一方欠点の方も直っていないのがこの作家らしいところ。約束事なので追記しておきますが、ADGは差別意識を強く抱えた極右寄りの作家です。文章の細部に移民(アラブ人)や性的マイノリティー(バイセクシャル)を罵倒する表現が組みこまれていて、しかも洒落ではなく本気で信じているのが伝わる書き方になっています。そしてこの「美しいフランス、優れたフランス語万歳、外国人ゴーホーム」の強い信念が作家の筆力を支えている一つの柱になってます。挑発的、芸術家肌のアナーキーな美文極右なので三島由紀夫〜東京事変ラインというか何というか。
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