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傭兵団の休暇 − 旧・小説投稿所A
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傭兵団の休暇

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タツヤが好きか嫌いかと言われれば、勿論好きという部類にはいる。それはあくまで仲間と言う意識の中での話でであるが…。

「あえて言うならば、好きだ。こんな私を受け入れてくれた、大切な主(あるじ)だからな」

「やっぱりね。でも、そんな堅っ苦しい感じじゃなくて、もっと素直になればいいのに」

笑いながらクロスはそう言うと、私から一歩間を置く。

私は屈んでいるのがきつくなり、元の態勢に戻る。見下ろす形でクロスを見つめると、同じく向こうも私を見上げていた。

「でも、心配なんだよね?タツヤ君の事」

「嗚呼…。タツヤは武人だ。戦場に何時も身を置いている。何時怪我をしてもおかしくは無いし、下手をしたら…」

此処まで話して言葉に詰まった。想像したくもない…また主を失った時の事など…。

だが、戦いに身を置いている以上、この不安は拭う事が出来ない。私をおいて、戦場へ向かう彼をみる度に、もう戻ってこないのでは無いのか、と心配になる。それに待っている間は、その不安と寂しさの余り、押し潰されてしまいそうになる…。

「戦地へ行くのを止めた事はあるの?」

「勿論ある。だが、頑として受け入れてくれなかった…」

「ふぅむ…、まだ引きずってるのか…」

「むっ…?何のことだ?」

最後に呟いた言葉に、私は引っかかりを感じて問いかける。クロスは少し考える素振りを見せると、私を見上げた。

「まあ、それは追って後からって事で。っと。じゃ〜とりあえず僕からの質問と、診察はこれでお終いだよ〜」

クロスはそう言うと、初めと同じ屈託の無い笑顔を見せた。終わった途端に話し方が元に戻ったな…。

「さてと。次はタツヤ君の番だね〜」

私に背を向け、テントに向かっていくクロス。何となくその背中は、タツヤとは違う頼れる風貌が感じられた…気がする。

「ちょっと長くなるかもしれないけど、ここで待っててね〜。レシラムちゃん」

振り返り、満面の笑顔でこちらに言ったクロスは、テントの中へ消えていった。

どうも最後の言葉だけ引っかかる…。今のは勘違いだったかもしれないな…。



<2012/02/02 20:48 黒猫>消しゴム
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