さて、N県所在のキヌの実家の居間では。横島vs峯の論争がますます白熱してきていた。
横島が右手の指を2本立てて、ずびしと峯に突きつける。
「おまえの取るべき道は2つッ! 俺とカリンと3人で入るか、それとも1人で寂しく入るかだ! どちらでも好きな方を選ぶがいい」
「くっ、何て卑劣な。男として恥ずかしくないんですか?」
横島の気炎に思わずひるんでしまう峯。せめてもの反撃を繰り出すが、何かのスイッチが入ってしまった煩悩バカには全く効いてないようだった。しかし横島、いくらタマモやカリンとの事は秘密だからといって恋人の目の前で他の女と混浴しようとは相変わらずいい度胸をしている。
「恥だと? そんなモン混浴のためならドブにでも捨てるわ! 『恥ということを打ち捨てて世の事は成るべし』って坂本竜馬も言ってるしな」
「歴史上の人物まで冒涜しないで下さい!!」
(それにしても、何でカリンさんはこんな人と仲良くできるんでしょうか)
峯にとってはそれが不思議でたまらない。影法師に独立した人格があること自体普通でないのだが、それが本体とはかけ離れた性格で、なのに仲はいいというのはもはや怪奇現象だ。
しかし今はそんなことどうでもいい。横島の言う通り、温泉をどうするか考えなくては。
……はっきり言ってこんな変態と混浴なんて冗談じゃないのだが、カリンはモラリストだから横島のセクハラは止めてくれるはずだ。今断ってしまったら彼女といっしょにお風呂に入るチャンスは2度と来ないだろうし、多少のことはガマンして3人で入るしかないのだろうか。
「わ、わかりました。それじゃ3人で……」
と顔を真っ赤にしながらもついに混浴を決断する。峯は学校では百合の性癖を完璧に隠し切っているのだが、その分いったん噴出すると突っ走ってしまうようだ。
その爆弾発言には見物していたタマモやキヌたちより当の横島が実は1番驚いたのだが、しかしここは「氷室家」という彼にとっていわばアウェーの地であった。
「なに破廉恥なこと言ってるだよこのスケベども! ウチの温泉で混浴なんてさせるわけねえべ」
という怒号と共に、横島と峯の頭を思い切り小突いた少女が1人。2人がそちらを向くと、早苗が両手を腰に当ててずどーん!と仁王立ちしていた。まあ考えてみれば当然の主張ではある。
「あんたらは風呂は抜きだ。ご飯ができるまで廊下で正座でもしてるといいべ」
「「……ッ!?」」
この瞬間、横島と峯の利害はみごとに一致した。まるで何年もコンビを組んできた戦友であるかのようなチームワークで新たな敵に立ち向かう。
「何でじゃー! あ、さてはうらやましいのか? ならあんたも一緒に……」
「レディにお風呂入るななんて非常識ですっ!」
「非常識はおめらだっ!! 正座がイヤなら逆立ちでもすっか?」
「「きゅーん!」」
しかし早苗の一喝であえなく敗北した。しょせんは付焼き刃、巫女さんの怒りにはかなわなかったようだ。
キヌたちも早苗が恐いのか、それとも単に横島と峯が風呂に来なくなるのが嬉しいからか、とりなしてくれる気はなさそうである。横峯がおとなしく正座したのを確かめると、まずは女性陣からこそこそと部屋の外に出て行った。
ちなみに愛子の本体は木製なので、火には弱いが水は平気である。机を湯船につけるのは憚りがあるが、分身は普通に入浴可能だ。実は温泉どころかお風呂自体が初めてなので、ルンルン気分ではしゃいでいたりする。
「くっ、まさか愛子が風呂に入るとは……こんなレアイベントを見に行けねーなんて、宇宙意志は俺を見放したのか!?」
しかしいくら横島が覗き魔でも、目の前に早苗が立ちはだかっていては身動きとれない。さいわい呟いた声はごく小さなものだったので彼女には届かなかったが、すぐ隣に座っている峯には聞こえたようだ。
「……タマモさんやおキヌさんはいいんですか?」
この男は可愛い女の子なら見境なく覗きたがると思ったのだが、実は好みがうるさかったりするのだろうか、と峯は好奇心というよりは不審感にかられて訊ねてみた。ちなみに峯自身は、自分が好意をもってない女の子のハダカにはあまり興味がないタイプだ。
すると横島は少しだけ思案顔してから、
「ん? いやタマモは守備範囲外だし、おキヌちゃん覗いたら完全に悪役だからな……」
「私やカリンさんだと違うんですかっ!」
今までのセクハラの数々を思い出して激昂する峯。タマモのことはまあ分かるとして、今の横島の言い方だと自分やカリンにセクハラするのは悪いことじゃないみたいではないか。
と峯が怒るのも無理はなかったが、横島はのほほーんとした声で峯には承服しがたいことを平然と答えてのけた。
「ん? そりゃまーカリンは俺のだし、千鶴ちゃんはノーマルじゃねーしな」
「全面的に修正を要求しますっ!!」
カリンが横島のものだとか、人を勝手にちゃん付けで呼んだりとか、アブノーマル扱いとか、どれも絶対に認められない暴言である。こうなったら鉄拳で分からせるしかないと覚悟したとき、なぜか自分の頭の上にその鉄拳が落ちてきた。
「いたっ!?」
峯が突然の痛みに顔を上げると、その視線の先では早苗がぎんっ!と眼をいからせて憤怒の相を浮かべていた。ちなみに横島も同じように小突かれたらしく、手で頭を押さえて半泣きしている。
「2人ともうるさいだ! 黙って座ってねーと腿の上にレンガ置くだぞ!?」
「「俺(私)は悪くないっ!!」」
「お黙るだ!!」
「「はひっ!?」」
横島も峯も見た目よりはずっと強いのだが、こういう状況では実力を発揮し切れないらしい。再び巫女さんの怒声を浴びてびくっと肩を縮める。
「「うう、何で俺(私)がこんな目に……」」
などとユニゾンしているところを見ると、反省とか自業自得とかいう言葉とは無縁のようだけれど。
それから30分ほど後、横島たちは氷室家一同もまじえて9人で夕食の席についていた。
「……ってあれ? 愛子たちの入浴シーンは? 見に行けんのはしゃーねーとして、カメラ視点での描写もナシか!?」
横島がはっと顔をあげて何やらメタな不満をこぼす。すると左隣の愛子が澄ました顔で、
「そうねぇ。せっかくおキヌちゃんと背中の流しっことかして、けっこう楽しかったのに」
「お、おキヌちゃんと流しっこだと!? どこの桃源郷だそこは」
ふんがーっ!と鼻息を荒くしている横島はもう変質者にしか見えないが、愛子にとっては見慣れたもので今さらどうという事もない。ダシのきいた山菜の煮付けに舌鼓を打ちつつ、さらに煩悩少年を煽り立てる。
「横島君と峯さんが来ないってわかってたものね、安心して洗いっこできたわよ。あーんなトコとかこーんなトコとか」
「ぶふぉぉおぉっ!?」
噴水のように噴き出しそうになった鼻血をあわてて手で押さえる横島。だってキヌと愛子が洗いっこで泡で悶えてあれやこれやなんて、あまりにも刺激的すぎるデンジャラスゾーンではないか。
愛子の方に顔を寄せて小声で訊ねる。
「な、何つー背徳的な……って、そんなことわざわざ俺に教えるってことは、もしかして写真を撮っといてくれたとか、そーゆーのか!?」
「ってゆーか、そんなヨタ話真に受ける方がおかしいと思うけど……」
そこへ身も蓋もないツッコミを入れたのは、彼の右隣に座っていたタマモである。お風呂は彼女もいっしょだったので愛子の話にはかなりの誇張が混じっていたことを知っていたのだが、何故わざわざそれを指摘してやったのかは言うまでもないであろう。
ちなみに横島の隣の席はキヌも狙っていたのだが、残念ながら早苗にジャマされて彼女と母親の間に座らされていた。キヌはこここそが自分にとって最高の戦場だと思っていたのだが、どうやら彼女にとってもアウェーの地であったらしい。
「もう、せっかく横島君からかって遊んでたのに」
と愛子がつまらなさそうに唇をとがらせたところを見ると、やはりタマモの指摘は事実だったようだ。
「ちくしょー、どーせそんなこったろーと思ったよ!」
「まあまあ、そんなに怒ることないじゃない♪」
当然のようにぶーたれる横島に対して、加害者(?)の愛子の方はやけに上機嫌だった。電車の中はアレだったが霊能部については聞くだけのことを聞けたし、さっきは友人といっしょに温泉露天風呂を楽しんだ。そして今はちょっと気になる男の子の隣で美味しい夕ご飯をごちそうになっているという、もう初めて尽くしのハッピー展開なのだ。
(まさに青春だわ! そうよ、これこそが私の求めた理想郷だったのよ!!)
(……何でこいつこんなに楽しそうなんだ?)
横島にはその辺の事情はさっぱり分からなかったが、愛子も横島の内心など気にかけている様子はなさそうなハイテンションのまま、
「でもね、私横島君には本当に感謝してるのよ? ニセモノの青春を止めさせてくれたのは美神さんだけど、本物の青春をくれたのは横島君だから」
「……え?」
突然何か意味ありげなことを言われて横島は当惑したが、なぜか愛子はその話題を続けようとはせず、今度はTVに映っている歌番組について熱く語り出した。
(……うーん、こいつはいったい何を考えてるんだ!?)
横島には机少女の思惑がさっぱり分からず、結局そちらの話に対してもうわの空のまま食事の時間を終えるのだった。
しかしもちろん、愛子自身にはそれなりの理由があったわけで。
夕食の後片付けの手伝いが終わったあと、愛子はタマモを屋敷の庭に呼び出していた。
「ごめんね、ちょっと2人だけで話したいことがあったから」
愛子はタマモに背を向けた位置で夜空を見上げていたのだが、やがて振り向くとそんなことを言い出した。
「別にいいわよ。で、話って何?」
タマモの返事は普段よりさらに素っ気ないものだったが、これは横島とキヌから目を離していたくなかったのに連れ出されてしまったからである。今は早苗という心強い「味方」がいるとはいえ、好ましくない事なのは変わりない。
しかし愛子はその辺りは特に気にせず、
「さっき私と横島君が話してた時、一瞬だけどすごい井桁浮かべてたでしょ。
だからタマモちゃん、もしかして横島君に何か特別な気持ちを抱いてるんじゃないかってね」
彼女が話題を変えたのはこういう理由からだったのだが、それを聞くとタマモは「顔に出ちゃってたか」という感じで肩をすくめた。それなら愛子の性格と横島に抱いている気持ちからして、この質問が出てくるのは当然である。何しろタマモは横島と同居しているのだから。
とはいえそう簡単に秘密を明かすわけにはいかない。
「……そーゆーこと聞くときは、まず自分のことを先に話すのが礼儀ってものじゃない?」
「そうね。うーん、ひと言でいうなら『気になる男の子』って感じかなあ。今すぐ告白したいとかそんなんじゃないけど、話によってはお付き合いしてもいいかなっていうか」
(……ヤバ、ほんとに話されちゃった!?)
愛子の回答を聞いたタマモがさーっと青ざめる。タマモとしては愛子は自分のことは言わないだろうと踏んで、「なら私も言わない」で済ますつもりだったのだ。
どうやら愛子はまだハイテンションが続いていたらしい。しかし傾国の美女ともあろう自分が女の心情を見誤るとは、これもきっと横島が愛子や峯と混浴したがってたせいだろう。
もっとも愛子の横島への気持ちについては正しく観察できていたのだが、それを先に言われてしまったからには、もうシラを切ったりウソをついたりすることはできないではないか。
(ゴメン横島。でも就職先はもう決まってるんだから、学校にいられなくなってもいいよね? 横島のせいなんだし)
何げにヒドいことを考えつつ、タマモはついに秘密を白状する覚悟を決めた。ちなみに神職の通信講座を受けるには高卒の資格が必要だから、この自己正当化は間違いである。
「……うん、私も横島に惚れてる。ってゆーか、付き合ってる」
「……へ!?」
予想以上の答えに愛子は硬直した。確かに2人は仲良しだが、まさかもうそこまで行ってしまっていたとは。もしかしてハートブレイク?
「2ヶ月くらい前からかな? まあ私の方から告白したってことになるのかしら」
「…………ふうん……そっか、そうだったんだ……」
愛子は驚くと同時に胸がきゅんっと絞まって痛くなったが、別にタマモや横島に対して不快な感情は抱かなかった。心の中で何かが切れて落ちて行って―――それでも、2人とはこれからも良い友達でいられると思うから。そもそも横島とタマモには何の落ち度もないのだし。
しかしこれでさっきタマモが怒った理由が分かった。ここに来てから横島にぴったり張りついていたのも、自分やキヌを警戒していたからだろう。
「2ヶ月前ってことは、香港に行った時に何かあったの?」
「うん、まあそんなところ。
……あ、このことは他の人には内緒にしといてね。別に法律違反とかじゃないけど、横島はきっとひどい目に遭うと思うから」
タマモはさっきは横島を見捨てるようなことを考えたが、それは本心からではなかったようだ。カリンのことはちゃんと黙っているし。
すると愛子もはあーっとため息をついて、
「そうねぇ……タマモちゃんが編入してきた時もカリンさんが初めて姿見せた時もすごかったものね。まあ自業自得だと思うけど……」
たぶん本当に「ロリータ妖姦犯罪者」扱いされて女子は100mほどドン引き、男子は総がかりで人誅を下そうとするだろう。しかし普段のタマモの態度を見れば横島が保護者の立場を利用してどうこうしたという事ではないと分かるから、それはあまりに可哀そうだ。
「わかったわ、私だって別に横島君に不幸になってほしいわけじゃないから。
でもそれとは別に、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「え、何?」
と何気なく答えたタマモは、いきなり愛子に両肩をつかまれてびくっと身をすくめた。
机少女のらんらんと輝く眼光が突き刺さってくる。タマモは恐怖に近い感情を覚えたが、逃げることはできなかった。
「つまりタマモちゃんは彼氏と同居、いえ同棲してるってことになるわけよね?
やっぱり横島君とはやることやっちゃってたりするわけ?」
「……っ!?」
思った通り、とってもヤバい質問である。神様仏様小隆起様、これにはどー答えればいいんでしょーかっ!?
タマモは脂汗を流しつつも必死で考え、ようやく詭弁をひねり出した。
「あー、えー、えっと。横島から見ると私の外見はロリみたいだから、そーゆーことは」
いくら内緒にしてくれるといっても、さすがに「19歳の姿になって色々やってます」なんて言うのは恥ずかし過ぎる。しかしせっかくの詭弁も、目をそらして脂汗だらだらでは説得力など皆無だった。
「ホントに!? あの横島君がこんな可愛い娘と同棲してて何もしないなんて、どー考えても有り得ないわよ。
さータマモちゃん、お姉さんに本当のことを言ってみなさい」
「あ、あう……えっと、タマモちゃん嘘つかない……」
むしろ妖狐は人を騙してナンボの商売なのだが、タマモはかなりテンパっているようだ。それとも愛子のフラグをへし折ってしまったことに罪悪感があるのだろうか。
しかし愛子はここでふっと気を抜いて、
「……っと。こんなことしつこく問い質すなんてデリカシーなかったわね。ごめんね、つい興奮しちゃって。やっぱり横島君のことだからかな」
とタマモの肩から手を放した。危ういところで恥をさらすのを免れたタマモはその温情に感謝して、
「さすが青春妖怪話がわかる、今度朧寿司か魔法料理屋おごってあげるわね」
と礼の言葉を述べようとしたのだが、愛子とて初恋フラグをクラッシュしてくれた相手にその場でそこまでやさしくなれるわけではない。
「ってゆーか、タマモちゃんの今の顔見てたら丸分かりだしね。大丈夫よ、絶対誰にも言わないから」
「あううっ!?」
意地悪な笑みを浮かべてくるっと身をひるがえした愛子に悲鳴をあげるタマモだったが、考えてみれば彼女の言う通りだ。これだけあからさまに動揺しまくっていたら、よほどの鈍感でない限り察しがつくだろう。
しかしこれは自分の演技力が足りないせいだろうか? 元はといえば横島が無節操によその女に鼻の下を伸ばしているからではないか。
(横島あとで燃やすーーーーっ!!!)
タマモはそんな決意を握り拳に固くこめつつ、天に輝くヨコシマ星をぐっと睨みつけるのだった。
同時刻、東京都某区の小山竜姫氏の自宅マンションの一室にて。
「ところでヒャクメ。朧さんたちの話を聞く限りでは、メドーサにはかなり高度な技術を持った協力者がいると思うんですが、何か心当たりはありませんか?」
戦いにおいて敵を知ることの重要性を今の小竜姫はよく知っていた。ゆえにそんな質問を発したのだが、彼女の友人の調査官もそこまでの知識はないようで、
「え? うーん、メドーサの交友関係なんて私も知らないのね。調査官っていうのは犯罪の捜査をしてるわけじゃないから」
メドーサは以前から竜族の黒便覧に名前が載っているのだが、それはヒャクメにとっては職務範囲外のことなので、彼女については神界で一般的に知られている以上のことは知らないのだった。
もっとも小竜姫はそれほどたいした期待はかけていなかったらしく、特に表情を変えずに話を続けた。
「そうですか。ならやはり、こちらもできる限りの戦力を用意した方がいいですね」
「……美神さんたちにでも依頼するの?」
小竜姫の台詞にヒャクメは首をかしげた。この友人は今回の件に部外者が関わるのを嫌っているように見えたのだが……?
もっとも小竜姫にとってはどうせ横島と2人きりになれないのならあと何人増えようと同じなわけで、小さな苦笑を浮かべながらヒャクメの質問に答えた。
「いえ、今回は朧さんたちのこともありますから、美神さんや唐巣さんは避けてタダスケさんだけに依頼しようと思うんですが」
「……タダスケさん?」
ヒャクメはタダスケなる人物とは面識がない。確か平行世界の10年後の横島で、珍しい文珠の使い手だと聞いていたが……。
「役に立つとは思うけど、でもあのひと自分の世界に帰るために文珠ためてる最中なんでしょ? 戦いに駆り出すのは可哀そうだと思うけど」
メドーサがもたらす災害のことを考えればやむを得ない判断なのかも知れないが、朧や神無の事情に配慮するくらいなら彼の都合も考えてやっていいではないか。ヒャクメはそう思ったのだが、むろん小竜姫もタダスケの気持ちを無視しているわけではない。
「ええ、わかってますよ。でもタダスケさんは外部の霊気を吸収・変換して文珠にすることができるそうですから、報酬は文珠15個分の霊気だと言えば喜んで受けてくれると思いますよ」
封印を解いた小竜姫ならそのくらいの霊気は十分出してやれるし、場合によっては月神族の装置で出してもらってもいい。
小竜姫がそう言うと、ヒャクメはこれ見よがしに盛大なため息をついて肩をすくめた。
「はーあ、小竜姫もほんとにずる賢くなったのね。あの頃の素直で箱入りで純真だった小竜姫はどこに行っちゃったのかしら」
「……何か言いましたかヒャクメ?」
「……ううん、別に何も」
最後は微妙に気まずいような空気を残しつつ、2人は打ち合わせを終えて夕食の支度を始めるのだった。
―――つづく。
気がついたらピートの台詞が1つもないっ!?
あと本文中でヒャクメが「調査官っていうのは犯罪の捜査をしてるわけじゃないから」と言ってますが、平安京編での彼女の戦闘力を見る限り、警察的な仕事はつとまらないと思われるのでこうしました。
ではレス返しを。
○KOS-MOSさん
タマモも事務所の一員ですから、当然月神族とは近いうちに対面しますですよ。どんな反応するかはもう分かり切ってますがー。
>小竜姫さま
つまり勝っても負けてもいいという事ですな。いつの間にそんな真っ黒になってしまったんでせうか小竜姫さま!<マテ
○チョーやんさん
お気遣いありがとうございますー。100話まで気を入れてがむばりたいところです。
朧さんはとぼけてはいるけどかなり頭のいい人だと思うので、ああいう役柄になりました。今の小竜姫さまよりはかなり白いですがー(ぉぃ
>月の二人が横島とどう関わってくるのか
朧が原作みたいに「こちらステキな方ね」なんて言い出したら同盟自体に悪影響を及ぼしそうで楽しみです。
特にタマモにとっては、お稲荷さん談義を取るか横島を取るかの究極の決断になりますから(ぉ
○Tシローさん
小竜姫さまも大人げなくて困ったものですw ヒャクメだって仰るとおり善意でやったことですのにねぇ。
>話数も90を超えていよいよ100も目の前ですね。執筆活動頑張ってください
は、今後ともよろしくですー。
○風来人さん
>ヒャクメ
小竜姫さまが卒業したら次は彼女の番かも知れませんな(ぉ
>月神族
戦闘力的にはやはり厳しいものがありますが、それだけが出番ってわけじゃありませんから。
>なんか癒やされました
どう致しましてですー♪
○ばーばろさん
すいません、お風呂シーンは抜いてしまいました。番外編までお待ち下さいm(_ _)m
>煩悩前回(神無ver)
半殺しぐらいじゃすまないかと思われますが、でも横島なら……横島ならきっと(以下略)。
>露出プレイ
横島君は見てるのが美女だけなら拒まないでしょうけどww
○whiteangelさん
最初から最後まできれいに役立つヒャクメなんてヒャクメじゃありませんから(酷)。
いあ仕事もちゃんとしてるんですが、まあヒャクメですから!
○遊鬼さん
は、最近の小竜姫さまは頭脳労働もこなせるようになりました。人は変われば変わるものですな(ぉ
>ヒャクメ
原作でも彼女に敬意を払ってる人はほとんどいませんからねぇヾ(´ー`)ノ
>最初は小竜姫さまとお互いに評価が低いのにビックリですが
特に小竜姫さまはいろいろ隠してますしねぇ。
>ヒャクメ
彼女の救済はなかなか難しくて(ぉ
○アラヤさん
は、このペースで何とか100話まで行きたいものであります。
今のところ小竜姫さまはメドさんに1人でケンカ売る気はありませんですー。向こうも1人じゃないと踏んでますから。
>横島一家
そのぶん今回は出づっぱりでした。カリンは峯さんが恐いので引っ込んでますけど(^^;
○ルーエンハイムさん
そういえば神無も小竜姫さまと似たタイプでしたねぇ。横島君と接触すれば彼女も成長できそうですが、小山事務所の面々が許さなさそうですw
>ヒャクメ
まったくですな(ぉ
○通りすがりのヘタレさん
は、ここのメドさんは仰る通り主犯であります。彼女なら十分つとまる、というかアシュの手下してるより性に合ってると思うのですよー。
>こういう下積みも大事なことですよね
ご理解いただきありがとうございますー。実際書いておかないと困りますから。
でもこういう場面に横島やヒャクメがいると場が和んで助かります(酷)。
>駄目っ娘小竜姫再来
横島&カリンに頼りっ放しでもそう言われるような気がしますw
>義理の姉妹
もしかして本当に双子だったりするかも知れませんねぇ。姉妹だからあえて別の道を歩んだとかで。
○鋼鉄の騎士さん
>ヒャクメクオリティ
は、その認識で間違いないかと(ぉ
>小竜姫さま
いあいあ、彼女は性悪ヘビ女に対抗するためにあえて心を鬼にしてるだけなのですよー。本当はとってもやさしい女神さまですから!
○読石さん
>ヒャクメ
は、確かに月神族やタマモから見ればお手柄といえるのですが、賞罰を決めるのは小竜姫さま個人の都合ですから(ぉ
小竜姫さまもあんな隠し必殺技までヒャクメに教えませんからねぇ。
○トトロさん
>「優秀と役立たず」の担当者が逆
そこはそれ、同じでは面白みに欠けますし、かといって両方優秀ではギャグになりませんし両方ボケでは話が進みませんしねぃ。
お約束というのはそれなりに真っ当で使えるからこそのお約束だと思うのですよー。
○内海一弘さん
>ヒャクメ
普通に考えれば順当な判断だったのですが、やはりダ女神の宿命からは逃れられないようです(酷)。
>小竜姫さま
いあいあ、彼女は(以下上記につき略)。
>メドさん
若返りですかー、でも彼女はアダルトバージョンもファンが多いですからねぇ(笑)。
○山瀬竜さん
>恐らくはハヌマン様も予想だにしない成長っぷりなのではないかと(笑)
そうですねぇ。数ヶ月なんて彼から見れば一瞬でしょうから、あまりの変貌っぷりにアゴが落ちるかも知れませんな。
これに味をしめて、別のおミソな神族を横島君のところに送り込んだりしなければ良いのですが(w
>このままの調子で突っ走っていただきたいものです
それはもう、メドさん倒して横島君をゲットするまでは加速する一方ですとも(ぇ
○Februaryさん
お久しぶりです、引越しお疲れさまでした。
面白いと言っていただけるのが1番うれしいであります。
今後ともよろしくですー。
ではまた。