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「これが避難キャンプの全体図だ。車両が通れる道はこことここと、ここだ。今日の警備は主にここを分担して見てもらう」

俺は薄暗くなり始めた空の下、物々しい装備を抱える傭兵十数人の中で、目の前のテーブルに広げられた手作りの地図に目をやった。

今ここでは、この避難キャンプ防衛の為にかき集められた傭兵達によって、今日の警備の打ち合わせが行われている。

集まっている傭兵は様々だ。良く名前を聞く古参の傭兵から、まだ若い新米(ルーキー)まで。俺は年は若いけど、この中では中堅の層だ。

今地図を指差しながら話している男はレイ。この中で一番のベテランで、今回の全体指揮を任された。何度か組んだ事があるけど、腕は確かだ。

…ん、レシラムはどうしたって？…さっきクロスに借りたテントで留守番してるよ。

だって連れ出したらいろいろ大変でしょ…？伝説のポケモンがここにいるなんて知られたら、周りから絶対に的になる。それだけは避けたい。

かなりレシラムからは心配されたけどね…。それよりも今は依頼(しごと)に集中、集中っと。

「チームの分担は予めオレの方でＡ(アルファ)、Ｂ(ブラボー)、Ｃ(チャーリー)に分けて決めておいた。各自、見といてくれ。…オレからは以上だ。解散」

レイの言葉に、テーブルを囲んでいた傭兵の面々がチームを確認したり、武器の確認などで散っていった。

えっと、俺のチームは…Ｃチームね。警備場所は、南側の細い道か。まぁ楽な方が当たったかな。

警戒されているのは、ＡチームとＢチームが担当する北側と東側にある道だ。ここは比較的よく整備されていて、物資を輸送するトラック等もここを通ってくる。

つまり、敵が車両を用いてきた場合はこっちから来る可能性が高い訳だ。

…まぁ、前回ロケット弾が撃ち込まれたのはＣチーム担当のとこなんだけどな。

結局の所どの方角から敵が仕掛けてくるかはいまいちわからない。

車両を盾に大通りから入ってくるか、あるいはキャンプの側面から奇襲してくるか…。

だからこそ、警戒拠点を中心に広く警戒するしかない、か。

…そのためにはあまりにも人不足なのは否めないけど、まあ仕方ないよな…。

俺はひとまず、弾薬ポーチに弾倉が入っているのを確認して、M21を肩にかけて拠点に向かって歩き始めた。

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