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名古屋防衛軍、宿舎。

日没して文京の波状攻撃がどうやらひと段落し、荒木はようやく前線から基地へ戻ることができた。
普段から余裕のある表情を見せることの少ない荒木ではあるが…、その表情は明らかに疲労困憊である。
森野の離脱による負担が早くも顕著な形で荒木の両肩にのしかかってきた。本来自分の指揮下にある部隊に加え、今日からは森野配下の部隊の一部が荒木の指揮下に編入されたのだ。
その残りの大部分については後方ラインに配置され、井端が基地から直接指揮を取っている。

森野をあきらめ増援を得よという意見が会議で主流となった中、その話し合いを一方的に打ち切った挙句、
中央本部に指示を仰ぐことも西基地へ増援を申し入れることも、独断で一切していないのだ。
いくら自分が基地の最高指揮官とはいえ、この状況で立浪や井上をはじめとする他の部隊長にいま以上の負担を強いることは、やはり井端にも憚られたのだろう。
その結果、井端も決して本意ではなかろうが…、寄りやすいところにシワが寄ってしまったのだ。


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