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僕らはシンジツを知る − 旧・小説投稿所A
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僕らはシンジツを知る
− 僕らはデアウ −
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俺は今断末魔の叫びを全身に浴びながら、カラオケの外への階段を三段飛ばしにかけ上がっていた。
さっきの出来事が衝撃過ぎて俺には到底理解し得なかった。





テレビの中からぬるりぬるりと出てきたソレ。
目も唇も無いぶよぶよした白い怪物。
テレビから這いずり出、ドスンと大きなカラオケテーブルに落ちる。
四本の手足には鋭い爪も無く、指には蹼が付いている。
まるでその容姿はドロドロに溶かされた蛙のようだった。
一言で表すとエグい。
こんな状況だと言うのにダチと俺はピクリとも動かず、放心状態。
テーブルを血に濡らした手足で歩き、俺の目の前で首を伸ばす。
逃げる思考すらできない緊張感に俺は捕らわれていた。
「みみみつけけたたたたたたガガガガ、、、ししししんばぱばぱいいんしたあああああぁあ????」
たるんだ皮をぶるぶると揺らしながら、首振り人形のように首を激しく揺らす。
俺は動けるようになったのか傾いたのか、一歩下がった気がした。
寒い、細胞が凍りつくようで。
怪物の唸り声が響く狭室だと言うのにしん、と俺の世界は静まりかえっていた。
それを破ったのは俺の世界に色を塗った。

「逃げろ、ジムロ!!」

隣に座っていた俺の親友、飛由(ひゆう)がその背中を俺に見せつけて叫んだ。
崩した学ランを靡かせながら俺の肩を背を向けたまま押す。
真っ白の世界が割れた現実にはおぞましい光景があった。
白いぶよぶよした怪物がもう一人のダチを喰らっていた。
無数に生えた牙がダチを頭から喰らい、ダチの体を串刺しに噛みつき貫く。
百舌鳥の速贄をみているようだった。
学ランを赤く染め上げ、黒く滴る。
ピクピクと僅かに痙攣しているそれは痛々しいとは表せられない。
やがてピクリとも動かなくなった彼は紅いものへと変わっていた。
穴だらけのそれを味わうこと無い。
怪物は口をだらしなく開けっ放しにしてそれを口内に収める。
一瞬で全てを砕かれたそれは引っ掛かること無く、俺達の目の前で怪物の喉奥へと滑り落ちていった。
ゴグ…と奇怪な音が響くと怪物の喉が膨らみ、やがて体に膨らみは吸い込まれていった。
ここまで、五秒もかかっていない。
俺は数時間の時のように受け止め、見るに耐えない最期を見てしまった。

「飛由…お前なんだよ、お前に何が出来るってんだよ」
こんな人食いの怪物だぜ、バカじゃねえの?
俺がまともな思考をとれたのは実際ここからだった。
「一人でも生きていれば、カラオケの人達を避難させられるだろ?」
「は…?バカ言ってんじゃねえ、逃げるんだよ!」
飛由の背中を掴んで叫んだ。
知ってるさ、俺が出れば皆が助かるかもしれないなんてよ。
だがそれは他人だったらためらい無くするさ!
「じゃあどうする!?お前は俺と一緒に死ぬのか!?違うだろ、お前はたまたまドアの前でドリンクを頼んだ、ションベンだって一番早く行ける、一番先に出れる!今この緊急にお前の出来ることは何だ!避難訓練させられたろ!」
俺はあっけとられてしまった。
こんな状況なのによ。
そう、飛由はいつも責任感は人一倍強かった。
普段はチャラチャラしてるくせしてやるときはやるやつで。
そんなオンオフスイッチを持つ飛由が羨ましく感じていた。
だから俺はコイツと遊びたいって。
思考が途切れる。
首だけ俺の方を向いていた飛由の顔が恐ろしく歪んだ。
びくついた俺はゆっくりと視線を落とすと、一本の牙が飛由の体を貫いてそれを中心に赤く染めていた。
「ご……あ………」
飛由はか細い声をあげ、血ヘドを床に撒き散らした。
俺は助けようとした。
しかし。
小刻みに震える右腕が掌を俺の顔に見せびらかした。
そして俺をドアごと突き飛ばして俺を世界に解放する。
しまりつつあるドアの隙間から意識を朦朧とさせた飛由が呟くように言ったのは。

「これ……トマトジュースだから、俺の…心配すんなよ」

ああ。

「すぐにコイツを……ボコって………」

ああ。

「追い付く」



赤に塗られた扉は重く閉じられた。







そして今。
白い怪物は俺の目の前だ。
上等、怪我では帰さねえからな。
ダチが来るんだ。

「死ぬわけにゃあいかねえんだ」

アイツは嘘つかねえから。





なんだこれwwww


でもキャラはかっこよくしたくなっちゃうんだ、許せwwwww
<2012/10/04 20:05 ねじゅみ>
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