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太刀 − 旧・小説投稿所A

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太刀
− ばらのように −
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「どうですか、体調のほうは?」
「・・・大丈夫だ、ありがとうな」
「いえいえ・・・実を言うと、私は独りが寂しかったもので・・・こちらこそ、ありがとうございます」

彼女は俺を本気で心配しているようだった。
はっきり言うと、そんなことには俺は慣れていない。
しかし、彼女の寂しそうな顔を見ると、そんなこと気にして入られない・・・。
俺が今することは、彼女に恩返しすることだ。

「そういえば、まだ名前を聞いてないな」
「私の名前ですか?」
「あぁ・・・俺の名前は、ワールハデュ・アヴァシャス」
「・・・私の名前は、グラン・グレイです」

グラン・グレイ?
デュアルの話にそんな名前の少女が居たような?
しかし、彼女の歳は14歳ほどだろう。
だが、デュアルがその少女と出会ったのは、14年以上も前だと言っていたな。

「なぁ、一つ聞いて言いか?」
「はい?何でしょうか?」
「・・・デュアルという、名前のラギアクルスは知りあいか?」
「!?・・・いいえ、私は知りません」

彼女のあの反応。
どう考えても、心当たりがあるのだろう。
だが、彼女はそれを隠そうとする。
何か、知られては不味いことなのだろうか?
それなら、彼女の為にも聞かないほうが良いな。

「なぁ・・・俺にできることはあるか?」
「・・・え、あっはい・・・なら、料理できますか?」
「・・・多分・・・」
「それなら、お願いします・・・私は、洗濯などをしますので」

そういって彼女は部屋を出る。
俺は勘を頼りに厨房・・・キッチンへ向かう。



















「なかなか良かった人だけど・・・早く壊れちゃったわね」

『フフフ・・・私の餌が増えたわね』

「・・・ヘリオスも欲しいわ・・・」

・・・ヘリオスはそこのリオレイアなら魅了できるよ・・・

「?私では、無理なのかしら?貴女の力でも」

・・・ヘリオスは人間というよりも、リオレイアなどのモンスター寄りだから・・・

「ふぅん・・・なら、リオレイア・・・ヘリオスを」

『貴女が嬉しいのなら、喜んで』

私は既に何百もの人間を愛し、愛を貰った。
だけど、男というのはすぐに壊れて、息絶える。
まぁ、処理には困らないからいいんだけど・・・。

ヘリオスは私のものにはならないけど、近くに置いておくことはできる。
フフフ・・・これほどに嬉しいことはないわね。
リオレイアなら、ヘリオスとも親しいし・・・簡単ね。

それよりも、私は新しい男を・・・あら?





「すいません、クイートラス・スキーラ様は居ますでしょうか?」

女か・・・まぁ、いいけど。

「・・・はい、何でしょうか?」
「ほかの貴族の方々にも力を貸していただいているのですが、男性失踪事件が未だに解決に至らないため、貴女様にも力添えしていただきたく」
「・・・いいけど、私が最後ってことは・・・女である人間の力は、借りたくないからかしら?」

はっきりそう取れる。
もしかしたら、疑われているということもあるのかもしれない。
だけど、私の欲情は満たせていないのよ。
絶対に捕まるわけにはいかないわ。
ヘリオスの愛も、手に入れていないのに・・・。
いざとなれば、レリイアの玩具となったヘリオスの力で、追い払えばいいのだから・・・フフフ。

「まぁ、いいわ・・・情報提供できるってわけでもないけど、調べさせていただきます」
「あ・・・ありがとう、ございます!」

犯人は私なんだから、絶対に私に力を貸してもらっても意味ないわ。
それに、行方不明になった人間はもうこの世には居ないのだから。


ぅうん、残り5話・・・もっと、膨らませなくてはw
<2013/03/16 14:01 ヘリオス>
消しゴム
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