コンモドゥス帝 

〜筋肉とエロに生きた、その熱き漢(おとこ)の生涯〜

ギボン『ローマ帝国衰亡史』第4章より

コンモドゥス帝


その4

暴政が、始まっちゃうのよ・・・・・・・・・・・。



元老院っていうのは、ボロが出るのであまり細かく書きませんが、司法も行政も軍事もやる国会みたいなものです。皇帝ひとりでは、さすがに国家運営はできませんから、元老院が国家運営に関して決定することもありますが、皇帝は、この元老院の決定に対し、『拒否権』をもっており、元老院の決定を白紙にすることができます。

その1で書きましたが、マルクス帝が、元老院が決めた叛徒極刑を、やめさせることができたのも、この『拒否権』を行使したからでしょう。

ただ、この解説は、そういう分析をすればそうである、というだけで、ローマ帝国は、厳密なる法解釈と、法の範囲内での権力の行使によって運営されたわけではありません。ローマ帝国は、法治国家ではなく、人治国家です。

というわけで、皇帝が、元老院の粛清に乗り出すこともあります。実際、コンモドゥス帝は、元老院粛清をやっちゃうのです。なんていうのか、ローマはイデオロギーの無いソ連、みたいな感じの国だったのかもしれません。私の勝手な想像、ですが。

暗殺されかかったことで、コンモドゥス帝は猜疑心の強い君主になり、刺客が「元老院からの指令だ!」と叫んだことで、元老院に敵意をもつようになります。

元老院なる機構は、もともと最高ローマ市民をもって構成されたものだった。が、いまやその顕位ということが、即犯罪的ということに一変した。

こうして、気にいらない元老院議員をコンモドゥス帝は次々に殺してしまいます。

嫌疑は直ちに確証であり、裁判は即有罪だった。有力議員が一人死刑になれば、つづいてまたその死を悲しみ、あるいは復讐をさえはかるかもしれぬと思える人物が、ことごとく死をもって酬いられた。しかも、ひとたび人血の味を知ってからのコンモドゥス帝は、もはや完全に慈悲憐憫とは無縁の人間と化した。

こうした国家の頭脳を、気に入らないという理由だけで粛清する害は、想像するに余りあります。

それと同時に、コンモドゥス帝は、ペレンニス、ペレンニスが死んだ後は、クレアンデルという私腹を肥やすことにしか興味のない寵臣たちに、国政をあずけてしまいます。ペレンニスは、まだマシな人だったんですが、軍の叛乱で殺されます。

ペレンニスが死んだ後、権力をにぎったクレアンデルは本当に最悪で、ローマは、

執政官、貴族、元老院議員等々の地位は、すべて公然たる売官化した。空しい役職や汚辱の栄誉を、全財産の大半を傾けて買うのはいやだという人間でもでれば、とりもなおさずそれは皇帝への不忠誠へと見られたであろう。よい金になる属州ともなれば、彼と属州総督がグルになり、人民からの収奪はちゃっかり山分けという有様だった。法の執行は、金銭次第ででたらめをきわめ、罪人でも金持ちならば、正当に下った判決もたちまち逆転、いやそれどころか、彼の方が逆に告訴人、証人、裁判官などに対し、好きな刑罰を請求することもできたはず。

といった状態になります。もうムチャクチャですよね。しかし、クレアンデルも、飢饉のときに穀物を買い占めて、民衆の怒りを買い、暴動がおこってしまいます。暴動は、

騒ぎは本格的交戦となり、危うく大量虐殺に到るところだった。

ようです。暴徒は、クレアンデルの首を要求します。コンモドゥス帝は暴動を抑えるため、クレアンデルの殺害を命じます。クレアンデルが殺害されると、暴動はおさまります。

■その3


■その5


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