかった。背後に猟師が迫っていた。不意に強い照明が二人を照らし出す。目の前で輝いている銃口。逃道は塞がれていた。雄の吸血鬼は両手首を縛られ枯草に顔を埋めている。雌の吸血鬼は家畜運搬車で運び去られていった…
フランス西部シャラント県を訪れた「ル・プルプ」ことガブリエル。今回の任務は失踪した女性フェリスの捜索である。目にしたのは吸血鬼カフカ一族と町の自警団の対立だった。「城」に住む謎の町長、そして吸血鬼にHIVウィルスを注射していく悪徳医。ガブリエルは町民を敵に回し、吸血鬼と共に武装蜂起を計っていく…
90年代中盤、仏ノワール界期待の新星だった(『火の娘』)ミシェル・シュヴロンによるB級パルプ・ゴシック。各章の題がカフカ作品(「アカデミーへの手紙」、「シナの長城」、「城」、「フェリスへの手紙」等)になっていて、章の内容もちゃんと対応しています。「地方在住の吸血鬼マイノリティーを保護しましょう」風の奇妙な内容ですが、反差別を訴える抵抗の寓話(シュヴロンは『浄化部隊』でネオナチ問題を扱っています)と捉えていけば『茶色の朝』と同じ話だと分かります。そういったシリアスな側面は脇に置いといて、「カフカ一族!」「吸血鬼狩り!」「ミレナ!」「HIVウィルス!」「ゴシック文字!」と馬鹿ネタで盛り上がるのが楽しかった、という話です。

Photo : "The Seventh Victim" / Mark Robson, 1943
] Noirs [ - フランスのもう一つの文学 by Luj, 2008 - 2010

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