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孤島にて候
〔1971年〕 |
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ピエール・シニアック著 |
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暗黒街物、麻薬密輸
トレジャー・ハンティング |
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ガリマール社 (パリ)
叢書 セリ・ノワール 1397番 |
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Deux pourris dans l'île / Pierre Siniac
-Paris : Editions Gallimard.
-(Série Noire; 1397).
-250p. -1971. |
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【あらすじ】 |
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サンフランシスコ、夏。「マカオから荷物が届くはずなんだ。もう少し時間を貰えないか」。受話機を手に額の汗を拭った男。借金返済にあてるヘロインが届くはずだった。その荷物が遅れている。マフィアに切られた期限は7月の末日。手帳は6月16日分が開かれていた。 |
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樽に詰めたヘロイン。マリク、バークスの二人組はパキスタン船に乗りこんだ。大嵐で密輸船が沈没。無人の孤島に流れつく。島には一機の米軍戦闘機B‐24.。大破した機体、赤錆に蝕まれた爆弾。航空日誌にゼロ戦の攻撃が記録されていた。ミッドウェー北西、約250キロ。マリクは単身で脱出を図る。「絶対に戻ってくる」と約束。嘘ではなかった。一ヶ月後、傷だらけの小型クルーザーが到着。しかし乗船していたのは見知らぬ男。仏人のセブランだった。操縦室に残されていた血痕。「海亀を殺したのさ」、「操縦席で?」。約束を果たそうとしたマリクは…道半ばにして厄介払いされたようだった。 |
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船の修理を始めた。ところが誤ってB-24の赤ボタンを押してしまう。砂浜に転がり落ちた大型爆弾。耳を澄ますとチクタクチクタク…の音が聞こえてきた。四半世紀前の時限爆弾が作動し始めていた。海面を切り裂いていく鮫の背びれ。逃げ場はなかった。26キロのヘロイン、そして自分の命を巡りバークスとセブラン二人の駆け引きが始まった… |
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【講評】 |
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1969〜71年前後というのはシニアックが比較的正統派の暗黒街物を書いていた時期に当たります(これでか…)。セブラン、マリク、バークス…全員が中々の悪党面で、前半はマフィア物語としてそこそこ面白く読めるのではないかと思います。 |
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とは言え作家の真骨頂が発揮されるのは後半から。時間制限有りのお宝探し&デスマッチというシニアック常駐パターンが発生。またか、と思いながらもワクワクしながら最後まで読み通してしまいます。主人公が最後孤島に流れ着くパターンは翌年の『リュジュ・アンフェルマンの五百萬フラン争奪大作戦』でも使われていました。 |
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【最終更新】 2009-06-16 |
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