Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!

太刀 − 旧・小説投稿所A

RSS | 感想 | TOP
太刀
− ・・・の、裁き −
|<< < 9 / 10 >>|

「・・・アヴァシャスさん、もしかしたら・・・私はここには、戻ってこないかもしれません」
「えっ!?ど、どうして・・・」
「・・・理由は聞かないでください・・・それと、この家は自由に使ってください。お金もお好きに」
「・・・俺には、グランを止める権利はない・・・分かった、グランが戻ってくるまで、俺がこの家を守ろう」

彼女は何かを決意したようだ。
俺が話した直後だから、スキーラという貴族の屋敷に乗り込むのだろう。
しかし、そんなことをすれば彼女は・・・侵入したことにより、牢獄送りなのだろう。
牢獄といえば、西の・・・マデュアン国の北にある、サラマルダ国か・・・。
砂漠化が最も進んでおり、住める場所も限られているなかでの牢獄生活など、想像するだけでも恐ろしい。

「アヴァシャスさん・・・限られた命、大事にしてくださいね」
「・・・あぁ、グランもな・・・死ぬまで、否・・・幽霊になっても、待っていよう」
「・・・では・・・さようなら」
「・・・」

俺はそれ以上何も彼女には言わなかった。
だけど、彼女が身に着けていたあのネックレス・・・。
俺が今見につけている指輪に似た・・・それ以上の何か、得体の知れない何かを感じた。

・・・当たり前だ・・・あれも、俺と同じ存在なのだからな・・・

「!?誰だ!」

・・・俺は強欲の悪魔と呼ばれる存在・・・

「何処に居る!」

彼女が身に着けていた【鍵】のネックレスのことを考えていると、突然声が響いてきた。
聞こえてくるのではなく、頭の中に直接響いてくるのだ。
しかし、これは以前にも・・・。

・・・俺はすぐ近くに居るだろう・・・

「すぐ近く?・・・まさか、指輪か」

・・・あぁ・・・それこそ、俺が宿る器だ・・・

「・・・そうか。それで、最初の話は」

・・・俺が強欲の悪魔だ・・・そして、あの鍵に宿るのは他の悪魔だ・・・

強欲の悪魔と名乗る声の主は、指輪に宿っていると言う。
俺は親の遺品と思い込んで、大切にこんなものを身に着けていたのか・・・。
これのせいで、デュアルは・・・。

・・・しかし、俺がお前と共に居たからこそ、お前はここに居るのだぞ?・・・

「どうゆうことだ?」

・・・あの貴族の女の下には、色欲の悪魔が居るのだろうな・・・

「色欲?・・・情欲、愛を欲する悪魔?」

・・・簡単に言えばそうだ・・・色欲の悪魔の力は・・・

強欲の悪魔は説明を始めた。


・・・契約した人間の異性を、魅了する・・・
・・・魅了されたものは、色欲の悪魔の力が薄れるか、宿主の人間が死ぬかでなければ、解けることはない・・・
・・・しかし、お前のように魅了されない者も居る・・・
・・・否、正しく言うと、お前だからこそ効かなかった・・・
・・・俺がお前と共に居たから、色欲の術は効かなかった・・・
・・・悪魔の力は、悪魔には効かないのだ・・・
・・・まぁ、例外が一つあるが・・・


「話は理解したが・・・その例外とは何だ?」

・・・さっきの女が持っていた鍵に宿る悪魔の力は、色欲の悪魔だけに限らず、俺や他の悪魔を消す力がある・・・

「消す!?消滅させられるのか?」

・・・否、そうではない・・・人間に宿るのは、分身体のようなもの・・・器そのものが破壊されない限りは、消滅はしない・・・

「つまり・・・宿主である、人間を殺すのか?」

・・・あぁ、そうだ・・・だが、鍵に宿る悪魔はそれを手にしている人間に、怒りの感情がなければ効果は無い・・・

「怒り・・・」

こいつの話を聞いていると、頭がおかしくなりそうだ。
えーと、整理すると・・・

色欲の悪魔が貴族、クイートラス・スキーラと契約しており・・・一連の男性の行方不明は彼女の仕業。
色欲の悪魔の力は、契約した人間の異性を魅了すること。
色欲の術にかかった人間は、色欲の悪魔の力が薄れるか、契約している人間が死なない限りは、解けることは無い。
だが、魅了されない手がある。
色欲とは別の悪魔が共に居ることが、その手。

そして、もう一つの【鍵】に宿る悪魔。
そいつの力は、悪魔と契約した人間を浄化する。
浄化と言っても、殺すだけだが・・・。
そして、その悪魔が宿った器は、グランが持っている。

彼女からは、怒りの感情があると思えた。
つまり、その器に宿る悪魔の力が発揮されるわけだ。
だが、何故彼女はそこまで怒る?
一連の事件が、ここら一帯を治める貴族だからか?
それとも・・・。

「・・・まぁ、俺が行っても・・・意味は無いか」

・・・そうだな・・・さてと、これからどうするんだ?・・・

「気ままに暮らすさ・・・お前は?」

・・・お前が死ぬまで共に居よう・・・話相手にでもなってやる・・・

「俺に、危害は加えないのだな?」

・・・まぁ、そうだな・・・お前は、欲するという意思が無いしな・・・

欲する意思・・・それが、マデュアン国の事件に繋がったのか・・・。



















「あのぉ・・・すいません!」

誰かが尋ねてきた。
声からして、女・・・少女だ。
何故、そんな人間が来たのだろうか?
税金を納める日にはまだ遠いし・・・。

「はい・・・何かしら?・・・っ!?」
「男性行方不明事件の犯人・・・倒したりってね」
「!?貴女・・・あの男の、知り合い?」

扉を開けると、彼女が突進してきた。
そして、それと同時に鋭い何かが私の腹に刺さる。
そして、その少女は冷酷な目で私を哀れと思いながら見、そう呟いた。
傷口から大量の紅い液体が出る。
・・・紅い・・・紫!?
血が・・・紅から紫に変わっている!?
だけど、こんな傷・・・悪魔の力があるのだから・・・。

・・・ここで終わりか・・・つまらないわね・・・

「ど・・・どういう、こと」


「ヘリオスー!・・・何処に居るのぉお!」


・・・彼女が持っていたのは、【穢れの鍵】・・・私と同じ悪魔が宿った器よ・・・

「どういう・・・こ、と・・・」

・・・貴女はここでお終い・・・私は、器に戻るだけよ・・・

「そ、そんな・・・ここまで、きて・・・」




















「強欲の悪魔・・・起きているか?」

・・・なんだ?・・・

「色欲の事件・・・気にならないか?」

・・・まぁ、気になるな・・・

「なら、話に付き合え」

・・・いいだろう・・・


貴族・・・クイートラス・スキーラが殺されたことにより、その犯人探しが始まった。
しかし、その犯人が見つかることは無かった。
それと同時に、スキーラが男性行方不明事件の犯人ではないかと言う疑惑が生まれた。
なぜなら、彼女が殺されてから・・・男性が行方不明になることはなくなったからである。
だが、物的証拠が何一つ・・・行方不明になった男性が誰一人見つからなかったため、実証することは不可能らしい。
だけど、調査班は彼女がその事件の犯人だとして、幕締めにしたのだ。


・・・まぁ、当然といえば当然だな・・・

「結局、グランも・・・レリイアの腹に入れられていたヘリオスという人間も、見つからずだがな・・・」

・・・それよりも・・・暇だな・・・

「・・・そういえば、捨て子が続出しているらしいんだよな」

・・・色欲の事件以来か?・・・

「あぁ・・・その捨て子を、引き取ろうかと思っているんだ」

・・・お前が子育て・・・似合うかもな・・・


こうして、俺は捨て子を預かっている施設に向かった。

そこで一人・・・変わった赤ん坊を見つけたのだ。
俺はすぐにその赤ん坊を引き取ることにした。



















・・・名前は決めたのか?・・・

「・・・あぁ・・・ダイナ・イラース・・・ダイナだ」

・・・大事に育てるんだな・・・

「あぁ・・・退屈凌ぎにでもしような」



















道は何時しか一つに。


これにて、太刀の表ストーリーはお終いw

チャットでのキャラクターを知っている方は、なんらかしらの予想をたてることができるでしょうねw
<2013/03/22 14:33 ヘリオス>
消しゴム
|<< < 9 / 10 >>|

TOP | 感想 | RSS
まろやか投稿小説すまーと Ver1.00b