] Noirs [

D.O.A.

Ｄ.Ｏ.Ａ.（デ・オ・ア）
　〔1968 - 〕

【活動叢書】セリ・ノワール

【略歴】

１９６８年生まれ。筆名は英語の「デッド・オン・アライヴァル」（来院時心停止／到着時死亡）から借用。９０年代中盤より友人のイラストレーターと共に漫画制作を企画。実現こそしませんでしたが、この脚本を元に処女作『四月に狂ふ』を完成させます。マトリクス、Ｘ‐ファイル、攻殻機動隊に影響を受けたこの作品は仏サイバーパンクＳＦ史上最もポップな一作となりました。

０４年には『血線』で幻想色濃いスリラーに挑戦。その後セリ・ノワールに移籍、第３作『地下市民』で仏国内のイスラム原理主義テロリズムを扱い早々と推理小説大賞を獲得しています。

「僕は右翼のアナーキストなんだって」。挑発的な発言で公論を煽る姿勢にも大物ぶりが現れています。いずれにせよ、エンタメと社会性を両立させている力量は別格の扱いとなっています。

【諸データ】

　質問者：（新作『地下市民』がセリ・ノワールで発表されたのは進化（エヴォリュシオン）、それとも革命（レヴォリュシオン）？
　Ｄ.Ｏ.Ａ：どちらでもないと思う。セリ・ノワールは以前から（流行り言葉で言うと）ジャンル越境的な作家たちを扱ってきた。ぱっと思いついたのはモーリス=Ｇ・ダンテック。そこまでいかなくてもチャック・パラニュークもだよね。一方で僕の方は処女作『四月に狂ふ』の時から「ロマン・ノワール寄りだ」って公言してきた。ミステリーでもなくましてや怪奇幻想小説でもなくてね。　

ＳＦ専門サイト「カファール・コスミーク」での
インタビューより。２００７年

セリ・ノワールで発表されているフランス語オリジナル作品に何を期待しているかの質問に対し、「独自スタイル、調子、ひねりの効かせ方」、「本格的な資料考証、メッセージ、物語構成」の回答があった。「主調音は価値観の転倒、闘争だ」の声もある。「カリル・フェレは腐り果てた郊外を仏産ポラールの枠で描きだす。彼の作品の内側で我々は旅をしていく。書き方も間違っていない。Ｄ.Ｏ.Ａ.は果敢にも国際スリラーに挑戦、大部な作品を完成させた。マキシム・シャタムやコ－エンのレベルまで落とさなくても成功できる。そんな可能性を夢見させてくれた」。　

オンラインサイト「ビブリオ・シュルフ」
でのアンケート企画「セリ・ノワール」での調査結果より。
２００８年５月掲載。

【長編小説】
	四月に狂ふ
	Ｄ.Ｏ.Ａ.（デ・オ・ア）著

	〔初版〕２００４年フルーヴ・ノワール社（パリ叢書ランデヴ・アイユール
	Les Fous d'avril / D.O.A. -Paris : Editions Fleuve Noir. - (Rendez-vous ailleurs). -239p. -24 x 16cm. - 2004.

	血線
	Ｄ.Ｏ.Ａ.（デ・オ・ア）著

	〔初版〕２００４年フルーヴ・ノワール社（パリ）叢書ノワール
	La ligne de sang / D.O.A. -Paris : Editions Fleuve Noir. -(Noirs). -472p. -2004.

	地下市民
	Ｄ.Ｏ.Ａ.（デ・オ・ア）著

	〔初版〕２００７年ガリマール社（パリ）叢書セリ・ノワール　推理小説大賞2007
	Citoyens clandestins / D.O.A. -Paris : Editions Gallimard. - (Série noire). -704p. -23 x 16cm. - 2007.

	千傷の蛇
	Ｄ.Ｏ.Ａ.（デ・オ・ア）著

	〔初版〕２００９年ガリマール社（パリ）叢書セリ・ノワール
	Le Serpent aux mille coupures / D.O.A. -Paris : Editions Gallimard. -(Série noire). -216p. -23 x 16cm. - 2009.

【最終更新】 2009-06-12

Photo : "Un Témoin dans la ville" / Edouard Molinaro, 1959

] Noirs [ - フランスのもう一つの文学 by Luj, 2008 - 2010