コンモドゥス帝 

〜筋肉とエロに生きた、その熱き漢(おとこ)の生涯〜

ギボン『ローマ帝国衰亡史』第4章より

コンモドゥス帝


その8

筋肉ヒーロー誕生・・・・コンモドゥス帝・・あなたスゴイです。



さて、筋肉ニートと化したコンモドゥス帝。エロと猛獣殺し、そして筋肉トレーニングが、彼の日課です。

ゴマスリ家来どもは、コンモドゥス帝の猛獣殺しの妙技を、褒めたたえます。

こうした賞賛は、次第に彼の羞恥心を蝕みつくし、ついにはこれらの演技を、ローマ市民たちの前で披露することを決心したのである。(さすがにそれまでは慎ましく皇宮内で、ただ少数寵臣だけに見せていたのだが。)さて、その当日になると、阿諛、不安、好奇心と動機こそさまざまなれ、夥しい見物人が円形闘技場に押し寄せた。

そりゃあそうだよ。天皇と総理大臣を一緒にしたような、つまり、広大なローマ帝国を統治する最高権力者が、闘技場で大勢の市民を前にして、猛獣達と戦っちゃうんだもん。こんな面白い物、見逃す手はないじゃない。月元だったら、一週間泊り込みで、アリーナ席狙いますよ。

で、奇跡が闘技場でおこっちゃうのよ。多分、その当時の闘技場では、ミルコとヒョードルの試合より盛り上がっただろうね。

もちろん、皇帝の驚くべき手練に対しては、当然ながら相当の賞賛が送られた。獣の頭であれ、心臓であれ、狙いは全て百発百中、まさに必殺の一撃だった。

すごいですよね。すごい戦闘力です。この点での強さでは、コンモドゥス帝は、まったく、文句のつけようがありません。

三日月の鏃(やじり)をつけた征矢で、しばしば全力疾走する駝鳥(ダチョウ)の前を駆け抜けざま、見事あの長い頚を射落した。次には豹が放たれる。射手(コンモドゥス帝です)、おののく罪人めがけて豹が跳びかかるまで静かに待つ。そしてその瞬間、パっと矢が放たれる。豹はたちまち即死、そして罪人は傷一つ負わないのだ。

これだけでも、かなりの神技です。ですが、これをはるかに上回る、人類史上最大の偉業を、コンモドゥス帝は成し遂げてしまいます。

闘技場の檻から、百頭の獅子が一度に追い出されたこともある。が、帝の手から放たれる百本の投槍は、獅子の群れが闘技場内を荒れ狂う間に、ただ一本の外れもなく、一頭残らず死体にしてしまった。

もう、神、ですよね。すさまじい戦闘力です。もう、闘技場は、歓声と喝采で、すごかったでしょうね。

■その7


■その9


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