Ultimes / Editions de la Baleine

究極
 〔2000 - 2002〕

バレンヌ社 (パリ)
     純文学寄りノワール
ポラルシーヴ、地方主義、幻想

【概説】
バレンヌ社の社長ケルヴェルソが直々に監修を手がけた唯一の文学コレクション。同社ではジャンル系叢書が行き詰まりを見せていたこともあり、内容的に「純文学」寄りにシフトしていますが、どの作品にも犯罪の要素は絡んでいます。  
表紙は赤基調。デザインを担当したスケッチ社がインパクトの強い写真を選んできています。当初は文庫サイズ(18×11センチ)でしたが4冊目からサイズが大きくなりました。屈折度の高い女性作家(エイム、ミラル、デリアン、ルスリエ、デジル)を中心とし、地方主義(アル)や幻想系(ブロネル)など多様な小説が発表され、途中からは叢書内叢書として「ポラルシーブ」(ミステリ資料庫)と呼ばれる別シリーズも登場してきます。
02年のバレンヌ社閉鎖、ケルヴェルソ解雇に伴い叢書の活動は停止。エイム、デリアン、アルらはケルヴェルソによる新出版社コントルバンディエに移って新作を発表、「ポラルシーブ」はパサージュ社で別展開…00年代中旬以降、分岐する形での発展を見せています。

【諸データ】
【1999年後半】
出版社スイユがバレンヌ社を合併吸収。採算の取れていなかった叢書(カナーユ・リヴォルヴァー、マクノ)の閉鎖を決定。年間の出版数を55冊まで落とすことが決まっています。 
 
【2000年1月】
叢書「究極」スタート。情報サイト「モヴェ・ジャンル」にケルヴェルソのオンライン・インタビューが掲載されます。「ミステリ叢書じゃないよ」と釘を刺していました。
【2001年】
左派系ジャーナリストとして知られていたジェラール・ストライフが『グット・ドールの秘密』で「ポラルシーヴ」を開始。若手歴史家のクロエが史家・資料館長アントワーヌの助力の元で様々な現代史の謎を解いていく、という趣向でした。
【2002年6月】
持株会社のスィユがケルヴェルソを含むバレンヌ社従業員全員の解雇を決定。
【2003年5月】
パサージュ社で「ポラルシーブ」が復活。ピエルサンティやマイテ・ベルナールなど実力派の若手作家を集めてきます。
【2004年1月】
ケルヴェルソが新出版社レ・コントルバンディエを始動させる。

【作品】
『世紀末日記』
エヴ・デリアン著
『スイス・トラッシュ』
ドゥニア・ミラル著
『ジャガイモを打て』
ジェラール・アル著
01 02 03
01: Journal de la fin du
monde / Eve Derrien
[2000]
02: Swiss trash
/ Dunia Miralles
[2000]
 03: Il faut buter les patates / Gérard Alle
[2000]

『戦争日誌』
ジェラール・ブロネル著
『首を切られた太陽が』
ベネディクト・エイム著
『汚い奴』
シルヴィ・コーエン著
04 05 06
04: Journal de Guerre
/ Gérard Bronner
[2001]
05: Soleil Cou Coupé
/ Bénédicte Heim
[2001]
06: Sale type
/ Sylvie Cohen
[2001]

『黄金窟の秘宝』
ジェラール・ストライフ著
 『忘れちゃえ!』
ベルトラン・ロテ著
『切断』
ダニエール・ルスリエ著
07 08 09
07: Les caves de la
Goutte d'Or / Gérard
Streiff [2001]
08: Oublie !
/ Bertrand Rothé
[2001]
09: Découpage
/ Danièle Rousselier
[2001]

『どちらかといえば月』
シルヴィ・デジル著
『親指小僧の死』
マイテ・ピネロ著
『本尊はどうなったのか?』
ジェラール・ブロネル著
10 11 12
10: De deux choses
Lune / Sylvie Desilles
[2002]
 11: La Mort du Petit
Poucet / Maïté Pinero
[2002]
12: Qu'en est-il du corps
de Dieu? / Gérard
Bronner [2002]
 

【最終更新】 2009-06-09
Photo : "Voici le temps des assassins" / Julien Duvivier, 1955
] Noirs [ - フランスのもう一つの文学 by Luj, 2008 - 2010

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