アステカとイスラム教

まず既に述べた通り、コーラーとしてのカオス(空隙)と、そのうちに存在する胸広きガイア(大地)、そして暗冥のタルタロスと最も美しい神エロースである。ガイアより更に、幽明のエレボスと暗きニュクス(夜)が生じた。ガイアはまた海の神ポントスを生み、ポントスから海の老人ネーレウスが生まれた。またポントスの息子タウマースより、イーリス(虹)、ハルピュイアイ、そして三人のゴルゴーン姉妹等が生まれた。一方、ニュクスよりはアイテール(高天の気)とヘーメラー(昼)が生じた。またニュクスはタナトス(死)、ヒュプノス(睡眠)、オネイロス(夢)、そして西方の黄金の林檎で著名なヘスペリデス(ヘスペリス=夕刻・黄昏の複数形)を生み出した。更に、モイライ(運命)、ネメシス(応報)、エリス(闘争・不和)なども生みだし、この最後のエリスからは、アーテー(破滅)を含む様々な忌まわしい神々が生まれたとされる[32]。ゼウスの王権が確立し、やがてオリュンポス十二神としてコスモス(秩序)が世界に成立する。しかし、ゼウスの王権の確立は紆余曲折しており、ゼウスは神々の王朝の第三代の王である。

"ドイツ語のメルヘン/メルヒェン (Märchen)、英語のフェアリーテール (fairy tale) を含んでいる。メルヘンは、スティス・トンプソン以降、英語圏でもよく使われるようになった。"説話の多くはもともと口承文芸である。地域・言語によっては、ある時代から書き言葉で残されるようになったものもある。現代では出版されて活字で残されるようになったものも多い。西洋の『ペンタメローネ(五日物語)』や『グリム童話』なども、口伝に取材して後年本にまとめられたものの一例である。また、口承の場合は地域や時代によって細部に異同が多い。語られるたびに内容が微妙に違っていても、聞き手はそれを同一の物語として受け取っている点にも特徴がある。

北欧神話においては、生命の始まりは火と氷で、ムスペルヘイムとニヴルヘイムの2つの世界しか存在しなかったという。ムスペルヘイムの熱い空気がニヴルヘイムの冷たい氷に触れた時、巨人ユミルと氷の雌牛アウズンブラが創り出された。ユミルの足は息子を産み、脇の下から男と女が1人ずつ現れた。こうしてユミルは彼らから産まれたヨトゥン及び巨人達の親となる。眠っていたユミルは後に目を覚まし、アウズンブラの乳に酔う。彼が酔っている間、牛のアウズンブラは塩の岩を嘗めた。この出来事の後、1日目が経って人間の髪がその岩から生え、続いて2日目に頭が、3日目に完全な人間の体が岩から現れた。彼の名はブーリといい、名の無い巨人と交わりボルを産むと、そこからオーディン、ヴィリ、ヴェーの3人の神が産まれた。"3人の神々は自分たちが十分に強大な力を持っていると感じ、ユミルを殺害する。ユミルの血は世界に溢れ、2人を除くすべての巨人を溺死させた。しかし巨人は再び数を増やし続け、すぐにユミルが死ぬ前の人数まで達した。その後神々は死んだユミルの屍体で大地を創り、彼の血液で海・川・湖を、骨で石・脳で雲を、そして頭蓋骨で天空をそれぞれ創りだした。更にムスペルヘイムの火花は、舞い上がり星となった。"

"古代ギリシアには文字がなかった訳ではない。ミュケーナイ時代にすでに線文字Bが存在していた。暗黒時代にあってこの文字の記憶は失われた。しかし紀元前8世紀頃より、フェニキア文字を元に古代ギリシア文字が展開し生まれる[14] [15]。ギリシア神話はこの文字で記録された。また後にはローマの詩人・文学者がラテン語によってギリシア神話を記述した。"ギリシア神話のありようを知るには、近代になって発達した考古学が大きな威力を発揮した。考古学では古代の遺跡が発掘され研究された。これらの遺跡において、装飾彫刻や彫像、また神々や人物が描かれ彩色された古壺や皿などが見つかった。考古学者や神話学者は、彫刻の姿や様式、古壺や皿に描かれた豊富な絵を分析して、これらがギリシア神話で語られる物語の一つの場面や出来事、神や英雄の姿を描いたものと判断した。絵は意味を含んでおり、(学者によって解釈が分かれるとしても)ここより神話の物語を読み取ることが可能であった。

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