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「光と影のカプリス 番外編02(GS)」

クロト (2007-08-15 21:52)
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 妙神山の麓(ふもと)の一角に、妙神神社という小さめの神社が建っている。
 麓といっても「日本のどこにこんな場所があるんだ」というくらいの山奥で、半径5km以内に人家はない。舗装もされてない山道が1本やっと通っているだけというド田舎であった。
 かなり風変わりな神社で、普通の神社がやっている祭事や祈祷、お祓いの類などはほとんどやっていない。まともにやる行事は年末年始の大祓式(おおはらえしき)・除夜祭・歳旦祭だけという、何とも恐るべき怠慢ぶりである。もっともこんな僻地(へきち)に初詣に来るのは、ここよりさらに山奥に住んでいる竜のお姫様くらいしかいないのだが。
 これでどうやって維持管理費などを捻出しているかというと、「美人巫女が書いた竜気入りのお札」の販売利益によるものだ。1枚100万円以上もするが、ここでしか売っていない超レア物の上に効力から見ればひどく安めの価格設定なので需要は多い。むしろ通販不可・転売禁止・枚数制限有りと売り方に制限をつけてバランスを取っているくらいだった。
 運がいいと「美人妖狐がつくったお揚げ料理」という珍しいものがふるまわれる事もある。最近はこちらが目当てで参拝に来る者もいるようだ。
 今日もそろそろ日が暮れようとしている。山々の向こうに沈みかけたオレンジ色の炎を眺めながら、無事1日のつとめを終えた長髪の巫女さんが呟いた。

「今日も夕日がきれいだな。本当に静かで穏やかで……こういうのを幸せというんだろうな、きっと。
 支部長殿や美神殿が来ると騒がしくなるが、それはそれで刺激になるしな……」

 年のころは20歳すぎくらいか。凛とした感じの美人だが、その頭には鹿のような角が2本生えていた。
 その見た目の通り、彼女は人間ではない。人間の影法師として生まれたが、いろいろあって今は本体ともども竜神に転化したという稀有な経歴の持ち主だ。名前はカリンという。

「……さて、そろそろ横島が修業場から戻るころかな。小竜姫殿に引き止められてなければだが……」

 ふふっ、と可笑しそうに微笑みつつ、カリンは素振りしていた日本刀を鞘に戻した。この前の「誕生日」に本体と同僚と元雇い主が共同でプレゼントしてくれた、その名も「仔狐丸」という霊刀である。小竜姫が見立てた名刀に横島が術式をかけ、それにタマモが九尾の妖力を吹き込んで作り上げた一品物で、カリンはこれを宝物にして常に佩用していた。
 ちなみに横島の用事は修業などではなく、本日発売のゲームを届けに行っているだけである。何しろ妙神山修業場の主の猿神・斉天大聖は神界屈指のゲーム好きで、インターネット環境を用意できない修業場の代わりにこの神社にネットゲーム部屋を設置させたくらいなのだ。3日に1度は泊まりで遊びに来る。

「ねえカリン、夕ご飯何にしようか?」

 と社務所から出てきた女性がカリンに近づいて声をかけた。こちらも巫女装束で歳も同じく20歳過ぎくらい、目の覚めるような美貌に金色の長いナインテールと特徴的な容姿をしている。
 もはや芸術的なまでに美しくバランスの取れた肢体はむしろそれと相反するような生々しい妖艶さをオーラのように煙らせており、それが立ち居振る舞いのところどころに滲み出る機智の光と相俟って、もはや人間では有り得ないほどの魅力を輝かせていた。
 しかしそれも当然、彼女はかの有名な大妖「金毛白面九尾の妖狐」の転生体なのだから。

「ん、タマモ殿か。そうだな、横島がそろそろ帰るころだから、当人に直接聞いた方がいいんじゃないか?」
「そうね、それじゃ私もここで待ってようかな」

 タマモはあっさり頷くと、無造作な、それでいて優美な足取りでカリンのすぐそばまで歩いて行った。ふと気配を感じて山の上の方に顔を向ける。

「あ、あれ横島かな?」

 見れば何か人の形をしたものが、かなりの急速度でこちらに向かって飛んで来ていた。20歳過ぎくらいのちょっと冴えない感じがする青年だが、生身で空を飛べるからにはただのボンクラではあるまい。
 人影は何事もなく神社の真上にたどりつくと、カリンとタマモの目の前にゆっくりと着地した。

「「おかえり、横島」」
「ただいま、2人とも。わざわざ外で待っててくれたのか?
 ……あ、これおみやげ」

 巫女さん2人のお出迎えに青年も笑顔で応えて、手に持った包みを差し出した。彼は横島忠夫といって、そうは見えないが人の身で竜神への転化を果たした傑物でこの神社の宮司でもある。
 だから本来ここでは狩衣(かりぎぬ、神職の常装)を着ていなければならないのだが、今日は早朝に秋○原に行ってそこから修業場に直行したので、ジャケットにGパンという普通の若者っぽい服装だった。
 もっともこの男は性格的にズボラな所があるので、狩衣を着ること自体が珍しかったりするのだが……。

「ありがと、でも今日は早かったじゃない」

 おみやげはありがたく受け取ったタマモだが、横島が予定通りの時刻に帰ってくるとはあまり信じていなかった模様である。すると横島は憮然とした顔で息をついて、

「ああ。小竜姫さまには夕メシ食ってけって言われたけど、サルがいたらHできんからな」

 サルというのは斉天大聖のことで、小竜姫の師だから横島にとっては大師匠に当たる。だからこそ神社にネット部屋を置いたりお使いを引き受けたりしているわけだが、日頃はただのゲーム猿なので横島はほとんど敬意を払っていない。
 それでも同じ屋根の下にいる時はセクハラ行為は慎む程度の遠慮はあるようだが……。

「だってあのサル昨日はここに泊まって行ったろ。2日間もガマンしてられるか」

 つまり昨日はHできなかったから、今日は思う存分ヤりたいという意味である。相変わらず欲望に忠実な男だったがそれは今さらのことだし、タマモとしてはストレートに自分を求めてくれるのは不快ではなかった。

「そう。ところでこれから夕ご飯つくるつもりだったんだけど、先にご飯にする? お風呂にする? それともやっぱり私がいい?」

 まことにお約束でベタな台詞だが、タマモほどの美女が嫣然と微笑みながら言う分には破壊力十分である。

「そだな。ちょっと腹減ったからここは女体盛りで、いやいやその前段階としてはだエププレイというのも……」

 さっそく目を血走らせてピンク色な妄想を始める横島。しかしその直後、後ろからタマモも込みで頭をがつんと小突かれた。
 加害者はもちろん妙神神社随一の良識派、カリンである。

「ここは境内だぞ。そういう話は家に帰ってからにしろ」

 家というのは社務所の裏に隣接する形で建てられた3人の私室のことだ。公私の区別をつけるためにそういう構造にしたもので、人目をはばかる話はそこでしろという意味である。
 まことにもっともな意見だったが、すでにえろスイッチが入ってしまった横島にはあまり通じず、

「ん、妬いてるのか? 大丈夫だって、おまえも後でちゃんとかわいがってやるから」
「さっさと帰れっ!!」

 横島は背中を思い切り蹴り飛ばされた。


「んっ……ん、はぁ……あぁん」

 タマモの低い喘ぎ声が台所の空気を湿らせる。横島がさっき言った通り、狐娘に裸エプロンプレイをやってもらっているのだ。
 いや正確にはハダカではないのだが、彼女が着ているのは薄い無地の襦袢1枚きりでパンツもブラジャーもつけていない。襟と裾が大きくはだけて、何かもう全裸より色っぽかった。
 横島の無骨な手が襦袢の内側にもぐりこみ、みずみずしい素肌をさわさわと撫であげる。ピンク色の乳首をやさしく摘まれて、タマモはびくっと身を震わせた。
 流し台の端に手をついて体をささえ、かすれた声で抗議する。

「横島だめぇ……カリンが見てるからぁ……」

(というか、見せているのだろう……)

 とことん呆れきった顔つきでカリンが呟いた。そもそも台所で下着同然の恰好でいること自体、まじめに夕食をつくる気がない証拠である。
 カリン自身はちゃんと普通の服を着て、夕食の冷やしそうめんを茹でていた。裸エプロンから女体盛りなんてワケの分からないコンボをさせないためのメニューである。
 それでも夏の東京は暑かったろうということで、元気が出るよう麺つゆにごま油とニンニクなどを混ぜていたりする辺り、何だかんだ言って彼女もかなり甘かったが。
 トマトとキュウリを切って、あとタマモ用に別のフライパンできのこ入りのお揚げを焼いている。
 ……横島はそのすぐ隣で、後ろからタマモの乳を揉んでいた。

「ぅうんっ、はぁ……ダメぇ、力抜けちゃう……」

 いかにも重たくて張りのありそうな双丘が、横島の指の動きに合わせてむにむにと形を変えていく。すべすべで柔らかくて、しかも埋め込まれた指を若々しい弾力で押し返してくるいい乳だ。
 横島はその感触の素晴らしさとタマモの喘ぎ声の艶っぽさにますます興奮して、

「くくぅっ、いつもながらこの揉みごたえとフェロモンがもーたまらん! やっぱおまえは最高じゃー!」
「も、もう横島ったら。んっ、あんっ、でっ、でも私も気持ちいいっ、やっ、あぁんっ」

「…………こ、こいつらは……」

 横島とタマモはすっかり行為に没入してしまっているようだが、それを見せつけられているカリンの方はたまったものではない。それにお揚げはタマモの担当だったはずなのに、なぜ自分が見てやらねばならないのか。

「いいかげんにしろーーーっ!!」

 カリンは再び横島を蹴り飛ばした。


 横島は夕食を食べ終えると、隣でごちそうさまと手を合わせたタマモに向かって何気ない口調で声をかけた。

「ふー、ごちそーさん。それじゃタマモ、いっしょに風呂でも入るか?」

 そのあまりのナチュラルっぷりに、カリンは思わずずっこけた。例のコンボは阻止したが、横島のえろスイッチ自体はずっと入りっ放しだったらしい。
 しかしタマモは別に驚いた風もなく、

「いいわよ。でも私は洗い物があるから、カリンと先に入っててちょうだい」

 とあっさり答える。しかしこれはなかなか深い意味を持った台詞で、カリンが夕食の支度を1人でしてくれたお礼と、その最中に彼女の目の前で2人の世界をつくってしまったことに対する埋め合わせを兼ねているのだ。
 当然横島にそんな深遠な思惑を読み取れるはずはなかったが、2人での予定が3人でとなれば嬉しいに決まっている。

「おー、それは名案だな。それじゃカリン、さっそく行くぞ、今行くぞ!」
「え!? あ、こ、こら待て横島……!」

 カリンはとまどうばかりだったが、彼女も恋人と一緒にお風呂に入るのが本気で嫌だというわけではない。二の腕をがっちりとつかまれて、ずるずると浴室に引きずられていった。
 ちなみに妙神神社社務所のお風呂は、住んでいる人数の割にはかなり広くて立派な造りになっている。山奥だから泊まりのグループ客に備えて、という建前のもと、家主である横島自身がお風呂でのえっちを思う存分に楽しめるだけの面積が確保されているのだった。
 ―――ということで、横島はその立派な総檜造りの湯船に悠然とした面持ちで身をひたしていた。ただし1人で。
 カリンはいっしょに入ることは了承してくれたが、脱衣シーンまでは見せてくれなかったのである。もう最後までいったんだから別にいいじゃないかと思うのだが、女性の心理はそういうものではないらしい。

「それにタマモ殿が言うには、あまり簡単に見せていると価値が下がるらしいからな」

 ありていに言えば、飽きるとか刺激がなくなるとかそういったことである。麻雀とかトランプとか、脱衣自体に意義があるものはまた別だそうだが。

「ううむ、なるほど……さすがに傾国の知恵は奥が深いな」

 横島は煩悩があり余りすぎて直球ド真ん中な思考法になりがちな男だから、タマモのこの論法はなかなかに新鮮だった。そういうわけで脱衣見物はあきらめて、先に浴室に入っていたのである。

「待たせたな、横島」

 と浴室に入ってきたカリンは、しっかりとタオルを体に巻いていた。多少残念ではあったが、タオルの上からでもスタイルの良さははっきり分かるし、ちょっとだけ恥ずかしそうにしているのが普段のキチッとした感じとのギャップでまた萌えだ。
 マナー通りかけ湯をしたカリンが湯船に足を入れる。そしてなぜか横島の背後に回りこんだと思うと、後ろからきゅーっと抱きついてきた!

「のぉっ!?」

 背中に押し付けられた大きな双乳のたゆんたゆんな感触に横島が奇声を上げる。しょっぱなから何てステキなサービスだろうか。だが、しかし!

「カリン、湯船の中でタオル巻くのはマナー違反だぞ」

 自宅だからそこまでこだわることはないと思うが、自分に有利なルールなら使わない手はない。
 むろん横島自身も素裸で、彼の(自称)ビッグマグナムが早くも「真上を向いて」完全な臨戦態勢に入っているのがもう丸分かりであったりする。

「ふふっ、さて、どうしようかな? おまえはタマモ殿の方が好きみたいだしな」
(をぅっ、もしかして妬かれてる!?)

 男として実に嬉しいことだが、対応が難しいのも事実だ。もっともこういう場面で横島にできるのは、後先考えずに適当なことをのたまうことくらいのものだけれど。

「い、いやアレは言葉のあやとゆーか、別におまえがタマモより劣ってるとかそーゆーんじゃなくて、そう! おまえも同じくらい最高だから乳首つねるのやめてー!」

 声の調子もその内容も情けなかったが、横島にはこれが精一杯なのだ。しかしカリンは本気で彼を責めるつもりはなかったらしく、クスッと唇を綻ばせるとつねっていた手を離した。

「そうか、そこまで言われたら仕方ないな」

 体に巻いていたタオルをほどいて湯船の縁にかけると、改めて恋人を後ろから抱きしめる。湯に濡れた熱い素肌がぴったりと触れ合った。

「ふおぉっ、今度こそ生おっぱいが背中にぃっ!?」
「ふふっ、気持ちいいか? じゃあもう少しサービスだ」

 横島ももう大人なんだから、もう少し節度のある喜び方をした方がいいんじゃないかとも思うのだが、感銘をこうも素直に表現されればカリンも悪い気はしない。こういうおバカでストレートなところが彼の持ち味なのだから。
 左手は横島の胸板を抱きしめたまま、右手で彼の(自称)ビッグマグナムの先端部を撫でさする。しなやかな指を舞わせて、カリやスジをちょいちょいっといじくった。

「んひょっ!?」

 背すじまでざわめくような感触に横島は思わず腰を浮かせかけたが、上半身はがっちりホールドされているので動けない。性格カタめのカリンは普段あまりこういう事はしないのだが、今日は特別なのだろうか。

「タマモ殿のように上手くはできんが……こんな風でいいのか?」
「おおおっ、アレが胸が背中がぁ!?」

 上手くはない、と言ってるわりには的確に急所を突いた攻撃に横島がまたも情けない悲鳴をあげる。
 何しろ「銃身」への愛撫に加えて背中に押しつけられた乳房はもうたまらん気持ち良さだし、カリンも感じているのか胸板にフィードバックが来ているというトリプルパンチを受けているのだから。
 そんな横島の耳もとにカリンが悩ましい声でささやく。

「ふふっ、悦んでくれてるんだな。でも湯船の中で出しちゃダメだぞ?」
「へ!?」

 実にもっともな注意だが、横島にとっては責め苦である。
 それなら湯船から出ようと提案するが、カリンはあっさり却下した。

「そんなに慌てなくてもいいだろう、せっかく私もその気になってきたんだから。
 それにおまえはいつも私を遠慮なくいじめてるじゃないか」

 特別は特別でも、いつもされている事の仕返しということのようだ。横島は震え上がった。
 もしこのままこらえ性なく湯の中で発射してしまったら、カリンだけでなくタマモも怒るだろう。しかしこの状況でどうやってカリンを納得させて湯船から出る、もしくは攻撃を中断してもらうか?

 3択―――ひとつだけ選びなさい。

 答え1 ハンサムの横島君は突如脱出のアイデアが閃く。
 答え2 タマモが来て助けてくれる。
 答え3 耐えられずに出してしまう。現実は非情である。

 横島がマルをつけたいのは答え2……というか、タマモだってこれから入る湯船の中で射精されるのは嫌だろうから、ここに来ればやめさせてくれるに違いない。
 そう思った横島は素数をかぞえながらタマモが来るのを待ったが、やがてちゃんとタオルを巻いて浴室に入ってきた狐っ娘は彼にとっては非情なことを平然と言い放った。

「そうね。私もいじめられてるし、たまにはお返しするのもいいかしら」

 どうやら更衣室で横島とカリンの会話を聞いていたらしい。
 横島は絶望の悲鳴を発した……。


「んっ……あむ……はぁ……ふ」

 お互い素裸の横島とタマモが舌をからめる音が湿った浴室に響く。
 タマモの舌はまるで一個の生物のような自在さで横島の口内を貪欲にねぶり回していた。そしてその中にわき出る唾液を、一滴もこぼすまいとじゅるっと音をたてて吸い込む。まるでそれがエリクサー(万能薬)ででもあるかのように。

「んふぅっ……はぁ。横島の口の中、すっごく美味しい……」

 横島はその淫靡すぎる表情と舌技のたくみさに、反撃の糸口を見出すどころかまともに声も出せない。いやそのつもりはあるのだが、立派な乳房4つに前後からサンドイッチされた上に両手はしっかり押さえられ、おまけに竿と袋を弄ばれている状況では文字通り手も足も出せないのだった。

「横島、愛してるぞ……」

 カリンもだいぶ気分が昂ぶっているのか、うっとりした声で横島の耳もとに熱い吐息をふきかける。するとタマモも負けじと少しだけ顔を離して、

「私も愛してるわよ、横島……」

 そしてすかさず再び唇をかさねて、文句が出るのを封じ込める。情熱的に舌をからめて、思うさま恋人の口内を蹂躙した。

(うう、何で俺がこんな目に……?)

 横島にはそれがさっぱり分からない。2人の湯に濡れた熱いカラダはとっても気持ちいいし、彼女たちが自分を心底愛してくれているのも痛いほどに伝わってくるのだが、だからと言ってやられっ放しでは面白くない。
 ……のだが、この状態ではどうしようもないのだ。反撃どころか、もう気持ち良すぎて頭の中真っ白になりそうだし。

(でも出ちまう前に、せめて一矢報いねーと……)

 と思った瞬間、横島はビッグマグナムをきゅうっと握られて思わず腰が砕けそうになってしまった。

「ふふっ、そろそろガマンできなくなる頃だと思ってな。出しちゃダメって言っただろう?」
(なああっ!?)

 横島は再び絶望の悲鳴を―――発することはできなかったので、代わりに腰をよじった。何とこのいじわるな影法師は、イかさず殺さずで自分を徹底的にいたぶるつもりなのだ!
 台所でのことがそんなに腹が立ったのだろうか?
 ……と横島は思ったのだが、カリンはそこまで性悪ではない。ここまでのことで十分満足していた。

「すまんすまん、冗談だ。ちょっとだけ待ってくれ」

 カリンがぱっと手を広げると、周りの湯がさあっと引いていく。彼女がつくった霊力場にはねのけられているのだ。
 これで横島がどれだけ射精しても湯は汚さずにすむ。

「よし。じゃあラストスパートいくぞ」

 カリンはにっこり微笑むと、再び横島のビッグマグナムの銃身をやさしく握った。絶妙な力加減できゅいきゅいっと往復させる。

(をうっ!? そ、そんなご無体な)

 横島はキスされっ放しだから声は出せないが、どうやらかなり強い刺激を与えられているらしい。撃鉄はもう引かれる寸前のようである。
 タマモもそれを察したのか、てのひらの中で転がしていた横島の「弾倉」を離すと、とどめとばかりに「ハンマー」に人さし指をねじ込んだ。

(ひゃうっ!?)

 それはまったくの不意打ちで、横島は反射的に尻を浮かせてしまった。と同時にトリガーが落ち、白濁した液体弾が乱射される。
 ビッグマグナムの銃身がびくびくっと震え、それを握っていたカリンの手を白く汚した。

「……ふふっ、たくさん出たな。気持ち良かったか?」

 カリンがどこか陶然とした声でそう訊ねてきたが、すっかり虚脱した横島はそれに答えることはできなかった……。


 ―――つづく。

 今回は少しギャグっぽくしてみました。その分あまりえろくないかも知れませぬ。
 そして次回、横島は2人に反撃することができるのか!? いや本編第92話が先になるかも知れませんけど。
 横島が20歳過ぎと書かれてますが、もう人間やめてますので見た目通りの年齢ではありませんです。
 美智恵さんとか令子さんとか魔鈴さんとかお客さんは来るんですが、その辺の話はまたいずれ。
 第91話のレス返しは第92話で致しますのでー。
 ではまた。

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