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木曜にジュリは
〔1978年〕 |
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ジョルジュ=ジャン・アルノー著 |
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地方主義、密閉型サスペンス |
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フルーヴ・ノワール社 (パリ)
叢書 スペシャル・ポリス 1389番 |
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Les Jeudis de Julie / Georges-Jean Arnaud
-Paris : Editions Fleuve Noir.
-(Spécial Police; 1389).
-11 × 18cm. -1978. |
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【あらすじ】 |
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仕事から帰宅したマリー。木曜はどうしても帰宅が遅くなった。台所に乾いていないマグカップが二つ並んでいた。「ウィリー君が遊びに来たんだよ」、娘のジュリがそんな話をしていた。父親のいない田舎暮らし、閉じこもっているより男友達が一人二人いた方が良いのかも。そんな気がした。 |
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翌週は「ボリス君」だった。さらに「ジルダス少年」。 |
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田舎では噂が早い。義理の姉のジェルマンが顔を出す。「変わった名前ね。ウィリーなんて名前の子供は聞いたこともないわよ」。確かに姉の言う通りだった。そんな名の少年は街に存在していなかった。
「子供だった頃、色々な人物を想像したことってなかった?」
「確かに子供はねぇ。でも10才を過ぎてっていうのは問題かも」
遥か昔、兄を事故で失った娘の妄想なのだろうか。「辺鄙な場所に住んでいるからよ。教育上良くないわよ」、姉は嫌味ばかり言ってくる。人間関係が軋み始めていた。ある日ジュリが過ってジェルマンを射殺し施設に収容されてしまう。母親は毎週木曜に何が起こっていたのか、独力で秘密を解き明かそうとする… |
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【講評】 |
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アルノーが得意としている田舎町一軒屋での怪奇現象物語。相変わらず語り口が上手く、前半で次々謎を積み重ねながら最後きちんと全てを解き明かしてくれます。一瞬フワッと現実の外にもっていかれてしまうこの感覚。さすがの職人技です。 |
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【最終更新】 2009-06-16 |
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