] Noirs [

Collection Noire / Editions Fleuve Noir

コレクシオン・ノワール
　〔1988-1989〕

フルーヴ・ノワール社（パリ）

大衆文学系コンテンポラリー・ノワール

【概説】

８０年代後半、フルーヴ・ノワール社の構造改革が進む中で発表されたコレクションの一つ。白を基調にした清楚なジャケット、新人作家優遇の出版戦略など、同社の看板叢書だったスペシャル・ポリスと大きく趣を変えた叢書になりました。

過渡期ということもありフルーヴ社お抱えのSF作家（ショメット、オナケル、エッケン、ピカール）が多く参加しているのも目に留まります。８０年代末、仏ノワール氷河時代に生まれてきた叢書の一つですが、レーベルカラー払拭には至らず２年弱で閉鎖。この後フルーヴ社は叢書クリムを挟み、９０年代のレ・ノワールに取りかかっていきます。　

【諸データ】

【１９８５年】
フルーヴ・ノワール社の読書委員会メンバーに社会保険が適用されていない事実が発覚、裁判沙汰に発展し同社が敗訴する。　

【１９８６年３月３１日】
フルーヴ・ノワール社の創設者アルマン・ドゥ・カロが社長職を退く。　

【１９８７年】
文芸部門を担当していたパトリック・シリィがディレクター職を退き、叢書スペシャル・ポリスが３８年の歴史に幕を閉じる。　

【１９８８年】
フニ・ギラマンが文芸部門の新ディレクターに就任。６月に発表されたパトリック・モスコニの『死物』で新ノワール叢書をスタートさせる。　

【１９８９年】
フレデリック・ルロワの『ニューヨーク７番街』で叢書が閉鎖される。　

【作品】

『死物』パトリック・モスコニ著	『議員さんは他人様の血がお好き』アラン・ナレ著	『一周』クロード=Ｊ・ルグラン著

1 : Nature morte / Patrick Mosconi [1988]	2 : Monsieur le député ou le sang des autres 　/ Alain Nallet [1988]	3 : La Virée / Claude J. Legrand [1988]

『獰猛舞踏曲』ジャン=ジャック・デュピュイ著	『かくも長き不安』ジョルジュ=ジャン・アルノー著	『犯罪オーディション』クロード・エッケン著

4 : La Gigue des féroces 　/ Jean-Jacques Dupuis [1988]	5 : Une si longue angoisse 　/ Georges-Jean Arnaud [1988]	6 : Auditions coupables / Claude Ecken [1988]

『死者はスゥイングを踊らない』Ｈ・マルシャル著	『被害者は誰』Ｊ=Ｍ・ヴァラント著	『マンハッタン・ドライ』ミシェル・オナケル著

7 : Les Morts ne swinguent plus / H. Marchal [1988]	8 : Mais quelle est la victime ? / J.-M. Valente [1988]	9 : Manhattan dry / Michel Honaker [1988]

『昔日』ミシェル・カン著	『暗殺者に負けはない』ロベール・デスタンク著	『ゲーム』ジャン=クリストフ・ショメット著

10 : Jadis / Michel Quint [1989]	11 : Pas perdus pour un tueur 　/ Robert Destanque [1989]	12 : Le Jeu / Jean-Christophe Chaumette [1989]

『スゥイングに狂う』ドミニク・ザイ著	『骨砕け』アニー・ジャン著	『良き種子』アレキサンドル・ドロジンスキー著

13 : Dingue du swing / Dominique Zay [1989]	14 : Dégât des os / Anie Jean [1989]	15 : La Bonne graine / Alexandre Dorozynski [1989]

『霊の腹』ジャン=ジャック・デュピュイ著	『雪の教主』ジルベール・ピカール著	『フォルバッハで会いましょう』カー著

16 : Le Ventre de l'ombre 　/ Jean-Jacques Dupuis [1989]	17 : Le Calife des neiges / Gilbert Picard [1989]	18 : Rendez-vous à Forbach / Kââ [1989]

『ニューヨーク7番街』フレデリック・ルロワ著

19 : New-York 7ème avenue 　/ Frédérick Leroy [1989]