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【保】語り継がれる伝説 − 旧・小説投稿所A

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【保】語り継がれる伝説

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ア「む? 誰か俺を見ているのか?」

アルタイルは視線を感じ、街中を見渡した。
だが、目に入ったのは、いつもの賑わう街中だった。
とてもアルタイルを見ているような人は居なかった。

ア「気のせい…か?」

きっと気のせいだ、と自分に言いつつアルタイルは街での情報収集に向かった。

〜〜〜〜〜〜〜
一方、マシャフから数キロ離れた所にある古城では、
ある秘宝を狙った騎士団達が会議をしていた。

???「それで、ガイアメモリの在り処は分かったのか!?」

兵士「いいえ、まだ特定できていません。」

?「いつになれば特定出来る!?」

兵A「ま、まだ情報量が少なくてですね……」

テンプル騎士団総長、ロベール・ド・サブレは苛立っていた。
なにしろ、ガイアメモリの存在を知って早く支配したいのだろう。
だが、そのような幻想は叶うはずもなく、寧ろメモリの在り処さえ分からないとなると、苛立ってくるのも仕方がない。

ザシュッ…!ズパァッ!!

兵A「な、なに…を…ぐぁぁ……」

ロ「出来損ないの兵士を持って悲しいよ、私はね。」

そう言って兵士を刺殺し、顔面を蹴りつけた。
もうロベールには支配という名の欲望しか頭に無いようだ。
それを見て周りの兵士たちは慌てて行動を起こした。

兵B「お、おい!早く捜索しろ!」

兵C「わ、分かってます!今からマシャフに捜索隊を送ります!!」

兵B「急げ!俺達も殺されるぞ!」

兵士一同「は、はい!!」

その場にいた兵士たち、ざっと50人くらいだろうか。
現場を目撃した瞬間にグダグダしていた者も起き出し、切羽詰った状況にあったように動き出した。

バサァ…バサァ…
ロベールの寄宿舎に黒い大きな影が降り立った。
伝書鳩ではないだろう。なぜなら確実に人を超越したサイズであったからだ。

ロ「戻ったか…愛しのペットよ…」

???「ペット…とな。我も甘く見られたものだ♪」

ロ「まぁいい…何かあったのか?」

?「お主と最も仲が良さそうな人物を我は見たぞ…」

ロ「何? …まさか教団の奴らか?」

?「ククク…ご名答。 今すぐにも食い殺してやりたいが♪」

大きな影の正体、それは西洋竜だった。
全身に覆われた剣も貫き通さぬ漆黒の鱗と獲物に執着しているようなその真っ赤な目付きは、明らかに人を
怯えさせる兵器のようにみえた。

ロ「まぁいい。そいつらは我々が何とかしよう。お前はゆっくり空を飛んでればいい。」

?「我に黙って空を飛んでいろと? …笑わせるでないこの人間風情がッ…!」

竜はロベールに小さなブレスを放ったが、簡単に避けられてしまい、柔らかい皮膚に覆われた喉元に剣先を向けられた。

ロ「勘違いするな? お前は我々が創りだした兵器に過ぎないのだよ… 私の命令通り、動いていれば良いだけだ!」

さすがの竜も理解したのか、大人しく抵抗を諦めた。
賢さは人間に劣らないのも、またひとつの特徴であった。

?「フン…我にどうしろと言うのだ?」

ロ「何、簡単な事だ… 次回のマシャフ陥落作戦で、暴れてもらえればそれで充分。」

?「それなりの数のエサにありつけるのであろうな?」

ロ「もちろんだ、キャバリエル。その作戦の時だけ、お前を自由にしてやろう。」

キャ「分かった。それまで我も大人しくすると約束しよう。」

ロベールはそう言って、寝室に戻って行った。
マシャフ陥落作戦が実行される日は、あと、わずか。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
街では色々な人で賑わっていた。
観光客も多数見られる状態で、色んな人が市場や宿に訪れていた。

???「うわぁ…!意外と大きな街ね!」

???「ま、まさかここまで広いとはな〜。 こりゃ依頼主さがすのに骨が折れるぞ…」

他の人から見ると彼氏と彼女のようなカップルだと思うに違いない。二人はマシャフの気温の高さを知っているためか、かなり薄着だった。それ故、女性の方は帽子にワンピース、という形だった。

???「なぁ、リーフ。街を見てみないか?こんなに時間が余ってるわけだし、ちょっと行ってみようよ」

リーフ「仕方ないわね…行ってやってもいいわ。そういえば、ナスカ…あなたの持っているそのケース、なんなの?」

ナスカ「ん?あぁ、これか… これは…内緒♪」

リ「何よそれ…!教えてくれてもいいじゃない!」

ナ「わりいわりい!アハハッ♪」

二人は観光客のように騒いでいた。
彼らもまた、イートスの依頼に応えた人物であった。
また、ナスカの持っている物も…相手にとっては目標だった。



<2011/07/06 22:13 アサシン>消しゴム
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