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傭兵団の休暇 − 旧・小説投稿所A

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傭兵団の休暇

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「だ、だが…何故そんな事までわかるのだ?どうして…?」

私は、性にあわず慌てふためきながらクロスに詰め寄ると、屈んで目線をあわせた。

「僕の第六感って奴さ。パッと見ただけで、いろんな事がなんとなくわかったりしちゃうんだよ」

柔らかな笑顔を浮かべ、クロスは私の頬に手を添える。

「それに言ったでしょ?君の様子を見ればわかるって。よく見れば、結構些細な事からどんな感情を抱いてるのか、わかるんだ」

些細な事か…。普段はあまり感情が表情に出ないようにしているつもりなのだが…。だがそれを見破ったのはこいつが初めてだ。その観察眼には素直に賞賛出来る。

「ちょっと脇道にそれたね。まだ診察の途中だから、このままちょっとじっとしてて」

クロスは私の正面に出ると、目が先程の真剣な眼差しに変わる。私はそれに頷き、それに目を合わせた。

「ふーん、成る程。性格は冷静沈着、それと知性に満ちた透き通った心。主人には素直で従順か。いいなぁ、タツヤ君。こんなに思ってくれるパートナーに出会えて。…でも従順だからこそ、寂しがりで尚且つ主人を酷く心配している。そりゃ、タツヤ君傭兵だから当然だよね。心配だから主人に甘えたいけど、自分は強くいなきゃと思って甘えきれてない。それに主人を傷付ける者は容赦しない…か」

目を合わせただけで、本当に此処まで私を見切ってしまうのか…。逆に恐ろしくなって来る。だが、クロスの表情はとても穏やかで優しげな顔だった。

「大丈夫。心配しないで、今言ったのは君の性格を口頭で纏めたものだから。全部タツヤ君に話したりする訳じゃ無いからね」

そんな事を言うクロスは、初めて顔を合わせた時と同じ満面の笑顔だった。

「最後にレシラムに質問があるんだけど?」

「なんだ?」

「君にとって、タツヤ君てどんな人?」

何故そんな事を?と聞き返そうとしたが、神経な眼差しに戻ったこいつに、返す事が出来なかった。随分と減り張りのある性格だな。さっきと話し方がまるで違う…。

それより…私にとってタツヤは…か?

「私にとってタツヤは主君であり、守らなければならない大切な――」

「待って、聞きたいのはそういう堅っ苦しいことじゃ無いんだ。もっとはっきりと、君自身の話してほしいなぁ」

「…例えばどんな風に?」

「好きか嫌いかとか?」

「むっ…」

そこまではっきり言うのか…。私は内心ため息をついた。


少し推敲不足かな…(汗)

誤字や表現の不適切。感想や苦情などあればばんばんお願いします(笑)
<2012/02/02 08:08 黒猫>
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