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カードに溺れろ 〜Dead or Money〜 − 旧・小説投稿所A

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カードに溺れろ 〜Dead or Money〜
− 勝利の快楽。また違う快楽。 −
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お勧めBGM:『映画カイジ サントラ』







エンペルト:【市民】
ジラーチ:【市民】


三度目の引き分け。もうお互いに後がない。
エンペルトは吹っ切れたのかワインを手に取り、ゴクゴクと
一気に飲み干した。酒に強くない彼の顔が、酔いを示
す赤色に染まっていく。


「(畜生….皇帝を出せばよかった…)」


このゲームで賭けた金は百万円。さっきのターンで
【皇帝】のカードに手を着けていれば、一千万円が
手に入ったのに・・・それに、この若造にも勝ってた。


「(最後は….市民で殺すか皇帝で殺すか…)」


手中に残された二枚のカードを睨みつけ、出すべきもの
を厳選しようとする。奴が【奴隷】でケリをつけようと
するならば、もっと緊張感が見られるはず・・・
・・しかし、彼のヘラヘラした表情に変化はない。


「迷ってるね〜? ペンギンさん」

「…ああ….時間制限はないんだからいいだろう?」

「ふふっ、もちろん。手抜きで勝負したらああなっちゃうもんねぇ?」


ジラーチが首を横に向けた。その視線の先にあった
のは、負けて係員に連行されようとしているモウカザ
ルだった。暴れ狂う彼の右手は、【奴隷】カードをしっ
かり握り締めている。


「(やはり奴隷側の方が….圧倒的に不利ということか)」


勝率に大きな差があるのが、このEカード。自分が一応、
『皇帝側』であることに、エンペルトは胸を撫でおろした。


「落ちつけ落ちつけ….こんな青二才の考えている事
が、私に読めないはずないじゃないか)」


とはいえ、冷や汗がタラ〜ッと垂れるのが現実。誇り
にしていた「無敗伝説」も、ここで崩れる気がしてなら
ない。エンペルトは木製のカードをカチカチ鳴らしなが
ら、必死に策を巡らせた。


「(くそ…迷っても仕方ない。どっちにしろ勝つ確率は
私の方は高いんだ。ここは運任せで…)」


目を瞑んでランダムにカードを選ぶと、手に取ったのは
【市民】だった。意を決し、場にそれを置こうとしたが・・・



「くっ…くそぉ…」

「あれれ? それ出さないの?」


カードがテーブルに触れる直前で、エンペルトはその動き
を止めた。プルプル震える腕を引っ込ませ、【市民】を
手の中に戻す。


「(そ、そうだ….カードはお互いに二枚ずつ。なら勝つ確率は、4/5もないじゃないか!!)」


それを発見しない方が気楽だっただろう。エンペル
トは目を見開き、奥歯を噛みしめた。勝つ保証どこ
ろか、確率さえ消えてしまった。


「時間制限はないんだけどさぁ〜….早くしてよ」

「こ、このぉおっ!!!」


その言葉が、彼の慎重さを打ち消した。エンペルトは
カードを【皇帝】に持ち替え、がむしゃらに場に叩き
つける。沈黙が走った。




「んじゃ…裏返そっか」
「・・・・・・・!!」


運に全てを頼り、余計な力を掛けてカードをひっくり
返す。バシンと大きな音が部屋に響き渡ったあと、二匹
はカードを見つめた。






エンペルト:『皇帝』
ジラーチ:『市民』













「決着したようだな、ついて来い」


ジラーチは力が抜け切った様子で、巨漢の係員に持ち
上げられた。しかし強制連行されると思いきや、彼
はふよふよと自分でドアまで飛んでいった。敗北者の
証である….【奴隷】のカードを持ったまま…



「はは…今日も面白かったなぁ〜♪ 負けちゃったケド」

「入れ」

「ハイハイ….じゃあねペンギンさん」


ジラーチの最期に見せた顔は、やはり珍獣でも見物するか
のようだった。そしてその一瞬が過ぎ去った後、ドアは
ピシャリと閉じられる。



「え….えっ…?」


係員が一千万円の札束を抱えてやってきたというのに、
エンペルトは上の空だった。自分の勝利が信じられず、
全身が硬直しているのだ。




「か…勝った、勝ったぞぉおおおおおおおおおっ!!!!!」


エンペルトは歓喜の叫び声を轟かせ、札束を抱きしめる。
一生で一番嬉しい日は、今日かもしれない。金が欲しかっ
ただけなのに、なぜか涙まで浮かんでくる。


「やった….私の…俺の勝ちだぁあッ!!!!」

「おいそこのペンギン、暇なんだろ? 俺と勝負しようぜ」

「ハハ…誰がペンギンだこのヤローw 何回でも受けてやるさ!」


悦楽に浸っていたエンペルトに話し掛けたのは、さっき
モウカザルを打ち負かしたゾロアークだった。丁度そのと
き、ダイヤの扉から泣き叫ぶ声が聞こえてくる。そして
微かに・・ゴキュンッという音も。


「へへッ…あのサル野郎喰われちまったらしいな。噂じゃ
あのダイヤの部屋の処刑人、けっこう美女らしいぜ」

「ハハ…じゃあ私がお前をその美女の元へと行かせてやる」


さっき勝ったためか、やる気満々の二匹。手近なテーブル
に腰を落とすと、早速カードを並べ始めた。





====================



「ぁあ…やっぱりいいわぁ…丸呑みって」


ダイヤの部屋内で、既に二匹も呑み込んだミロカロス。
ほんのり肌色のぷにぷに柔らかい胴体に、膨らみはしっかり二つある。


「気持ちいいでしょう? 私の体内。たっぷりもにゅもにゅしてあげるわね…」


彼女の胃袋で行われている、実にハレンチ極まりな
い愛撫。人間の女性で例えるなら、巨乳に顔を埋め
させるのと同等の行為。いや・・それ以上かもしれない。


もごっ…ぐもぅ…むぐむぐっ…

「なぁんだ…意外に素直じゃない。そういう子大好きよ♪」


この優しげなニコニコ顔だけなら、彼女は天使に見えるかも
しれない。だが腹の底で考えているのは、雄を自分の胃で遊
び尽くすという非道だった。しかし遊ばれる方が、みな苦し
みや痛みに呻いている訳ではない。現に数分前まで抵抗の激し
かった膨らみも、今では嬉し楽しそうな悲鳴しか吐いていない。


「さぁ…よかったわね、こんな雌に気持ちよく死なせて貰えるなんて」

「・・・・・ぷひぃ・・・」

「まあ可愛い声」


もこもこ揺れる二つの膨らみ部分は、とぐろを巻いてムチッ
と挟みつぶす。内も外も柔らかい彼女の肌に、哀れな雄達は
ただ喘ぐことしかできなかった。




<2011/08/17 19:08 ロンギヌス>消しゴム
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