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Hugues Pagan

ユーグ・パガン
 〔1947 〕

     【活動叢書】アングルナージュ(第2期)
リヴァージュ・ノワール
 

【略歴】
1947年アルジェリア生まれ。アルジェリア戦争終結(62年)に伴い、家族と共にフランスに戻っています。67年に哲学講師として身を立て始めるのですがすぐに失職。警察の募集広告を見て第二の人生をスタートさせます。ディジョンで犯罪特捜班、ベルフォールで情報局に所属するなど順調にキャリアを積み重ねていきます。  
82年、処女作原稿がアレクス・ヴァルーの手に渡りアングルナージュより作家デビュー。警察での実体験を色濃く反映した作品群ですが、愁いや疲弊感、虚無感の強いパガン独自の警察小説世界となっています。
アングルナージュの閉鎖後は大手アルバン・ミシェルに移り2冊の作品を刊行。この『最後の事件』と『死者の階』は当時まともにプロモーションをされずほとんど売れなかったのですが、時が経ち、リヴァージュ社での再刊を通じて次第に評価を高めていきます。両作とも作家としての最充実期に書かれたもので名実共にパガンの代表作と言っていいと思います。
91年に警察を退職。90〜98年にかけパガン文学集大成となる匿名刑事3部作(『死者の階』、『群れの代償』、『高速前の最後の駅』)を完成させました。現在は執筆を離れ、TV界(「ポリス・ディストリクト」、「マフィオーザ」原案と脚本)での活動が中心。09年には『死者の階』が映画化され(『ダイヤモンド13』)、本屋の軒先に新装版が並び始めています。

【諸データ】
 最初にオステンデを訪れたのはそう、84、5年頃だった。可哀想な男を一人逮捕に向かう。人生(今となってはもう別な人生だが)で私はそんなことしかしてこなかった。牛乳配達が働いている時間帯に可哀想な男を逮捕する。朝早い時間帯、真っ当に育ってきた人間が悲惨な運命を辿ることもある。私の手から逃れる可能性は万に一つもないのである。
 その朝は雨が降っていた。「弱虫」ヨブがいきなり命令してきた。
 「国際裁判所から仕事が回ってきたぞ。部下二人、車一台を使っていいからな。ベルギーの連中が“奴”の居場所を提供してきたんだ。お前さんの手を煩わす程のことでもないだろうが…気分転換の散歩にどうだ」
 「ベルギー?」
 「お前が追ってる男はオステンデ宿泊中だとさ、ハハッ」
 弱虫ヨブ。非の打ち所のない愚か者。だが管区で二番目に偉い私の上司。部下全員の生死を握っていた。好き邦題である。私も下僕の一覧に名を連ねていた。
 ビストロの窓から外を見る。雨は続いていた。警察署前の通りはびしょ濡れになっていた。車も同じだった。雨合羽を着た小柄な女。木々。パーキングメーター。車から下ろされてきた食用肉。全てが水浸しだった。街全体が雨を降らせている。それでも光が灯っていた。何か後悔を感じさせる光。どこか私に似ている。オステンデなどどうでもよかった。弱虫ヨブが溜息をついた。
 「お前さんの選択肢は二つ。今すぐ/直ちに」
 「選択肢?」
 「オステンデのことだよ。選ぶがいい。“直ちに”か、“今すぐに”」 
 
 短編「オステンデ」より
短編アンソロジー『オステンデ』(エデン・プロダクション、2000年)

【長編小説】

pagan01

孤独な車中での死

ユーグ・パガン著


〔初版〕 1982年
フルーヴ・ノワール社(パリ)
叢書アングルナージュ 40番

La Mort dans une voiture solitaire / Hugues Pagan
-Paris : Editions Fleuve Noir.
-(Engrenage ; 40).
-18 × 11cm. -1982.


壺の水

ユーグ・パガン著


〔初版〕 1983年
フルーヴ・ノワール社(パリ)
叢書アングルナージュ 58番

L'Eau du bocal / Hugues Pagan
-Paris : Editions Fleuve Noir.
-(Engrenage ; 58).
-18 × 11cm. -1983.


私は夏の夜

ユーグ・パガン著


〔初版〕 1983年
フルーヴ・ノワール社(パリ)
叢書アングルナージュ 67番

Je suis un soir d'été / Hugues Pagan
-Paris : Editions Fleuve Noir.
-(Engrenage ; 67).
-18 × 11cm. -1983.


虚しき探索

ユーグ・パガン著


〔初版〕 1984年
フルーヴ・ノワール社(パリ)
叢書アングルナージュ 90番

Vaines recherches / Hugues Pagan
-Paris : Editions Fleuve Noir.
-(Engrenage ; 90).
-18 × 11cm. -1984.


死者の横たわる通りで

ユーグ・パガン著


〔初版〕 1984年
フルーヴ・ノワール社(パリ)
叢書アングルナージュ 108番

Boulevard des allongés / Hugues Pagan
-Paris : Editions Fleuve Noir.
-(Engrenage ; 108).
-18 × 11cm. -1984.


ラスト・アフェア(最後の事件)

ユーグ・パガン著


〔初版〕 1986年
アルバン・ミシェル社(パリ)
叢書スペシャル・ポリシエ

Last Affaire / Hugues Pagan
-Paris : Editions Albin Michel. -1986.


死の水

ユーグ・パガン著


〔初版〕 1986年
リヴァージュ社(パリ)
叢書リヴァージュ・ノワール 17番

Les Eaux mortes / Hugues Pagan
-Paris : Editions Rivages.
-(Rivages Noir ; 17).
-184p. -17 × 11cm. -1986.


死者の階

ユーグ・パガン著


〔初版〕 1990年
アルバン・ミシェル社(パリ)
叢書スペシャル・ポリシエ

L'Etage des morts / Hugues Pagan
-Paris : Editions Albin Michel.
-275p. -23 × 16cm. -1990.


群れの代価

ユーグ・パガン著


〔初版〕 1993年
リヴァージュ社(パリ)
叢書リヴァージュ・スリラー

 38口径賞1993

Traif de groupe / Hugues Pagan
-Paris : Editions Rivages.
-(Rivages Thriller).
-1993.


高速前の最後の駅

ユーグ・パガン著


〔初版〕 1997年
リヴァージュ社(パリ)
叢書リヴァージュ・スリラー

 ミステリー批評家大賞賞1998

Dernière station avant l'autoroute / Hugues Pagan
-Paris : Editions Rivages.
-(Rivages Thriller).
-302p. -23 × 16cm.-1997.

 

【最終更新】 2009-06-11
Photo : "Un Témoin dans la ville" / Edouard Molinaro, 1959
] Noirs [ -フランスのもう一つの文学 by Luj, 2008 - 2010