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消えた理性 Forth − 旧・小説投稿所A
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消えた理性 Forth

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「ふざけるな!5日間毎日食べられろだって?
・・そんな事、できるかぁ!!」

ドスッ!

ロイスは木に八つ当たりした。
すると、
ヒュッ..ドサッ!

「なんだ?これ...」

衝撃で木から何かが落ちてきた。

「いってえなー・・・誰だあ!!」
「ひぃ!」

いきなり落ちてきたのは長身のポケモン、
ハブネークだった。

「あ、ご、ごめんな..」
「あ!?...ほうまた人間かぁ..どうやら船でも着いたみたいだな。」

「え、またって..」

見たくはなかったが、恐る恐るハブネークのお腹を見る。

・・・案の定、ぷっくり膨れていた。

「お、おま...さっき人間を..」
「?..ああ、3人喰ったぜ。まだ溶けきってはないが..
..それはそうとさっき俺の家殴ったのはお前か?」

ついに聞かれた。話を逸らそうと思っていたのに・・

「わ、悪かった!家だとは露知らず...」
「黙れ。今に消化が終わったら覚えとけ、必ず喰ってやるから。」

「しょ、消化ってどのくらい...」
「あと1時間だ。フフ、精々逃げるんだな。」

ハブネークはそう言い残すと、木の上へ登って行った。




「やばい、やばい、やばい、殺される。」

ロイスの頭の中にはそれらの文字が羅列を組んで
飛び回っていた。あと1時間で絶対安全を確保するなんてできるわけがない。









時間とは残酷なもので、悩んでる間にもう1時間が経ち、辺りは暗くなっていた。
ロイスは片手に強力な塩酸、もう片手にパッチンゴムを持ち、超巨大な木の上で待ち構えている。

「神様..助けてくれ..どうか」
「よお。」

背後から声がする。木の上に逃げたのがそもそもの間違いだった。
恐る恐る振り返ると...





かなりスリムになったハブネークが、舌舐めずりをしていた。

「へへ、腹ペコなんだ。よーく味わってやるよ。」
「うわああああ!」

太い木の枝を這い必死に逃げるが、這う事に関してはさすがに分が悪い。あっという間に細い枝に追いつめられてしまう。

「動くなよ?動くと痛いぜ。」

ハブネークは大きく口をあけ、迫ってくる。
牙がロイスの頭に当たったその時。


ボキイ!

「え、うわあ!」
「な..」

大人1人と巨大なハブネークの重さに耐えかね、
枝が折れてしまった。ロイスは真っ逆さまに落ちる。

ドシン!

落下した衝撃も考えず、ロイスは必死に走る。
後ろも振り向かずに。

「はあ、はあ、はあ、はあ、くそっ!」






木の生い茂る暗い森から抜け、広い空間に出る。
さっきの湖だった。
カイオーガとジュカインが火を焚き、魚を焼いている。

ロイスは駆け寄り...


<2011/05/15 13:54 ロンギヌス>消しゴム
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