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                  |  |  | 落下物注意〔2000年〕
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                  | フランシス・ミジオ著 |  | 
                
                  |  | ユーモア・ノワール、FBI カリスマ隕石ハンター、人工衛星
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                  | リーニュ・ノワール社 (パリ) 叢書 リーニュ・ノワール
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                  |  | Tout ce qui tombe du ciel / Francis Mizio -Paris : Editions Lignes Noires.
 -452p. -12.5 × 18cm. -2000.
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                  |  | 【あらすじ】 |  | 
                
                  |  | 車の左右の扉が開いた。下りてきた二人の巨漢が目を交わす。拉致してきたクロブカ(喫茶店経営主、46才)を窓のない部屋へと連れこんでいく。男が立っていた。椅子に座らされたクロブカ。尋問の始まりだった。三人の言葉にはアメリカのアクセントがあった。男たちは合衆国山岳部に設置されたスーパーコンピューター「ジャイアント」について話し始めた。 |  | 
                
                  |  | 「お前を見つけるのに二週間かかった」。合衆国の人工衛星「ピール」にテロ攻撃を加えたのがクロブカだというのだった。「最初から話してみろ」、「いや、車の保険がおりたからね…」、「最初から話せといったろう」、「最初から?」、「あぁ」、「昔々ビッグバンというのがあって…」、「誰がそこまで遡れといった」。アメリカ人三人組は首を振った。スーパーコンピューター「ジャイアント」の計算に間違いはないはずだった。テロ攻撃の原因はこの男である。「最初から話してみろ」。 |  | 
                
                  |  | クロブカは再び話し始めた。二ヶ月前、買ったばかりの新車に隕石が落ちてきて大破した。すべてはそこから始まっていた… |  | 
                
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                  |  | 【講評】 |  | 
                
                  |  | ピラニアを飼っている以外何の変哲もない田舎のおじさんクロブカさんが合衆国諜報機関に拐かされます。この「なぜ?」を説明するために延々450ページの物語が進んでいきます。新車に落ちてきた隕石。アメリカからやってきたカリスマ隕石ハンター。隕石に精霊ボビの魂が宿っていると信じたアフリカ青年ママドゥ。隕石アートを夢想する女学生のイマジン…壊れたキャラたちの運命が絡みあい、途中で殺人事件を挟みながら最終的に人工衛星へのテロ攻撃に収斂していく… |  | 
                
                  |  | 傑作コメディ『植物で健康に』に一番近い手触りの作品が本作になるでしょうか。『植物で』が全体をスマートにまとめていたのに比べ、こちらは煩瑣な表現が多く読みづらい個所が多々あります。それでもこれだけ奇抜なアイデアを実現できてしまうのはミジオさんだけ。最後は郵便局の黄色い小包が宇宙の真空を飛んでいき、人工衛星に衝突して大破します。この結末には笑いが止まりませんでした。 |  | 
                
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                  |  | 【最終更新】 2009-06-16 |  |