第三章『太陽のある場所』
三蔵が悟空の封印を解いてから幾年月が流れ、三蔵は二十三歳、悟空は十八歳
になっていた。
妖怪と人間が共存する桃源郷に異変が起こり始めた頃。三蔵は三仏神より命を
受け、悟空・悟浄・八戒と共に西域へと旅立った。旅の最終目的は、吠登城で
行われている牛魔王の蘇生実験を阻止する事。四人の元には牛魔王側からの刺
客が次々と差し向けられ、一行の旅は正に闘いの連続となった。
そんな旅の途中のある日のこと。四人の前に、それまでの刺客とは全く異なる
者達が立ちはだかった。目的は四人を抹殺することではなく、三蔵が先代の光
明三蔵より受け継いだ『天地開元経文』の一つである『魔天経文』。
自らを「神」と称したその者達は、今までの敵とは比べ物にならない程の強大
な力を持っていた。中でも特に際立った一人の男───右眼に『吉凶の源』と
される金晴眼を持つその人物は、「闘神・焔太子」と名乗った。
「しっかしいきなり何だったんだろうなぁ、ありゃ…『神様』だか何だか知ら
ねぇけど、あのパワーはちっと反則だろうよ、オイ。」
自称「神」との初顔合わせから数日後。久々に落ち着くことのできた宿で、悟
浄が誰に告げるともなしに呟く。このところずっと辺境の道を進んでいた為に
夜は野宿続きで、ゆっくりこの事を話題にしている間もなかったのだ。
「そうですねぇ…でも何だか解せませんよね。ほら、僕達って一応は三仏神の
命を受けてこの旅をしているわけじゃないですか?その三蔵の経文を『神』が
奪おうとしてるっていうのもねぇ…一体何なんでしょう?」
平素と変わらぬ一見おっとりとした声音で悟浄の呟きに答えながら、八戒が皆
に茶を勧める。
「…全くわからねぇことだらけだが、奴らの正体が何だろうと、仕掛けてくる
奴は全て敵だ。手間が増えるのは面倒だがしょうがねぇ。」
新聞をバサリと閉じた三蔵が、如何にも不本意といった表情で茶器に口をつけ
る。
「悟空?お茶入りましたよ?」
三人がそれぞれに会話を交わす中、ぼんやりと黙り込んだままの悟空に、八戒
が訝しげに声をかける。悟空は八戒の声にも反応を見せず、あてどもない視線
を宙に漂わせていた。
「なぁ…『焔』ってさ…『火の群れ』って意味だよな、確か…」
唐突に、悟空はそんなことを言った。日頃の悟空からは思いも寄らないその言
葉に、悟浄は咥えかけていた煙草を落としそうになった。
「モシモシ?なーにをらしくもないマメ知識を披露しちゃってるワケよ、小猿
ちゃんてば…」
「悟空にしては随分文学的な表現ですねぇ…三蔵に教わったんですか?」
穏やかな笑顔を向けながらも、八戒もまた驚きの色を隠せない。悟空は微かに
首を横に振った。
「違う…と思う。たぶん…ずっと前、誰かに…」
(……の、名は───…)
(…俺の名は、焔。『火の群れ』という意味だ───…)
「え…っ!?」
ガタンと、椅子をひっくり返しそうな勢いで悟空が立ち上がった。その瞳は、
今いるこの部屋の何処にも焦点が合っていない。あまりに常とは異なる悟空の
様子に八戒と悟浄が顔を見合わせた、その時。
「悟空」
それまで全く口を挟まなかった三蔵が、悟空を呼んだ。大声でもなければ感情
的でもない、しかし強い意思を含んだその声に、悟空はピクリと身体を揺らし、
三蔵を振り返った。
大きく開かれた金の瞳に映ったのは、真っ直ぐにこちらを見据えている、深い
深い紫色。その瞳を暫しみつめ返した後、悟空はぎこちなく笑ってみせた。
「…悪ィ、俺何だかボーっとしてたみてぇ…あっ、いつの間にか月餅なんかあ
るじゃん。八戒、コレ食っていいの?」
「え…あ、あぁどうぞ。元々悟空のおやつにと思って買ってきたんですから」
八戒の返事を聞き終わる前にテーブルへと手を伸ばした悟空は、嬉しそうに月
餅を頬張る。
「オイオイ、もうすぐメシなんだから適当にしとけよ。」
「だーいじょーぶ、おやつとメシは別モノだって」
いつもどおりのやり取り。いつもどおりの笑い。
だが、その『いつもどおり』を悟空が意識して取り戻そうとしていることを、
三人全員が気付いていた。
その夜の部屋割りは三蔵と八戒、悟浄と悟空だった。悟浄が規則正しい寝息を
立てていることを確認した悟空は、足音を立てないように注意を払いながら部
屋を出た。小さな足音が完全に遠ざかった後、控えめにドアがノックされ、誰
かが入ってきた。
「悟浄…起きてるんでしょう?」
八戒だった。呼びかけに半身を起こした悟浄は、ベッドサイドに置いた煙草を
引き寄せ火を点ける。八戒は悟浄のベッドの端に腰を下ろした。こちらに来て
はいないが、寝付かれない悟空が一人外へ出て行ったことは、無論三蔵にもわ
かっていた。
「昼間の悟空の言葉とその後の反応…どう思います?」
「どうって…多分お前が考えてるのと同じことだと思うぜ?」
いつもの悟空の会話からは想像もつかないような言葉。しかもそれは三蔵から
与えられた知識ではないという。自らの記憶を辿っていたらしい悟空がその途
中で見せた、あの反応。そこから導き出される答えは一つしかない。
おそらく悟空は直接焔本人から、その名の意味を聞いたことがあるのだ。もっ
とずっと幼かった頃に。しかしその記憶は悟空の中でひどく曖昧なものになっ
てしまっているようで、それが尚のこと悟空の精神状態を不安定にしてしまっ
ているらしい。
「心配じゃないと言ったら嘘になりますけど…どうやら一人で考えたいみたい
ですから、暫くは静観するしかないんでしょうね…。」
八戒はぽつりと呟いて、窓越しの夜空へと視線を向ける。悟浄は無言のまま、
深く紫煙を吐き出した。
悟空はあてどもなく夜道を歩いていた。その足取りは傍から見れば散歩のよう
に映ったかもしれないが、実際の悟空には周りの景色などほとんど目に入って
いなかった。何度も思い返していたのは、昼間突然己の脳裏に浮かんだ、あの
言葉。
(…やっぱり気のせいなんかじゃ、ない…俺、確かにあの言葉を、自分の耳で
聞いてる…)
間違いなくあれは、自分が『誰か』と交わした会話の一部分なのだ。
そしてその『誰か』とは……
「一人で夜の散歩か?」
ごく自然な感じでかけられた声に、足を止められる。ゆっくりと背後を振り返
ると、左右の色の異なる瞳が、自分に向かって穏やかに笑んでいた。
「な…んだよ、夜に奇襲でもかけに来たのかよ!?」
予想外の人物の登場に一瞬目を見開いた悟空だったが、その考えに至りすぐに
臨戦体勢に入る。焔にはこの悟空の反応こそ予想外だったらしく、苦笑いで首
を振った。
「そんなわけがないだろう…ここに一人でいるお前に奇襲をかけても、意味が
ない。」
「え…あぁ…そっか…」
焔の答えに訝しげな表情を浮かべていた悟空は、やがてあっさりと納得した。
そうだ。今向き合っている相手は、自分達の命を狙っている刺客とは違う。こ
の『神』が欲しているのは、あくまで三蔵の経文なのだ。それに───悟空は
頭の中で先日の戦闘を思い返していた。この男が剣を一振りしたその衝撃だけ
で、一瞬にして幾多の妖怪がカケラすら残らず消し飛んだ。それは感動すら覚
えるほどの、圧倒的な「力」だった。そんな男が、奇襲などかけるはすがない。
おそらくこの『神』にしてみれば自分達四人を倒し経文を奪うことなど、何の
造作もないことなのだ。それなのに今こうして向き合いながらも、男は悠然と
笑っているだけだ。舐められている、と思う。こと戦闘に関してはほとんど無
敵に近い強さを誇ってきた悟空にとって、それは歯軋りしたいほどの悔しさで
あった。
「…まぁこのままお前を連れ去りたい気がしないでもないが…それは後々でも
いい。俺としてももう少し、お前と闘ってみたいしな。」
「ハァ…?」
何を言われたのかわからないといった様子の悟空だったが、すぐに不貞腐れた
子供のように頬を膨らませた。
「…言っとくけど、人質と交換…なんて無駄だからな。三蔵はぜってー、そん
なの応じねぇもん。」
今度は焔が呆気に取られる番だった。暫し不機嫌丸出しの悟空をまじまじと見
ていた焔は、やがて堪えきれなかったようにククッ…と声を上げて笑い出した。
「なっ…何がおかしいんだよっ!!」
悟空が顔を真っ赤にして怒り出す。それでも焔の笑いは止まらなかった。
「お前があまりに見当違いなことばかり言うからだ。お前と経文を交換?バカ
を言うな。断っておくが、あんな薄っぺらな巻物とお前の価値を等価と捉える
ほど、俺は無礼じゃないぞ。」
悟空は今度こそはっきりと困惑した。今の言葉をそのままストレートに受け取
れば、焔は経文よりも悟空の価値の方が上だと評価していることになる。
「…?その薄っぺらな巻物を、お前は狙ってんだろ?」
「確かにな。だが別に魔天経文自体が、俺の目的なわけではない。あれはあく
まで俺の真の目的を果たす為の、小道具の一つに過ぎない。同じ役割を果たせ
るだけの力がある物なら、別段あれでなくとも構わない…その程度の物だ。」
「…お前の『真の目的』って何だよ?」
「本当の『俺の在るべき場所』を、手に入れることだ。」
落ち着いた、しかし明らかな意思を示す声が、悟空の耳に響く。悟空は焔の両
腕に嵌められた枷に視線を向け、それから自分と同じ輝きを持つ右眼を見た。
『自分の在るべき場所』と焔は言った。あれほど圧倒的な力を持ち『神』と呼
ばれながら、この男は自分の存在を受け入れてくれる場所を持っていないのだ
ろうか。
かつて五行山に封じられていた頃の自分が、そうであったように。
不意に心に湧き上がった感傷を振り払うように、悟空はきつく焔を睨んだ。
「別にどっちでもいいなら、何でわざわざ三蔵の経文を狙うんだよ!?」
「一つは他の経文よりもその所在が明確だったこと。そしてもう一つは…お前
に会いたかった…」
向き合っている蒼と金の瞳は風のない湖面のような静けさを漂わせながら、決
して逃れることを許さない、揺るぎのない光を放つ。悟空は僅かな身動ぎすら
出来ず、只々目の前の相手をみつめた。
「魔天経文は所詮、すげ替えが効く程度の物でしかない…だが、お前は違う。
お前はこの世界中で唯一つ、俺が欲しいと望むものだ。」
「な…に、言ってんだよ…お前は俺の『敵』だろう!?何でそんなコト言うん
だよ!?」
いつの間にかカラカラに渇いていた喉から、必死に声を絞り出す。声を荒げて
でもいなければ、この圧倒的な穏やかさに、呑み込まれてしまいそうになる。
焔は悟空と視線を合わせたまま、瞳を眇めてみせた。
「…俺はお前の『敵』か…?」
「…そうだよ、お前は三蔵の経文を狙ってんだろ!?だったら、俺の敵だっ」
何なんだ、この男は。この思わせぶりな口調は何だ。そしてもがくようにして
怒鳴り返さなければ、踏み留まっていられない自分は、一体何だ。
焔は悟空の金の瞳を見据え、口許に微かな笑みを浮かべた。
「金蝉…三蔵を狙う者は『敵』か。確かにあの『太陽』は、精一杯お前を慈し
んできたのだろう…今のお前を見ればよくわかる。だがな孫悟空、あの太陽は
果たして、お前の『真の救い』となりえたか…?」
「な…んだよ…それ…」
零れ落ちそうなほど目を見開きながら、それでも悟空は瞳を逸らすことが出来
ないでいた。
どうして「フザケんな」って怒鳴りつけられない?
どうして「何言ってんだ」って笑い飛ばせない?
どうして自分でも滑稽なくらい、身体が震えるのを止められない?
合わされた視線を外さぬまま、焔は悟空に近付く。ハッと気が付けば、その胸
の中に緩やかに抱きしめられていた。
「何すんだよっ…離せよ、離せってばっっ」
むずがる子供のように抗う悟空の背中を、焔の力強い手がそれに似合わぬ優し
い仕草で軽く叩いた。
「一度に色々な事を話して、混乱させてしまったようだな…すまない。」
「何なんだよ、お前…ズリイよ、こんなの…」
どうして本気で突き飛ばして逃げ出さない?
どうして温もりが心地いいなんて思う?
どうして…この腕の中で震えが止まる…?
焔は最後に額の金鈷を指先で辿るように撫で、悟空を腕の中から解放した。
「また会おう───…」
再会を望む別れの言葉を告げ、焔は踵を返した。その姿が消えようとした瞬間、
「焔っ」
初めて悟空が、その名を呼んだ。焔は振り返らぬまま「何だ?」と問うた。
「焔って……『火の群れ』って意味だよな……」
ぽつりと呟かれた言葉。何を確かめたくてこんな事を口にしたのか、悟空自身
にもわからない。
「お前の名は…『空を悟る者』だったな、悟空。」
その一言を残して、今度こそ焔の姿は消えた。振り返らなかった背中が、何故
か笑っている気がした。
それから暫くは、変わり映えのない日々が続いた。少なくとも、表面上は。日
常茶飯事と化している戦闘の相手は牛魔王側の刺客であったり、焔側から差し
向けられた者であったり、またその間には焔達自身との第2ラウンドもあった
りした。
焔と初めてまともにサシで勝負した悟空は、完膚なきまでに叩きのめされた。
悟空が意識を失うその寸前。「強くなれ」と呟き、焔は楽しげに笑った。
『俺ももう少し、お前と闘ってみたいしな。』
『お前はこの世界中で唯一つ、俺が欲しいと望むものだ。』
『あの太陽は果たして、お前の「真の救い」となりえたか…?』
「───っ!!」
ある夜、悟空は浅い眠りから跳ねるように飛び起きた。吐き出す息が情けない
くらい震えているのが、自分でもわかる。悟空は口許を押さえ、息を整えよう
と深呼吸を繰り返した。
夢に見たのは、何処までも穏やかな、あの瞳。
そこはかとない優しさすら感じられる、静かな声。
そして叫んで抗うことも、走って逃げ出すことも出来ない自分。
「オイ」
突然かけられた声に、悟空が弾かれたように振り返る。夜目にもはっきりとわ
かる眩い髪の持ち主が、真っ直ぐにこちらをみつめていた。
「…あ…悪ィ、起こした…?俺、ちょっと外の空気吸ってくるから…ゆっくり
寝て。」
バツが悪そうに謝ってみせた悟空が、のろのろと立ち上がる。寝起きのおぼつ
かない足取りでドアへ向かおうとした悟空の腕を、三蔵はほとんど強引に引い
て小柄な身体を抱き込んだ。
「さんぞ…?」
「何をらしくもなくビクついてんだ、テメェは」
不思議そうに自分を見上げてきた悟空の顔を、三蔵は間近から覗き込む。悟空
は居た堪れないように、俯いて視線を外した。
「べ、別にビクついてなんか…」
「充分ビクついてんじゃねーか…夜もまともに寝てられねぇぐらいに。」
やはり気付かれていたのかと、悟空は思った。実を言えば悟空がこんな風に夜
中に起きたのは、これが初めてではない。焔と二人きりで話したあの夜以来、
幾度となく同じようなことを繰り返していた。
あきらめたように三蔵の胸に顔を埋めた悟空は、やがて一言「怖い」と言った。
「怖いんだ…あいつ…焔のことが、怖い…あいつがスゲェ強いからとか、ぐぅ
の音も出ないくらいぶっ飛ばされたからとか、そんなんじゃなくて…あいつの
周りの空気がスゲェ静かで、周りのものを全部呑み込みそうなくらい静かで…
だから…フッと気を抜くと、引っ張られそうな感じがして…」
独り言のように呟く悟空の眼差しは、ひどく遠い。三蔵はチッと小さく舌打ち
して、悟空を抱きしめる腕に力を込めた。
「さんぞ、苦し…」
「簡単に『引っ張られそうに』なってんじゃねーよ、バカ。テメェは『ココに
いる』んだろーが。」
三蔵は悟空の顎を持ち上げて、唇を合わせた。その苛立たしげな口調とは正反
対の、悟空の強張りを解くような優しい口づけ。僅かに開かれた唇の間から忍
び込んできた舌の感触にピクリと肩を震わせながら、それでも悟空は素直に応
じる。口づけを受けている間に、悟空は少しだけ目を開けた。
視界いっぱいに飛び込んできたのは…瞼の奥が痛くなるほどの、『太陽の色』
だった。
救いは確かに存在した この出逢いは、確かに自分を救った
あの時自分を連れ出したのがこの人でなければ
きっとこんな穏やかな気持ちで世界と向き合うことは出来なかった
何もかも奪われて 罪の記憶も生き続ける理由も奪われて
言いようのない猜疑心や虚無感や 胸の奥に巣食ったそんなモノを
ぶっきらぼうな言葉で 確かな温かな手で
少しずつ削ってくれたのは 間違いなくこの人だった
だからこそこの人は 自分にとって世界で唯一人の『太陽』なのだ
三蔵の手によってもたらされる緩やかな波に甘い吐息を零しながら、悟空は三
蔵に向かって手を伸ばす。月明かりに輝く金の髪に指を絡ませて、悟空はあど
けなく笑った。
「…ンだよ」
「ん…?キラキラしてて、キレイだなぁ…って…」
「蹴飛ばすぞ」
「…ホントだよ?三蔵は俺の、一番キレイで、眩しくて、あったかいトコロだ
もん。」
「そんな寝言を言ってんのは、この世の中でテメェだけだ。」
呆れたような、それでいて気恥ずかしさを隠しているような声と共に、柔らか
なキスの雨が降ってくる。耳元に、唇に、項に、触れては離れる口づけのくす
ぐったい感覚に、悟空は笑いながら身動ぎした。
「そんなことないよ…三蔵とちゃんと話したことのある人は、みんなそう思っ
てるよ…勿論、八戒や悟浄もね。」
「…身も心も寒くなるようなことを正気で言うな、バカ」
「何で…?ホントに、ホントだよ…」
疑いのカケラもない笑顔で お前は俺を「眩しくて暖かい」と言う
お前が俺の何を見てそう感じているのか 俺にはわからないけれど
それでお前が笑うなら、俺の熱なんて幾らでもやるから
それをお前が望むなら、何処までもお前を照らすから
俺自身は自分を『光』だなんて到底思えないけど
それでお前がココにいるというなら
『太陽』にでも何でもなってやるから───
貴方は俺の 世界でたった一人の『太陽』
キレイで 眩しくて あったかい『太陽』
けれど決して この手には掴めない、『太陽』───…
第三章・終
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