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このサイトでは、お尻叩きのお仕置きが出てくるお話を置いています。
現実のお仕置きを推奨する意図はありませんが、ご理解のうえお楽しみください。

おりひめさまのお仕事

むかしむかしあるところに。
あるところ、天の大きな川のほとりのお家に織り姫さまは住んでいました。
織り姫さまのお仕事は機を織ること。
毎日ぱたんぱたんと素敵な模様の布を織っていました。

そんなある日のことでした。
お仕事の合間に、ちょっと気晴らしにお散歩に出た織り姫さまは、
広い河原に人影を見かけました。
あら、珍しいこと。気になって近寄ると、相手も織り姫さまに手を振ります。

「こんにちは、お嬢さん」
さわやかな牛飼いの青年に、織り姫さまはひと目で心奪われてしまいました。
「こんにちは、・・・あなたは?」
ふたりはすぐに打ち解けて、楽しくおしゃべり。
ふと気がつけば、もう日が暮れるころでした。

「あら!もう帰らなきゃ。明日も会えるかしら?」
「ここで待っているよ。僕もまた君に会いたい」
名残惜しく別れた二人はそれぞれ家路を急ぎました。

お家に帰った織り姫さまが眼にしたのは、仕事の途中でほったらかされた機。
「あ・・・」
今日織る予定だった分は全然進んでいないのですが、いまさらどうしようもありません。
「まあいいわ、明日がんばれば」
そうして織り姫さまは眠ってしまいました。

次の日、織り姫さまは織り機を前にして考えます。
お仕事、しなきゃ。でも、あの人に会いたい。
「・・・すぐ帰ってくれば、いいわよね」
そう呟いて機には手をつけず、牛飼いに会いに出かけていったのでした。

気がつけば、また夕暮れ。
帰った織り姫さまは、ため息をついて。
だけど牛飼いに会いたくてたまらない織り姫さまは、次の日も同じことを繰り返したのでした。

けれどその日、帰った織り姫さまを待っていたのは手付かずの機だけではありませんでした。
「お帰り、織り姫」
「え、あ、天帝さま!」

天つ国のすべてを統べる神様が、織り姫さまをお待ちになっていたのです。
「よ、ようこそお越しくださいました、でも、どうして?」
慌ててつっかえながらご挨拶した織り姫さまに、天帝さまはまず微笑まれ、
それからすっと織り姫さまの目を覗き込まれました。
「姫はいつもはそんなこと聞かないのにね。
私がどうして来たのかは、そなたが誰よりよく知っているのでは?」

「・・・」
見透されて織り姫さまはうつむきました。
確かに、気まぐれで気さくなこの神様は時々ふらっとあちらこちらをお訪ねで、 織り姫さまのところに遊びに来られたのも一度や二度ではなかったのです。
それでも思わずお尋ねしたのは、どうしてよりによって今この時に、と少し恨みがましく思ったから。
天つ国の守り神さまは気さくなばかりではないことも、織り姫さまは知っていました。

「あの、えっと・・・」
言葉に詰まる織り姫さまに、天帝さまは深いお声でおっしゃいます。
「このところ、仕事が進んでいないようだね」
「・・・・・」
「わかっているんだろう?やるべきことをやってないこと。
少し、痛い思いをしたほうがよいようだね」

天帝さまは織り姫さまの手を取ると、カタンと小さな椅子に腰掛けました。
つかまれた手をひんやりと織り姫さまは感じます。
そうしてそのままお膝の上に倒されて、裳裾をすっかり捲り上げられてしまいました。

「あ、…ど、どうかお止めください、あの…これはあんまり、…恥ずかし過ぎます」
織り姫さまが何とか絞り出した訴えに、お答えは淡々としたものでした。
「自分の仕事もしないで遊んでばかりいるのは、恥ずかしくないのかい」
返す言葉なんてありません。
ぴしゃり!織り姫さまの絹のような肌に大きな紅葉の跡が浮かびました。

ぴしゃり!
「ああん、痛い!」
こんなふうに叱られたことのない織り姫さまは、あっという間に涙ぐみました。
ぴしゃり!ぴしゃり!
「お遊びが過ぎたからね。反省の時間だよ」
ぴしゃり!ぴしゃり!
「ごめんなさい、もう許して」
「いい子だ。でもね、繰り返さないで済むように今日はしっかり泣いておきなさい」
「そんなぁ!」
ぴしゃり!ぴしゃり!ぴしゃり!
織り姫さまのお尻がすっかり紅く染まったころ、天帝さまはようやく手を止めました。

「どうして痛いのかな、織り姫」
澄んだお声に織り姫さまは一生懸命答えを探します。
「…あ、遊んでばっかりいたから…」
天帝さまは頷いて優しく織り姫さまの頭を撫でました。
「いい子だ。遊んでいけないっていうのではないよ。
すべきことを先にしなさい。分かるね?」
織り姫さまはこくりと頷きました。

「では、明日からそうしておくれ。姫の織るたおやかな布を楽しみにしているよ」
「はい…」
天帝さまは泣いた織り姫さまの頬を両手でそっと包んで、
織り姫さまはその手の温かさをじんわりと感じました。
「ならば、また」
ゆっくり時を置いて天帝さまがその声を残して帰られたときには、
織り姫さまは確かにそうしようと思ったのでした。


2010.7.06 up
たなばたさま。
とりあえず完結ですが、しかし、七夕のお話をご存知ですよね。
最後の行には含みがあります(笑)。→ 続き
愛情はなかなか度し難いものでございます。

次のお話が間に合って書けるかどうかは、さて?
なんにせよみなさまが七夕を楽しまれますように。
そして晴れた夜空で二人が会えますように。

素材:LITTLE HOUSE さま
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