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大沼は溜息をひとつついて、大きくノビをすると、そのままベッドへ仰向けに倒れ込んだ。
「できればもう少し、スマートなやり方があれば良かったんだがな」
「なんだ貴様」
その大沼の胸倉を、突然帆足は掴み上げた。
「離せ、何するんだ」
「犠牲が出るから、やらないのか」
「だって、そうだろう。俺たち二人が逃げるために、ここにいる何百人」
「馬鹿か貴様は。これからやることがあるんじゃねぇのかよ。まさか、ひとりの犠牲も出さずに、政府を倒すつもりなのか!?」
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