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Emmanuelle Urien

エマニュエル・ユリアン
 〔1970 -〕

     【活動叢書】アトリエ・イン8社 他

【略歴】
70年アンジェール生まれ。大学で文学研究を続け、パリで幾つかの仕事を経た後トゥールーズに拠点を構えています。短編作品が公開され始めたのは02年から。仏各地で行われている文芸コンクールに投稿を始め、数年で十を越える短編賞を獲得しています。  
初短編集公刊(05年)後の展開は出世魚の形容が相応しく、作品毎に何か賞を獲ってガリマール社の叢書ブランシュまで上り詰めていきます。作品の設定は多様ですがどの短編も登場人物に感情移入しやすく、作中に必ずフックの効いた驚きがあります。短編の基本を大事にし、現代型の感覚も違和感なく共存している辺りが人気の秘訣でしょうか。

【諸データ】
インタビュアー: 執筆形式として短編を選んでいる他には「黒(ノワール)」寄りの作風ですよね。ノワール短編の選択、なのでしょうか。
エマニュエル・ユリアン: 正直、自分で「選んだ」という感じではないんです。選んだ訳じゃなくて自然にはまりこんでしまった感じ。書き始めた頃って結構軽いタッチだったんですけれど、初短編の段階で自然と「黒」に入りこんでしまって。
エマニュエル・ユリアン/インタビュー
ラジオ番組「黒音波(Les Ondes noires)」
2006年2月1日放送分
【DL可】 http://www.lanoirode.info/agora/fev1-a.mp3

奇抜で時に幻想に傾いた筆致を選ぶこともある。これ以上はないほど日常生活の現実に深く根ざした書き方をしていくこともある。いずれにせよ、ブラック・ユーモア一杯の短編集二編を通じてエマニュエル・ユリアンは薄暗い世界を披露してみせた。厳しくも残酷な世界である。だからといって作家が絶望に甘んじているというのとは違っている。『人間らしさは別にして、と』をその証拠に挙げておきたい。確かに作品を支配しているのはまだ黒さである。それでも様々な着想にヒントを得ながら自己のレパートリーを広げ、扱っていく題材にニュアンスを与えていこうとする姿勢も見て取れる。姿勢だけではなく力量もまた。  
「残酷短編作家、エマニュエル・ユリアン」
エリック・ヴォーティエル(Eric Vauthier)
2006年5月3日
文学的.com
http://www.lelitteraire.com/article2403.htm

【短編・短編集・長編】

ある石の解剖 [短編集]

エマニュエル・ユリアン著


〔初版〕 2003年
マニュスクリ.com

Autopsie d'une pierre / Emmanuelle Urien
-Manuscrit.com
-54p. -2003.


ショートでブラック、砂糖抜き [短編集]

エマニュエル・ユリアン著


〔初版〕 2005年
微小存在社
 スクリブ短編賞2006

Court, noir, sans sucre / Emmanuelle Urien
-Editions L'Etre Minuscule C/O Yann Leclerc.
-124p. -14 × 19cm. -2005.


人間らしさは別にして、と [短編集]

エマニュエル・ユリアン著


〔初版〕 2006年
カドラチュール社 (ルーヴァン・ラ・ヌーヴ)
 ベルマ市文学賞2007

Toute Humanité mise à part / Emmanuelle Urien
-Louvain-la-Neuve, Belgique : Editions Quadrature
-113p. -2006.


怪物回収 [短編集]

エマニュエル・ユリアン著


〔初版〕 2007年
ガリマール社 (パリ) 叢書「ブランシュ」
 ポワン誌「心に残った一冊」賞2007

La Collecte des monstres / Emmanuelle Urien
-Paris: Editions Gallimard.
-(Blanche).
-157p. -14×21cm. -2007.


ジャズ・ミー・ダウン [短編]

エマニュエル・ユリアン著


〔初版〕 2008年
アトリエ・イン8社 (セール・モルラース)
叢書「隣の扉」

Jazz me down / Emmanuelle Urien
-Serres-Morlaàs: Editions Atelier In8
-(La Porte à côté).
-24p. -11×17cm. -2008.


君は誰かに会わなくちゃ [長編]

エマニュエル・ユリアン著


〔初版〕 2009年
ガリマール社 (パリ) 叢書「ブランシュ」

Tu devrais voir quelqu'un / Emmanuelle Urien
-Paris: Editions Gallimard.
-(Blanche).
-14×21cm. -2009.

 

【最終更新】 2009-06-12
Photo : "Un Témoin dans la ville" / Edouard Molinaro, 1959
] Noirs [ -フランスのもう一つの文学 by Luj, 2008 - 2010