] Noirs [

Club Van Helsing / Editions Baleine

クラブ・ヴァン・ヘルシング
　〔2007 - 2008〕

バレンヌ社（パリ）

同一主人公連作、モンスター・ハンター
アーバン・ダークファンタジー

【概説】

２００７年、新生バレンヌ社が仕掛けた都市型ファンタジー叢書。作家ギョーム・ルボーとグザヴィエ・モメジャンが同社に持ちかけた企画が実現したもので、モンスターハンターであるヒューゴ・ヴァン・ヘルシング（とその仲間たち）の活躍を描くという趣向でした。厳密にはＳＦ・ファンタジーの内容ですが、ルボー／モメジャンがマスク社と繋がっていたため同社近辺のミステリ作家（ポール・アルテ、タバシュニク）の原稿が集まってきて、さらにペローやルロワなどノワール寄りの作家も参加してくるようになります。

愛称は「ＣＶＨ」。トラッシュで美しい装丁で一部のダーク・ファンタジー愛好家から大きく期待されたものの、編集絡みでたびたびトラブルが起こり出版が停滞。業を煮やしたモメジャンが監修を離れたことで内部崩壊、０８年ペロー作品を最後として活動停止、公式サイト活動も終了しています。ステファニー・ベンソンやロマン・スロコンブ新作が予告されていたのですが、こちらもどうやら日の目を見ることはなさそうです。

【諸データ】

【２００７年５月】
『コールド・ゴータ』（ギョーム・ルボー）で叢書開始。　

【２００７年７月】
CVHの公式ホームページ開設。

【２００７年９月】
作家殊能将之さんがご自身のサイト「A Day In The Life of Mercy Snow」で「ＣＶＨ」に言及する。全くの別件でお邪魔していた時に見慣れた３つのアルファベットが出てきたのでびっくりしました。

【２００７年１１月】
ＳＦ専門のラジオ局「サル１０１（１０１号室）」でルボー／モメジャン／デュフールのクロス・インタビューが公開されました。　

【２００８年１月】
ポール・アルテ作『ミノタウロスの夜』で「第２シーズン」開始。ここから題字に黄色が使われるようになります。０８年春（４月～５月）にはペローやスロコンブ、ステファニー・ベンソン作品を公刊する計画となっていました。

【２00８年４月】
叢書最終作となる『アウトバック』（ピエール・ペロー）公刊。

【２００８年５月】
グザヴィエ・モメジャンが叢書監修を離れる。原稿料支払いの遅れなど様々な問題が積み重なっていたようです。この一件が公表されたのはもう少し後、８月になってからでした。

【２00９年２月】
依頼を受け執筆を途中まで進めていた作家のローラン・フェティス氏が未完の原稿をブログで公開する。

【作品】

『コールド・ゴータ』ギョ－ム・ルボー著	『皆が怪物という訳じゃない』マウド・タバシュニク著	『（アイ・キャン・ゲット・ノー）咀嚼できない』ジャン=リュック・ビジアン著

Cold Gotha / Guillaume Lebeau [2007]	Tous ne sont pas des monstres / Maud Tabachnik [2007]	Mastication (I can't get no) / Jean-Luc Bizien [2007]

『死の問題』ジョアン・エリオ著	『オルフェ錯乱』カトリーヌ・デュフール著	『リバイアタウン』フィリップ・ルロワ著

Question de mort / Johan Heliot [2007]	Délires d'Orphée / Catherine Dufour [2007]	Léviatown / Philippe Leroy [2007]

『ミッキー・モンスター』Ｄ・ブレタン＆Ｌ・ボンゾン著	『フリークショー！』グザヴィエ・モメジャン著	『ミノタウロスの夜』ポール・アルテ著

Mickey Monster / D. Bretin & L. Bonzon [2007]	Freakshow ! / Xavier Mauméjean [2007]	La Nuit du Minotaure / Paul Halter [2008]

『ヴードゥーの黄昏』Ｊ=Ｍ・ロフィシエ著	『狼の大公』ピエール・グランベール著	『アウト・バック』ピエール・ペロー著

Crépuscule vaudou / J.-M. Lofficier [2008]	Saigneur des loups / Pierre Grimbert [2008]	Outback / Pierre Pelot [2008]