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僕らはシンジツを知る − 旧・小説投稿所A

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僕らはシンジツを知る

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俺はジムロ。
ドイツ人と日本人のハーフだが、ドイツ語なんて使わない使わない。
オヤジがドイツ語しか喋れなくてドイツ語を覚えるのは自然だったけど、学校行ったって日本語しか喋れないやつばかり。
当たり前だけどな、生まれた時から日本にいるし俺。
母さんは日本人だから日本語しゃべるけど、ドイツ語だってしゃべれる。
オヤジはドイツ語しか喋れないんだ、かっこわりいだろ?
しかもオヤジはよく家に帰ってこない時が多くってよ。
仕事の内容さえ俺に教えたことはない。
母さんに聞くと、母さん悲しそうな顔するし。
胸がチクチクしてむず痒くなる。
俺は高校ニ年になった。
高校生活に慣れてきた俺は最近は友達と遊び放題。
暇さえあればカラオケ行くし。
たまに黙って母さんからお金を取るようなダメなやつだ。
俺は今日の部活の帰りも、ダチと一緒に東京の阿佐ヶ谷をへらへらとぶらついていた。
阿佐ヶ谷の駅近くには安いカラオケ屋があって、そこが俺たちのお気に入りだった。
カラオケ屋の地下への階段を下り、カウンターへドタドタと3人で並ぶ。
「いらっしゃいませ、何時間にいたしますか?」
ボインなねーちゃんがカウンターで営業スマイルをする。
わざとらしい笑顔は置いといて、俺たちはボイン目当てに合わせて来ていた。
青春青春。
「じゃ、三時間でワンドリンクお願いしやす」
「機種は何にいたしますか?」
俺はメニューを見るふりをしてボインを見ながら考える。
最近初●ミクとかハマってきたからJ●YSO●NDにしようかな。
「J●YSO●NDでお願いしやす」
「かしこまりました、ただいま空いているお部屋は26号室になります、お楽しみください」
ねーちゃんが終了時間までのタイム表を渡す。
俺らはウッヒョーイと恥ずかしい声を上げて、部屋へと駆け込んでいった。
薄暗く、しかし三人にはちょうどいい部屋に入るとドカドカと座った。
俺がジンジャーエール、トマトジュース、コーラを頼んでいる間にダチが楽しそうに肩を組みながら歌っていた。
俺も歌の妨害などふざけ合って楽しんでいた。
ここまでは、いつもの日常だった。

ジャンジャカジャンジャカカン♪

ロックの着メロが俺のポケットを震わせながら鳴らす。
うるせえなあ、母さんか?とスマフォの着信表示を見ると。
何も書いていない。
なに、高校生にオレオレ詐欺とかバカじゃねーの?
最近携帯犯罪の詐欺が少なくなったって聞いたけどこんなにも馬鹿なのかよ。
良い度胸だと、発信ボタンにタッチし、スマフォを耳に当てる。
「おい誰だよ」
わざと威嚇するようにしょっぱなの一撃。
だが。
身が凍りついたのは俺だった。


『おいおいおいおいおいおまままおまままおおまえ、え、え、えあ、あ、ああああ、あさが、、、やだな、、、、そそそそうだな。。。ぎはぎひははは、がはははは、、、おまエの、せせせい、で、、、ギャギャギャギャギャギャギャアアアひひひひひひひひいひひひひひいひひひひh』


途切れる。
向こうが電話を切ったようだ。
「なんだよ、今の・・・」
冷や汗が俺の制服をぐっしょりと濡らしていた。
震えが止まらない。
いたずらにも、程があるだろ。
な、なんなんだよ、一体。
と、隣のダチを見ると。
ダチが氷のように動かなかった。
マイクを握って大口を開けたまま一時停止したかのように。
「おい、どうしたん・・・・・・」
ダチの目線の先をみると。
男の人と女の人が歩いているリア充映像だったのに。
血だらけで、公園が赤く染まって。
その中に、異形はいた。
白いぶよぶよした怪物。
目はなくて、唇もない。
そいつは口周りの血を拭うと、『俺』を見た。
そして。


「ジイイイイイイむううううううロおおおおおおおお????????????????」


無数に生えた白い牙が血を求めながら、電子を超えた。



ここから、俺の、いや俺たちのソレが始まったんだ。





人間の作り出したものは必ず主に牙をむくと信じている。
牙を向いて俺を食え←
<2012/09/29 19:57 ねじゅみ>
消しゴム
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