コンモドゥス帝
〜筋肉とエロに生きた、その熱き漢(おとこ)の生涯〜 ギボン『ローマ帝国衰亡史』第4章より |
その9 さすがに・・・やりすぎ? コンモドゥス帝、剣闘士になる。 猛獣を相手に戦っていた、コンモドゥス帝ですが、今度は人間を相手に戦うようになります。 ローマでは、剣闘士という、武器をもって、見せ物として戦う職業の人たちがいましたが、これらは賎しい職業とされていました。武器をもった、殺し合いをする格闘家みたいなものだと考えて下さい。死ぬ確率も高く、実際、剣闘士で、天寿をまっとうできた人は少なかったみたいです。ただ、カッコよかったみたいですね。なにしろ、剣闘士と駆け落ちしちゃった、貴族の娘がいたらしいですから。 ですが、最高権力者である皇帝が、剣闘士になるのは、さすがにマズかったみたいです。 だが、そうした下層の俗衆ですら、さすがにこれはと怒りの恥辱を感じたのは、かりにも彼等の皇帝たるものが、こともあるに一剣闘士に扮して登場し、国法も習俗も当然ながら賎業の烙印を押している職業人の真似を、さも得意げに演じてみせたときだった。 コンモドゥス帝は、ローマの良心的市民の怒りと侮蔑を買ってしまったようです。ですが、そんなことはおかまいなしのコンモドゥス帝。 ここでもコンモドゥス帝は、大活躍を見せます。ギボン先生は、 こうした試合ともなれば、世界の王者が常勝者になることは、最初から分かっている。 と書いておられますが、仮に他の剣闘士が、ガチンコで勝負したって、コンモドゥス帝に勝つのは不可能だったように思います。なにしろ、戦闘力がハンパじゃないんだもの。 この剣闘士競技で、もっとも華々しい競技である「セクトルとレティアリウスとの闘い」に、コンモドゥス帝は、なんと735回も出場してるんです。もちろん、負けなし。というか、コンモドゥス帝に負けて、ブチ殺された人たちがかわいそうです。 結局、この剣闘士試合に出場したのが、最終的に命とりになったみたいですね。 |
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