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我ら金塗れの幻想的な年月
〔2001年〕 |
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ドミニク・マノッティ著 |
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ミッテラン期フランス、武器密輸
政治汚職、娼婦殺し、アラブ人女性警官物 |
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リヴァージュ社 (パリ)
叢書 リヴァージュ・スリラー |
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Nos fantastiques années fric / Dominique Manotti
-Paris : Editions Payot & Rivages. -(Rivages/Thriller).
-184p. 16 × 24cm. -2001. |
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【あらすじ】 |
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「山岳部は雪に覆われていた。砂漠に似た山々。青く澄んだ湖。遥か頭上を一筋の飛行機雲が横切っていく。航空会社の時代遅れなポスターと見間違えそうな風景だった。飛行機は炎に包まれる。爆発。十数個の火の玉に分かれ、花火となって飛び散っていく」 |
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カクテルパーティー。政治家と財政家が集まっていた。輪の中心には大統領顧問ボルナンの姿がある。武器密輸を成功させた祝杯を上げている真最中。対イラン関係改善のためにこの密輸はどうしても必要だった。「成功に乾杯」。杯を干す暇もなかった。緊急の電話が入る。トルコ上空でボーイング747が姿を消したという情報が入った。 |
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翌日のエリーゼ宮。ボルナンは大統領と中東情勢を語り合っていた。事務室に慌しく戻っていく。都合の悪い情報を売ろうとしているジャーナリストがいるようである。元情報局員に揉み消し工作を依頼。これが裏目に出た。スキャンダルは揉み消されるどころが飛び火を始めていく… |
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【講評】 |
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バイセクシャル警官ダカンを主人公に据えた三部作(『薄暗い小道』、『我らが馬に乾杯』、『Kop』)を成功させた後もマノッティによるミッテラン時代の告発は続いていきます。主人公を若いアラブ人警官ノリアに変え、仕切り直しとなった本作はこの人にしか書けない強靭な政治スリラー作となりました。 |
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物語は娼婦殺しの地道な捜査を始めたノリアが外政問題に巻きこまれ、人生を激変させていく形で動いていきます。旧作に比べると主人公のキャラがやや弱いのが残念ですが、それでも硬派な筆致、鋭い論点は唯一無二。 |
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【最終更新】 2009-06-16 |
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