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2008.11.03 考察:ハンターハンターにみる漫画の可能性

今日はハンターハンター26巻を読んだので、少し思ったことをメモ。

冨樫さんはキメラアント編に入ってから(その前からなのかもしれないけど)
独特な世界観が一層深みを増したような気がします。
それが一体どこから来るのか考えてみると、ナレーションの
使い方なのではないかなと思いました。

ナレーションは、一般的にはストーリー進行を円滑にするために語られる
”第3者視点”のセリフのため、無機質な台詞回しになるんだけど
ハンターハンターにはナレーションに妙な熱っぽさがあるんです。

そもそも漫画にはセリフとナレーションと擬音の3つが説明される言葉としてあり、
さらにセリフには、実際に口に出すセリフと、心の中を表現するセリフがあるけど、
ハンターハンターでは本来ナレーションには適さないはずの心の中のセリフまで
ナレーションで表現しているシーンが多々あったりするんです。

それに”決して”、”全細胞が”等のナレーションにはあまり
適さないセリフを入れたりすると、本来なら説明的に
なりすぎてしまうのだけど、ナレーションの入り口を
心の中のセリフと同じスタンスからはじめることで
ナレーションとセリフの垣根が無くなり、説明的になり過ぎず
サイレントなシーンであっても画面に熱をもたせることが
できているのだと思います。

よくよく考えてみると、漫画は映画とは違って、
実際に口に出すセリフも、心の中のセリフも、ナレーションや擬音に至るまで
全て”文字”でしかないんですよね。
こんな、文字媒体としての独特な表現を逆に逆手にとれるのが
漫画としての可能性なのかなと思いました。

まぁ、もともとは”冨樫先生、仕事してください”で有名なように、
手抜きをしたいがために生まれた使い方なのかもしれませんけどね笑。

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