民話・昔話と「創造神話」と「創世神話」
"古代アーリア人の神話は、太陽や天空を神々と捉え、火の崇拝などの儀式で他のギリシャ、ローマ、北欧へ行ったグループと共通する宗教を持っていたと考えられている。 特に『リグ・ヴェーダ』に残された古インド神話とは共通点が多く、ダエーワ(デーヴァ)やアフラ(アスラ)など神名、神格にも共通点が多くみられる。また『リグ・ヴェーダ』の言語であるヴェーダ語は、古イラン語とも極めて近い。"なお、スラヴ地域の神話との語彙の類似点も指摘されているが、これはむしろイラン系遊牧民による影響が大きいと考えられている。"ゾロアスター教神話は、この古代アーリア人の宗教、神話をベースにしながら、より高等宗教化したものと思われる。それはより広範囲の、民族や文化の壁を越えて信仰された点があるからだ。 特に重要なのは、中世になって編纂された『デーンカルド』『ブンダヒシュン』などの宗教文書で、ゾロアスター教神学の重要な説話を多く伝えている。"
その後に製作された、J・R・R・トールキンの『指輪物語』も、キリスト教化以前の北方ヨーロッパにおける固有の信仰に、非常に影響を受けた作品と言える。この作品が人気を呼ぶにつれ、そのファンタジー要素は人々の感性や他のファンタジーのジャンルを、絶えず揺り動かしている。近代的なファンタジー小説にはエルフやドワーフ、氷の巨人など、北欧の怪物達が多く登場する。のちの時代になって北欧神話は、大衆文化や文学・フィクションにおいて、多くの影響を残しているのである。"以下は、翻訳元の英語版(Norse mythology)における出典である。""Modern retellings of ancient mythology are often inventive"
『原初年代記(過ぎし年月の物語)』という資料に東スラヴに伝わった神話に関する記述がある。そこに異教神話の神の名として以下の神々の名が挙げられている。また、上記のような神々を主人公とした叙事詩以外にも民間信仰レベルで『ロシアの魔女ヤガーばあさん』、『不死のコシチェーイ老人』(英語版)、『寒さのモローズ爺』(スラヴのサンタクロース、英語版)などといった昔話的な神話や自然現象などに端する精霊に関する寓話として『水の精ヴォジャノーイ』、『森の精レーシー』、『家の精ドモヴォーイ』、『水と森の精ルサールカ』なども存在した事が判明している。スラヴの民間伝承で特に有名なのは、吸血鬼と人狼に関するものである。
"ウッコはフィンランド神話中の主神であり、天空・天気・農作物(収穫期)とその他の自然の事象を司る神でもある。現在のフィンランド語の「雷 (ukkonen)」がウッコの名前から派生したように、雷を司る事でも知られている。雷神としてのウッコは、彼のもつウコンバサラと呼ばれるハンマーから、稲光を発したという。"神話は主にキリスト教化以前に存在した現地の宗教、そして北欧神話の文書としての典拠が大多数集められていた地、アイスランドに定住していた人々を含む、スカンディナヴィア人の伝説と信仰で構成されている。北欧以外のゲルマン人は、早くからキリスト教化されたため、民族独自の神話や思想を示す書物がほとんど残っていない。そのため北欧神話は、年代の古い一般的なゲルマン・ペイガニズムが最良に保存された訳書であり、ゲルマン人の古来の習俗や精神を理解する上で貴重な資料となっている。このゲルマン・ペイガニズムは、アングロ・サクソン神話と極めて密接に関連した内容を含んでいる。ゲルマン神話は、初期のインド・ヨーロッパ神話から発展したものである。北欧神話は北ゲルマン民族によって共有されていた信仰や物語の集約である。神話は詩の形で口承により伝えられ、現在人々が持つ神話についての知識は主にスノッリ・ストゥルルソンにより書かれた『エッダ』や、キリスト教化中またはその後に書き下ろされた、中世における他の版本に基づいている。北欧神話は基本的に古ノルド語で著わされているが、『デンマーク人の事績』などラテン語で書かれたものもある。