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傭兵団の休暇 − 旧・小説投稿所A

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傭兵団の休暇

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前輪のパンクに、テクニカルはバランスを失い、道を塞ぐように横になって停車した。

更に後ろの両側のタイヤに弾丸を見舞った。これで三つのタイヤに穴が空き、動きが止まる。仮に二台のトラックに一個ずつ予備のタイヤを積んでいても、足りなくなる。

これで連中は移動出来なくなるか、なけなしのトラックを一台捨てる羽目になる。

動けなくなったテクニカルに道を阻まれ、トラックもその場に停車した。荷台に乗っていた男達が、なんだなんだと様子をみている。

俺はその一人の頭のそば目掛けて、引き金を引いた。頭を掠めて飛んで行った弾丸に驚き、男は荷台から転げ落ちる。

男達は怒号と共にこちらに個々の持つ武器で撃ち返して来た。だが、機関銃と狙撃用の銃では精度が違いすぎるし、射程距離の差もある。ここにはほとんど相手の弾は飛んでこない。

次に俺は、声を張り指示をだしているリーダーの男に狙いを付けた。

引き金を引くと、放たれた弾丸はその男の肩を軽く引き裂き、男はその場に崩れ落ちた。更にその隣で、銃を乱射する半狂乱を起こしている男の脚に向けて引き金を引く。悲鳴と共に、その男も倒れた。

一人が怖くなったのか、俺に背を向け、今まで来た道を逆走し始めた。本当ならいい的になってしまうところだが、逃げる奴を追う必要はない。

尚もこっちに撃ち続ける奴の腕や肩、脚。出来るだけ致命傷になりにくいであろう所に弾丸を撃っていく。と言っても、処置の仕方や場合によっては、掠り傷でも致命的なものになりかねないけど…ね。

弾倉の弾を半数撃った所で、撃ち返してくる奴は居なくなった。確認のために、カモフラージュシートから這い出し、M21を背負って森を歩き始めた。

俺は腰からM92F拳銃を抜き、ゆっくりと前に進む。M21は全長が長い上に重いから、狭い森の中では取り回しがきかないため、扱いにくい。

車列の後ろを警戒しながら近づいていくと、その周りには先ほど俺が狙撃した民兵が、撃たれた所をおさえて呻いている。

脚を撃たれていた一人が俺の姿を確認すると、アサルトライフルを拾い上げこっちに向けてきた。だが撃たれる前に、俺はM92Fを二発弾丸を放った。

二発共にその民兵の肩に当たり、悲鳴と共にライフルを落としてその場に倒れた。そのライフルを蹴り上げて、民兵から遠ざけた。

「大人しくしろ!次は容赦しないぞ」

拳銃を向け、強くそう言うと、微かに震え、民兵は小さく頷いた。


<2012/01/22 22:38 黒猫>消しゴム
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