コンモドゥス帝 

〜筋肉とエロに生きた、その熱き漢(おとこ)の生涯〜

ギボン『ローマ帝国衰亡史』第4章より

コンモドゥス帝


その3

治世の最初はうまく行っていた・・・だけど大事件が・・・それ以降、彼は変わってしまった。



それにしても治世最初の三年間は、まだ忠実な顧問官たちもおり、旧来の統治方針は、形の上、いや精神の点でも守られていた。けだし、彼等はすべて父マルクス帝が彼のためにつけておいてくれた人たちばかりであり、その知恵と公正さとには、コンモドゥス帝も不承ながら敬意を表していたからだった。

父帝マルクス帝は、悪人を悪人と見抜けませんでしたが、善人を善人と見抜くことはできたんですね。というわけで、最初はうまくいくんです。

それにしても、このギボン先生のこういう文体が、さりげないジョークなんですよ。これが英国流なんだろうか。

旧来の統治方針は、形の上、いや精神の点でも守られていた。

この文章の何が、ジョークなのかって、これを例文にすればわかりますよ。

例文1:先生!先生の教えは形の上、いや精神の点でも守られています。
例文2:社長!社長の従業員への訓示は、形の上、いや精神の点でも守られています。

・・・・・・・・・・・・・・・先に進みますね。

そういうわけで、

このままいけば、あるいは立派な有徳君主に成長するのではないかという希望さえ抱かせた

のですが、世の中うまくいかないものです。

が、図らずもある致命的事件が、動揺常ない彼の性格を、一挙に決定してしまったのである。

コンモドゥス帝のもともとの性格は、ワルとはいえ、「ワルぶってる」程度のものだったのかもしれません。とりあえず、まあ、許容範囲内だったみたいです。ところが、この事件以降、彼は豹変してしまいます。

その事件とは、こうです。

183年のある晩、たまたま彼が皇宮へ帰る途中、コロセウムの狭い柱廊の闇を抜けているときだったが、待ち伏せていた一人の刺客が、抜剣して襲いかかった。そしていきなり、「元老院からの指令だ!」と叫んだのである。幸い一喝で相手はひるみ、刺客は近衛隊の手で取り押さえられたために、陰謀団の一味はただちに分明した。

コンモドゥス帝は、暗殺されかかるわけです。しかも、犯人が・・・・・

国家的陰謀などではなく、すべて宮廷内での策謀だった。コンモドゥス帝の姉で、ルキウス・ウェルスの寡婦だったルキルラが、帝国第3位という地位だけでは我慢できず、さらに皇后ファウスティナへの嫉妬も加わって。かくは刺客を用意し、弟の生命を狙わせたのだった。

なんと、実の姉に殺されかかるわけです。つまらない女の意地ですね。姉ルキルラは死罪になります。

■その2


■その4


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