SOS-Racisme / Calmann-Lévy

SOS=レイシズム
 〔1988-1989〕

カルマン・レヴィ社 (パリ)
     社会派ノワール、人種差別問題

【概説】
 カルマン・レヴィ社はドゥムーゾンとバセ・シェルコを別にすると仏ノワール/ポラールの公刊に目立った動きは少ないのですが、80年代末、政治団体「SOS=レイシズム」と連動し人種差別を扱ったノワール叢書を開設していました。ページ数、内容の(自己)規制が大きかった当時の仏ノワール界では異色のコレクションですが、この時期最先鋭の作家(レナル、カン、ヴィラール)が集まってきています。  
文庫版ではなく21 x 14 cmのフォーマット。当初はシンプルな黒地と白文字にワンポイントのイラストとロゴがあしらわれていました。「ロマン・ノワール(ノワール小説)」ではなく簡明な「ロマン(小説)」で済ませている辺りもこだわりでしょうか。現時点でフランス本国でも存在を忘れ去られてしまっているコレクションで、出版社のサイトからも記録が消えているのですが仏ノワール小説が社会派の揺れを見せた一つの兆候として興味深いかなと思います。 

【諸データ】
【1988年1月】
ロジェ・マルタン『スキンヘッド』で叢書がスタートする。合衆国の極右主義(KKK他)に詳しい作家で、95年に同カルマン・レヴィ社で『AmeriKKKa』という歴史論考も発表しています。
 
【1990年1月】
813協会が公刊している同名雑誌(第30号)にポール・モジャンドル氏がSOS=レイシズムを扱った論考を寄稿。同叢書を扱った数少ない文章の一つとなりました。

【作品】
『スキンヘッド』
ロジェ・マルタン著
『ニース=東』
パトリック・レナル著
『ミシシッピー・デルタ・
ブルース』 マリ&ジョゼフ著
 Skinheads
/ Roger Martin
[1988]
 Nice-est
/ Patrick Raynal
[1988]
Mississippi Delta Blues
/ Marie & Joseph
[1988] 

『階上のビリヤード』
ミシェル・カン著
『墨汁』
フレデリック・ラルセン著
『ジェミラ』 ジャン=フランソワ
・ヴィラール著
Billard à l'étage
/ Michel Quint
[1989]
 L'Encre de Chine
/ Frédéric Larsen
[1989]
Djemila
/ Jean-François Vilar
[1989]

 

【最終更新】 2009-06-09
Photo : "Voici le temps des assassins" / Julien Duvivier, 1955
] Noirs [ - フランスのもう一つの文学 by Luj, 2008 - 2010

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