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太刀 − 旧・小説投稿所A

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太刀
− もの・・・ −
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「幾つか質問をするけど・・・良いかしら?」
「あ・・・はい」
「名前は聞いたから良いとして、貴方は何処から来たのかしら?」
「・・・マ・・・マデュアン国からです」

マデュアン国?
最近、津波によって離れ離れとなった地方の一部の国ね。
マデュアン国の人間なら、この髪の色も頷けるわね。
しかし、蒼い瞳は・・・普通の人間とは、思えないけど。
まぁ、何であれ・・・私の男になるのだから、関係ないか。

「あとは・・・」
「あ、あの・・・聞きたいことがあるのですが・・・」
「え?あぁ、良いわよ?」
「あのリオレイアの腹には、誰か入っているのですか?」

リオレイア?
・・・隠れていなさいと言ったのに・・・。
まぁ、聞かれたからには答えないと、怪しまれるかしらね。
なんて、答えればいいかしら?

「えーと、人間が入っているわ」
「えっ!?そ、それ大丈夫なんですか?」
「消化はしないし、罪人だから・・・まぁ、大丈夫よ」
「・・・名前は?」
「ヘリオス・マツガよ」



















「ヘリオス・マツガよ」

クイートラス・スキーラと名乗る女性が言った人間の名前に、俺は動揺を隠せずに居た。
ヘリオス・マツガ・・・デュアルが言っていた人間と、同じ名前ではないか。
しかし、その人間は既に死んだと言っていたし・・・。
だが、このまま見過ごすわけにはいかない。

「まぁ、いいわ・・・最後に、男である貴方に忠告をするわ」
「は、はい・・・」
「男性の行方不明事件が多発しているの・・・」
「・・・そ、そうですか・・・犯人は?」

少し俺は冷や汗を掻いていた。
何故だろうか?
この女性と・・・あの、以前出会ったことのあるリオレイア・・・レリイアからは、以前の俺やデュアルから感じていた違和感を感じる。

「犯人・・・それなら、貴方の目の前に居るわ・・・フフフ」
「えっ・・・な、何を」

女性の目が紫色に怪しく輝く。
しかし、俺の心身に異常は無い。
なんのためのものなのだろうか?

「・・・と、とにかく・・・俺は、帰ります」
「えっ?」



















「レリイア!・・・あの男を追って」

『ごめんなさい・・・無理よ』

「悪魔・・・なんで、今の男に私の力が」

・・・分からない・・・もしかしたら、彼も貴女と同様に悪魔を見に潜めているのかもね・・・

「このままだと、問題ね・・・まさか、そんなことがあるなんて」



















「・・・アヴァシャスさん、何処に行っていたのですか?」
「す、すまない・・・そ、それよりも・・・はぁはぁ」
「何か遭ったのですか?」
「・・・女に、襲われそうになった」

俺は貴族のクイートラス・スキーラの屋敷であったことを彼女に話した。
勿論、ヘリオス・マツガという人間が、捕まっているということも・・・。
何故、彼女に話したのかは分からないが、話すべきだと直感がそうさせた。

「・・・ヘリオス・マツガという人が捕まっている」

「貴族が・・・犯人・・・」

彼女の違和感に俺は気づいた。
彼女が以前身に着けていなかったものがある。
【鍵】のネックレス・・・。


次で最終回w
<2013/03/21 23:30 ヘリオス>
消しゴム
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