おとぎ話の起源とバビロニア神話
エジプトでは各地に神殿が建てられて神々が崇拝されていた。神々の序列は地方によって異なり、ヘリオポリスにおいてはラー=アトゥムが主神として信仰されていたが、地方によってはプタハなど、別の神を人類創造の主神として崇めていた地域もあった。そのため各地方でそれぞれの地域で信仰する神の社が建造された。ファラオがエジプト神話においては重要な役割を占めておりホルスの跡継ぎと位置づけられていたため、国家によっても多くの神殿が建てられた。その代表格といえるのがアブシンベル神殿である。エジプトにおける天地創造はやはり地域差があって一概にいえないが、ヘリオポリス神話においては広い海原からラー(アトゥム)が誕生し、独力で神々と世界を形作っていたとされている(創造神話)。ヘルモポリスでは八位一体の虚無を表す神々(オグドアド)が世界創生の中心的役割を担った。メンフィス周辺ではプタハが天地創造の主導的役割を果たし、彼は言葉と思念によって世界のあらゆるものを作り出したとされる。エレファンティンではクヌムが主神として世界を形作った。クヌムは粘土から人間を作り出した神として知られる。このように、天地創造の神話も地方ごとに異なる。エジプトにおいて天はヌトという女神であり、地はゲブという男神であった。両者は夫婦であり、最初は隙間なくくっついていたが、父たるシュウ(湿気)とテフヌト(空気)によって引き離されて現在の姿になったという。ゲブはヌトに少しでも近づこうと山々を作り出したとされる。古代エジプト人にとって地は平面であり、ナイル川によって分断された二つの大地と海によりできていると考えられていた。地の底には冥界があり、ラーは夜ここを通って再び地上に現れるとされた。
"ユミルは、男女2人の人間であるごとく、スルードゲルミルの父になった。ブーリは、ボルの父となった。ボルは3人の息子、ヴィリ、ヴェー、そしてオーディンを得た。彼らが巨人ユミルを殺した。ユミルの血が引き起こした大洪水により、両種族の最初の男女は死んでしまった。ベルゲルミルの父となったスルードゲルミルも溺死した。 ベルゲルミルは木の幹の空洞に隠れて生き延びた。"オーディンと兄弟たちは、宇宙を作り出すためにユミルの体を使った。彼の体を挽いて土壌とした。彼の肉に現れた蛆が、地下に住む小人となった。ユミルの骨が山となった。オーディンは雲を作り出すために彼の脳を空にまき散らした。宇宙は9つの世界から成り立っている。その中でもこの大地(マンハイム)が中心にあった。オーディンらはユミルの頭蓋を持ち上げる4人の小人、ノルズリ(北)、スズリ(南)、アウストリ(東)とヴェストリ(西)を置き、天を構築した。それからムスペルヘイムから飛来する火の粉を使って、太陽と月、星を作り出した。オーディンと他の2人(『古エッダ』はヘーニルとローズルだと語る。彼らはヴィリとヴェーの言い換えと考えられている)が浜辺に沿って歩いていた時、流木の2切れ(それぞれをトネリコとニレとする話もある)を見つけた。これらから「最初の」人間(最初の2組の人間はユミルの血の洪水で溺死した)、アスクとエムブラを作り出した。ユミルの眉毛が、人間たちがその中で暮らせる場所を作り出すのに使われた。その場所はミズガルズと呼ばれた。[2]
イルダーナ(Il-Dana)やドルドナ(Dordona)など、「全知全能」を意味する名で呼ばれる場合もある。女神ブリギッド(Brigid)、ダグザ(Dagda)の娘、Tailtiuやマッハ(Macha)のような自然神、馬の女神エポナ(Epona)、男神を含み鍛冶の神で不滅のビール醸造者のゴヴニュ(Goibniu)。"ミレシア一族がダーナ神族を破り、アイルランドを制覇した後の物語である。英雄クー・フーリン(Cu Chulainn)の物語が主。他に、災いをもたらす女デアドラの物語など。"
"バビロニアにおける創造神話は、『エヌマ・エリシュ』(Enuma Elish)としても知られる『創世記』において語られる。""メソポタミアの『創世記』は、紀元前2千年紀にまでさかのぼる。 詩では、神マルドゥク(または詩のアッシリア版のアッシュール)は、海の女神ティアマトによって計画された攻撃から神々を守るために作り出された。 英雄マルドゥクは、自分が彼らの中の最高の指導者に任命され、ティアマトの脅威が過ぎ去った後も引き続きそうであるならば、神々を救うと申し出た。 神々はマルドゥクのその任期に同意した。 マルドゥクはティアマトに戦いを挑み、彼女を破壊した。 彼はそれから、大地と天を作るために彼女の死体を2つに裂いた。そして、暦を作り出し、惑星、星、月、太陽の運行と天気を管理した。 神々はマルドゥクに忠誠を誓った。そしてマルドゥクは、神の領域に地上で対応する場所としてバビロンを建設した。 マルドゥクはさらに、ティアマトの夫キングーを破壊し、神々のために働ける存在としての人間を作り出すために、彼の血を使った。[1]"ギリシア神話では、天地は神によって作られるものというより、むしろ神が天地そのものであり、神々の誕生の系譜がそのまま天地の由来とされる。このような系譜を神統記という。以下にヘシオドス『神統記』に見られる、ギリシア神話の創造神話(神統記)を示す。