『靴を離してよ』
セドリック・スイヨ著 |
『ガブ、ダイアナを救う』
ピエール・ブルジャッド著 |
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Goulasch-moi les baskets
/ Cédric Suillot |
Gab Save The Di
/ Pierre Bourgeade |
2000年出版。171番。物語は海外(ハンガリー)で展開。少女飛降り自殺の謎を解くだけですが、文章のリズム感が桁外れに素晴らしいです。オンライン書店アラパージュで「これが一番」って誰かコメントしてましたが同感。 |
2001年出版。214番。タイトルはピストルズ「ゴッド・セイヴ・ザ・クィーン」のもじり。ガブリエルはブードゥー魔術で故ダイアナ妃をゾンビとして蘇らせ、事故を仕組んだ犯人を暴き出し、最後は大英帝国を崩壊させます。ル・プルプの約束事を清々しいほど無視した怪作。 |
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『土曜日はソドムの日』
ロマン・グピル著 |
『死体置き場しちゃいけないぜ』
イヴ・ラモネ&ジャック・バルベリ著 |
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Lundi, c'est sodomie
/ Romain Goupil |
Faut pas charnier
/ Yves Ramonet & Jacques Barberi |
1998年出版。31番。ル・プルプ対国家理性。仏秘密組織内部、ガブリエルを罠に嵌める国家プロジェクトが起動します。謎めいた暗号で書かれた超知的ゲーム。やや難解ですがクオリティ高いです。 |
2002年出版。238番。舞台はサラエボ。トレジャーハンター殺し(ボスニアの埋蔵金)の謎解きと、暗殺者に追われた孤児院の子供たちを守ろうとする女性教師の奮闘、二つの筋を重ねていきます。チェスを小道具に使った物語展開が絶妙。 |
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『拳銃チュートン人』
ステファヌ・ジェフレ著 |
『恐怖のチアノーゼ』
ジョルジュ=ジャン・アルノー著 |
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Les Teutons flingueurs
/ Stéphane Geffray |
L'Antizyklon des atroces
/ Georges-J. Arnaud: |
1999年出版、149番。タイトルはジョルジュ・ロートネル映画のもじり。田舎のネオナチ退治は一見"正統派"ですが、銀行家によるマネーロンダリングの描写に説得力があります。資料収集・考証面では非常に手抜きが多いこの叢書の中で光っている一作。 |
1999年出版、113番。第二次大戦中、独軍用にフランスで製造された毒ガス数トンが何処かにまだ眠っている…ガブリエルがこの謎を解くのですが、(表紙にあるように)伝書鳩が物語の鍵となっています。アルノーは何書かせても上手いですね。 |
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『負け犬のバラード』
ジャン=マルク・リニィ著 |
『聖なる乳の名において』
ギョーム・ニクル著 |
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La Ballade Des Perdus
/ Jean-Marc Ligny |
Le Saint des seins
/ Guillaume Nicloux |
2007年出版、252番。アレイスター・クローリーを信奉するゴシック・ロックバンドの女性フアンが変死。この謎をガブリエルが解決…しません。オカルトの発想で書かれていて最後は憑依まで起こります。怖くないのが難点ですが、久しぶりに毛色が変わった新作だったので一押し。 |
1998年出版、21番。ニクルは映画版の脚本・監督もしているくらいですし、この作品も定番の一冊ですが作品の雰囲気は最初の30冊の中で少々浮いています。空気が重く、硬派で、やや危険な何か(たぶん「死」です)と戯れている感覚を味あわせてくれます。 |
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『霧の酒』
ロマン・スロコンブ著 |
『誰がために金は成る』
ガブリエル・ルクーヴルール著 |
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Saké des brumes
/ Romain Slocombe |
Parkinson le Glas
/ Gabriel Lecouvreur |
2002年出版、245番。スロコンブは日本を素材・舞台にした作品で有名ですが、この『霧の酒』はフランスを舞台にした初めてのノワール長編。神風ネタも使っていますがそれ以上に現代アート色を押し出しています。メルツバウの名前が出てくる唯一のル・プルプ。 |
2002年出版、234番。「ル・プルプ」ことガブリエル本人が書いたという設定の一作。どうやらジャン=ジャック・ルブーが書いた模様。多くの作家が単に「ル・プルプ」の型をなぞっていた中でルブーはガブリエルのキャラクターを深化させていきました。ついにシェリルと結婚するのか?子供も作るのか?悩んだ展開の末、最後ジンワリと感動がくる一作。 |
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