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夢幻と無限 − 旧・小説投稿所A

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夢幻と無限

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おきて……














………起きて!

「ん……んぅ…な…なんだ?」

ぼうっとした頭を起き上がらせ、声の方向…後ろを向いた。レムリアが腹を膨らませたまま、俺の方をジッと見つめていた。




…ん?腹が膨れている……?でも俺自身は外にいる…ということは…


「あー…レムリア?」

「呼び捨t……ふふ、まあいいわ。なあに?」

「俺以外の人間を誰か………食べた?」

「ええ食べましたとも…2人ね…」

すりすりと艶のある腹を撫でている……優雅かつ魅惑的なその姿にドキンと心臓が揺れた。

「そ、それで…なんで俺は吐き出してくれたんだ?」

「あ…き、気にしないで…ぅん…」

謎の深い理由がありそうだったが、問い詰めると何されてもおかしくないので追及は避ける。当然、知りたいのは山々だが…


「じゃ、じゃあこれから…帰るのか?」

「そうなるとは思うわ…でも…」

2人も人間を呑んだんだから、満足して竜だけの世界とかにでも帰っちゃうものと考えていた。しかし今のレムリアの様子からして…ちょっと違う?

最初の「気にしないで」から声は甘くなり…妙にチラチラとこちらを伺っている気が…

「な…なによ…」

「別に…か、帰るんだろ?」

「じ、実は…あの…ちょっと耳かして…」








ゴニョゴニョ…





「か…帰り道忘れた!!?」

「しっ…!!静かにしてよ…私だって恥ずかしいんだから…」

いやいやそれは分かるけど…普通それはありえないだろ……通学用の定期券よくなくしてる俺が言えたもんじゃないけど。


「じゃ、じゃあ…どうするんだ?」

「そうそこよ…問題は。」

レムリアは電柱に背中合わせにもたれ、手の甲を額に置いた。「考える人」ならぬ、「困る竜」w

って笑い事じゃない。このまま放置しておいたら大大大ニュースになるのは確定だし、運が悪ければ動物園行き……いや、それは無いか。


「も…もしよければ…俺の家に泊まったりなんか…」

「……!!!!」

レムリアの顔が即座に目の前まで近づき、口から漏れる芳香が漂ってきた…

「…しない…よね?」

「泊まらせてくれるの?」

「いや…まぁ無理ではないけど…」

自慢じゃないが実際、俺の家は「比較的」大きい。だが大きいのはレムリアも同じなので、入れるかどうかは…

「分からないから…取りあえず来てから考えよう。」

「ありがとう♪」

いやいや…その笑顔が見れるなら…w
















10分後…

俺たちは家の前にいた。やっぱり見たところ…ギリギリというか……無理。

「やっぱりだめか…なぁ、小さくなったりとか出来ないか?」

「あなた段々タメ口聞くようになってきたわね……あとそういう力…あるには…あるんだけど…」

またしてもレムリアはたじろぎ、口を無意味にパクパクさせた。

「こ、今度はなに?」

「そ、その…何もしない?」

「は?」

「だから変身…というか小さくなっても…何かしない?」

「あいにく俺に竜を強姦する趣味はない。」

「そ…そういう事いってるんじゃないわよ!もう…と、とにかく約束して。」

「はいはい…分かったって。」

言葉での格闘を終えると、レムリアはスタスタと隣家の陰へと隠れた。変身するのに何もそこまでしなくても…

俺はやれやれとため息を吐くと、さっきのレムリアのように電柱にもたれかかった。


〜〜
…チッ…チッ…チッ…チッ…

「遅い!!いったい何分かかるんだよ!!」

余りに長時間待たされたので、流石にしびれを切らして隣家へと向かう。角を曲がり、レムリアのいた場所に目を向けた。


「おいっ!!!いくら何でも遅す…ぎ……」


角を曲がったところ……視界には何も映らなかった。しかし唸るような声は、自分の足下にある「ちっちゃいドラゴンのぬいぐるみ」っぽいものから聞こえてきた。

「し…仕方ないじゃない…迂闊に出られるものでm……ひゃっ!」

心より体が先に動く……気がついたときにはもう、俺は思いっきりそのミニレムリアを抱きしめていた。

「いやっ…も、もう…だから言ったじゃない!この姿嫌いだって…」

「俺は大好きだけど……ここのもふもふ感が何とも…w」

「ひ……ふ、吹き飛ばすわよ!?」

「はいはい。」

何はともあれ、俺たちは家へと入った。


<2011/05/15 15:26 ロンギヌス>消しゴム
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