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VD − 旧・小説投稿所A

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VD
− 10 - 尾口 −
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※警告
この話では尻尾から獲物を食う【Tail Vore】の描写があります。
そういった表現が苦手な方は、戻って下さい。
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「ねぇ、想ちゃん。」

「ん・・・何?」

今日は日曜日、学校も無く、1日中家でのんびり出来る・・・そんな日。
朝食を食べ終わり、寝室に戻った僕に、最初に話を振ってきたのはフェリアの方だった。

「貴方・・・"vore"って単語知ってる?」

「ちょ、それ何処で覚えたんです!?・・・知ってるも何も、"捕食描写"みたいな意味ですよね?」

2、3年程前の僕なら絶対に知らなかったが・・・今の僕は、例のサイトに参加している身だ。
知らないはずがない。

「ええ、そうよ♪・・・じゃあ、"Tail Vore"は?」

・・・何なんだ。僕を馬鹿にしているのか?
・・・いや、それ以前に何でこんな単語を、彼女が・・・

「・・・ええ、知ってますけど・・・」

何かある。そう思った僕は、取り合えず普通に答えた。
妙なリアクションをしたら、何かマズイ事になる気がする・・・

「・・・」

「・・・実はね。」

黙っていると、そう言いながら彼女は僕の耳元に顔を近づけてきた。
竜人姿とは言え、何をしてくるか分からない。そう思い、少し後ずさりした僕の肩を
ピンクの両手ががっしり掴み、逃げられないようにして・・・一言。

「あれ・・・"Tail Vore"、私出来るのよ♪」

僕の顔を舐めてしまえる程近づいた口から出た一言。
それに返せたのは・・・

「・・・は?」

・・・驚きとも、侮辱とも取れる一言だった。
「は、はい!?」と言うつもりが、驚きと混乱によってこんな言葉に・・・

「・・・どうしたの?ビックリしちゃった?」

「い、いえ・・・それって、本当の事ですか?」

「あら、私が嘘をついたと思ってるの?」

「いえいえいえ!そうでは無くてですね・・・ちょっと、信じられないと言いますか・・・」

僕は、驚きと混乱のせいで、まともな言葉を出せずにいた。
"尻尾から食う"。理科ヲタクでもある僕からすれば、ネタとしては楽しめても現実的には考えにくい。
それが・・・出来ると言うのだ。

「・・・そう言うと思ったわ・・・だからっ♪」

「!?・・・」

彼女はそう言い、いきなり僕を布団の上へと押し倒してきた。
その光景は・・・アメリカ映画でよくある、男女が裸で抱き合っているシーン・・・としか例えようが無い。

「だから・・・まずは貴方を尻尾から食べてあげるわ♪」

「え、ちょ!?・・・って言うか、『まずは』って・・・?」

「ええ。今日は休みなんだし、時間、あるわよね?だから・・・貴方を味わい尽くしてあげる♪」

そう言い、彼女は僕の首に舌を這わせてきた。
・・・マズイ。このままでは・・・何をされるかわかったもんじゃない。

「ええ・・・あ、あの、実は用事が・・・」

ここは、適当に誤魔化してみよう・・・
そう思い、よくあるような言い訳を言ってみる。

「あら、そうなの?・・・でも急用じゃない。そうでしょ?だってさっきまで慌てていなかったもの。」

誤魔化せたかと思ったら、甘かった。
僕は見事な正論で言いくるめられ、言葉に詰まる。

「うぅ・・・え、い、今突然急用を思いだしt・・・」

「こら、駄目でしょ嘘ついちゃ。逃げようったってそうはいかないんだからね・・・」

・・・その直後だった。僕の足首に何かが触れたのは。

「あぅ!?・・・な、何これ・・・」

辛うじて首を曲げ、足元を見ると・・・何かが開き、粘液でまみれた内側に僕の足を引きずり込んでいる。
そしてそれは、よく見ると・・・彼女の尻尾だった。
尻尾の先がまるで口のように開き、僕を足からだんだん・・・呑み込んでいる。

「フフ・・・ね?私"Tail Vore"出来るって言ったでしょう?」

竜人姿の彼女は、優しい瞳で僕を見ながらそう言う。
だが、その光景・・・自分の足が尻尾に呑まれているのを見た途端、僕は聞く耳を持てなくなった。
更に、尻尾の口の形も、僕の冷静さを奪うのには十分だった。
普通の口のような、上下二つに分かれたものでは無く、5つに裂けた口・・・
例えるなら、映画『トレマーズ』に出てくる"グラボイズ"の口。
漫画『ハカイジュウ』に出てくる"ムカデ型ハカイジュウ"の口。
小説『Monster Island』に出てくる"テラー"の口。
・・・気色悪いにも程がある。

「嫌・・・止めて、食べないで・・・助けて・・・

足首から膝にかけて伝わってくる感触・・・ヌルヌルの粘液でまみれた柔らかい肉壁がうごめき、揉み、
ヌチャヌチャと音を立てている感覚・・・
その恐ろしさに、いつの間にか目からは涙が出て、声は震え、小さく「助けて」としか言えなくなっていた。

「あら・・・とうとう泣いちゃったわね。しょうがない、早く呑み込んであげるわ♪」

その言葉が聞こえた直後、尻尾の口は、まるで蛇のように僕を引き込み、一気に胸までが呑まれてしまった。
尻尾の内側には触手もあるようで、それが腰の当たりを動き回り、体を舐め回している。
・・・何だろう、これだけ気色悪いのに、だんだんそうとも思えなくなってきた・・・

「あぅ・・・」

「フフフ・・・どう?私の顔を見ながら、私に呑まれていく気分は・・・」

彼女は涙の後が残っている僕の頬を右の手のひらで優しく触れ、そう言う。
それにどう答えるべきか・・・正直、分からなくなってきた。
尻尾の中は、布団よりも暖かく、何だか心地いい・・・
粘液のおかげか、暖かさでかいた汗も気にならないし、揉み込んでくる肉壁の絶妙な柔らかさも・・・
・・・その幸せが、快感が、顔に出ているのが自分でも分かる。

「はぁ・・・き、気持ち悪い・・・です・・・」

「あ、また嘘ついたわね?分かってるのよ、本当は気持ちいいんでしょう・・・?」

「そ・・・そんな訳ない!・・・じゃないですか・・・」

口だけは否定を続けるが、気持ちよさを感じているのは事実・・・顔にも、声にもそれが現れ始めた・・・

「・・・まぁ、良いわ。呑み込んじゃえばそんな口も叩けなくなるわよ。」

そう言い、彼女は、いつの間にか首まで呑み込んでいた尻尾の口を大きく開け・・・

「御馳走様でした♪」

バクンッ!

・・・勢いよく口を閉じ、僕を尻尾の中に閉じ込めた。
中は蒸し暑く、周りの肉壁が僕を揉みながら奥へ奥へと送っていく・・・
更に、中にはやはり触手があり、舌のように僕の体や手足に絡み付いて味わっていく・・・
そのくすぐったさに暴れても良かったが、今の僕の心には・・・布団に包まれたような"幸福感"しか無かった。
このまま、身を任せたい・・・そう思いながらも、
「あれ?尻尾に呑まれたら・・・一体何処まで送られるんだ?」
・・・そんな素朴な疑問を抱きながら、だんだん、眠気を感じ・・・










「ハッ!・・・あれ?」

気がつくと、僕は布団の中で寝ていた。その布団の上には、元の姿のフェリアが・・・

『気がついた?想ちゃん。』

「え、ええ・・・一体、何が起こったんです?」

呑み込まれたかと思ったら、布団の中・・・
蘇生されたらいつもこうなるが、さっきは消化された自覚も、窒息で苦しんだ覚えもない。

『私の尻尾ではね・・・約10秒で獲物を消化出来るのよ。だから何が起こったのか分からなかったのね♪』

「え!?・・・10、秒・・・」

僅か10秒で消化・・・胃での3分の消化さえも異常な短さなのに、何なんだ・・・このスピードは・・・

『ええ♪これで用事に間に合うわね。』

「・・・用事?」

『あら、さっき言ってたでしょ?「実は用事がある」って。
 残念ねぇ、貴方をもっと味わってあげようと思ってたのに・・・』

その言葉を聞いた瞬間、耐えがたい思いが自分の中から出てきた。
このまま、食われるのを避ける事も出来たが・・・

「あ・・・えっと、その・・・・・・じゃあ、もっと味わって下さい・・・///」

・・・さっきの尻尾捕食"Tail Vore"のおかげで、今の僕は、
「もっと・・・食べられたい・・・」そんな気持ちになっていた。
理性はその思いを全面否定した。だが、彼女の発する誘惑には勝てず・・・
結局、フェリアの思惑通りの結果になった。

『あら、用事は良いの?』

「そんな用事よりも・・・今は、フェリアさんに喰われたいんです。」

『そう・・・じゃ、私の事を"様"付けで呼んでくれたら良いわよ?』

「は、はい!フェリア様、僕を喰らって下さい・・・///」

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その後、僕は彼女の獲物として食われ、弄ばれ、玩具にされ、1日を過ごした。
端から見れば引いてしまう程、僕は彼女の虜になってしまい、今までにない幸せを感じていた・・・










・・・次の日の午後までは・・・


はい、久しぶりの投稿です。3552文字です。3DSで3日かけて書きました。
その間、3DSの電源が切れたり、ブラウザバックしてしまって
執筆した内容が消えてしまった悪夢を何度見たことか・・・

このサイトでは珍しい・・・と言うか(僕が見てきた小説では)全くない
Tail Vore描写にチャレンジしてみました。
初期の頃から、フェリアがTail Vore出来る設定はあったんですが・・・ついにそれを書けました!

いやーしかし難しいね。
布団に潜って妄想しながら、そこで感じた事を書いてみたんですけど・・・何かおかしい。
久しぶりで文章力落ちたんでしょうか・・・

次回から流れが変わっていきます。次の更新にご期待下さい。
・・・いつ更新出来るか分かりませんが・・・
<2012/12/23 08:22 想西>
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