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傭兵団の休暇 − 旧・小説投稿所A
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傭兵団の休暇
− レシラムの診察 −
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タツヤと知り合いの男が何やら口論を交わしている最中、私は今し方この男が言った言葉に、開いた口が塞がらないでいた。

しばらく口論の続いたタツヤと男だったが、話が纏まり、タツヤが不安げな表情でテントと言うものの中に入っていった。

「さ〜てレシラムちゃん。診察と参りましょうか〜」

両手を摺り合わせて私を見ている男――名はクロスと言ったか?タツヤが居なくなった以上、こいつと二人でいなければならないのかと思うと、何故が気が重くなる。

「クロス…とか言ったな?何故私が雌だとわかった?」

「そりゃ〜いくら声のトーン下げてても、威厳たっぷりに振る舞ってても、君の甘い雰囲気まではごまかせないからね〜」

間違い無い。こいつ、たった一度目を合わせただけなのに、そこまで感づいている。

何者なんだ…こいつは…?

「とりあえず診察始めるよ〜。ちょっと屈んで、君の目を見せてくれるかな〜?」

信用はあまり出来ないが、とりあえず私は言われるまま、身をかがめてクロスに目線を合わせる。

すると、クロスの顔からほとんど笑顔が消え、真剣な面持ちになると、私の目の前に歩み寄って来る。

じっと無言で、何かを探るよう目を向けるこいつに、ただ私は目を向けていた。その眼差しは、此方から探ろうとしても何も感じられない、無機質な色を放っていた。

「ふぅん…なる程ね…」

ひとつ瞬きをして、クロスは呟いた。先程の軽い感じでは無く、真面目そうな声だ。

そして私の額に手を乗せ、柔らかな動きで撫でてくれる。正直悪い気はしない。

こいつ、私が怖く無いだろうか?タツヤ然り、今まで会ってきた人間然り。初対面の人間は私の風貌に何時も驚く。これほど落ち着いている人間は初めてだ。

「君は…随分寂しい思いをしてたんだね…。タツヤ君にそこまで惹かれたのは、彼の優しさが理由かい?」

「…!」

私はとっさに身を起こし、目の前にいる人間を見下ろした。

何故わかった!タツヤが話したのか!?いや、少なくともそんな話はしていた気配はないはずだ!

「何故そうだと思う?」

「君の様子や目を見ればわかるさ。タツヤ君といる時の幸せそうな顔、その奥に隠した孤独を恐れる心、そしてタツヤ君の身を親身に心配するような、悲しげな眼差し。どう?外れてるかい?」

「………」

思わず首を振った。全て見抜かれている。まるで私の心を手玉にとって見られている様に…。


レシラムは女の子でした(笑)

これは作者の独断と偏見で(ウワナニヲスルヤメギャーアチチチチチ(泣)

<2012/02/01 17:11 黒猫>
消しゴム
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