コンモドゥス帝 

〜筋肉とエロに生きた、その熱き漢(おとこ)の生涯〜

ギボン『ローマ帝国衰亡史』第4章より

コンモドゥス帝


その6

戦闘力の高かったコンモドゥス帝・・・・・筋肉ニートへの道



えーと。その1で、私は、コンモドゥス帝の悪徳が、マジメな父親への反発だったのではないのか、と書きました。そう思わせる要因が、実は、もうひとつあるんです。

父マルクス・アウレリウス帝が、虚弱体質だったのです。身体が弱かったのです。

ですが、この人は、立派だったので、身体が弱くても、皇帝の激務に耐え、外敵侵入とあれば、命をかけて、戦場で勇敢に陣頭指揮をとりました。こういう人だから、騙されやすくても、見る人は見てるわけで、人がついてくるわけです。月元は、こういった、隠れた男らしさみたいなのって、最高にかっこいいと思うのですが、皆様、どうでしょうか。

ですが、こういう隠れた男らしさってのは、見えない人には見えないものみたいなんです。

コンモドゥス帝もこうした、見えない人の一人だったみたいです。父親の反撥からか、とにかく彼は、筋肉にこだわるようになりました。

ところが、コンモドゥス帝に到っては、幼時からすでに知的、教養的なものは一切毛嫌いし、無性に好きなのは、ただ俗悪きわまる娯楽、たとえば円形競技場や円形闘技場でのスポーツ、さては剣闘士の試合、野獣狩といった類のものだけだった。父マルクス帝が、わざわざ彼のためにつけてやった各界の学者などには、一切耳をかさず、むしろ憎みさえした。

そして、

その代り投槍術や弓術だったムーア人、パルティア人たちは、まことに稽古熱心で、たちまち狙いの精妙、手練の見事さにおいて、これら師たちに優に匹敵する秘蔵弟子を彼に見出した。

つまり、コンモドゥス帝は、筋肉にこだわり、戦闘力にこだわりました。実際、それには成功し、彼の肉体は鍛え上げられ、戦闘力もかなりのものにすることに成功します。

そして、国政をほっぽりだし、彼の興味は、筋肉とエロだけになります。本当に・・・もうダメだ・・・・・この人・・・・・。

コンモドゥス帝は、猛獣をブチ殺すような、とってもとっても、男らしくてかっこいい遊びに熱中します。

次のギボン先生の名文は、多くの人々の心を動かすことでしょう。前に言ったでしょうが。ギボン先生は、変態と悪徳の描写は、凝った名文で書くって。

なるほど古代原始の時代なればこそ、猛獣と人間がしばしば無人の原野の領有権を争い、そうした野獣に対する勝利が、まずは無邪気、そして奇特な英雄的行動になったかもしれぬが、いまや文明化したローマ帝国内に野獣の影など、とっくの昔に人間の眼からも、繁華な都市周辺からも消え去っていた。孤独の隠れ処に彼等(猛獣)を急襲し、皇帝の手で華やかに殺されるために、はるばるローマ市まで運んでくるなどは、皇帝としてはまことに愚行、人民にとっては全くの迷惑というよりほかなかった。

猛獣をブチ殺すかっこいい遊びも、いくら男らしさの誇示のためとはいえ、はっきり言って、全くの愚行、全くの迷惑でしかなかったんですよ。

孤独の隠れ処に彼等(猛獣)を急襲し

・・・・・・・って、気の毒きわまりないですよね。猛獣さんたち。

コンモドゥス帝は、完全に筋肉ニートになってしまいます。

■その5


■その7


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