説話文学とヨーロッパ

"古代アーリア人の神話は、太陽や天空を神々と捉え、火の崇拝などの儀式で他のギリシャ、ローマ、北欧へ行ったグループと共通する宗教を持っていたと考えられている。 特に『リグ・ヴェーダ』に残された古インド神話とは共通点が多く、ダエーワ(デーヴァ)やアフラ(アスラ)など神名、神格にも共通点が多くみられる。また『リグ・ヴェーダ』の言語であるヴェーダ語は、古イラン語とも極めて近い。"なお、スラヴ地域の神話との語彙の類似点も指摘されているが、これはむしろイラン系遊牧民による影響が大きいと考えられている。"ゾロアスター教神話は、この古代アーリア人の宗教、神話をベースにしながら、より高等宗教化したものと思われる。それはより広範囲の、民族や文化の壁を越えて信仰された点があるからだ。 特に重要なのは、中世になって編纂された『デーンカルド』『ブンダヒシュン』などの宗教文書で、ゾロアスター教神学の重要な説話を多く伝えている。"

多くの創世神話は、広い範囲で同じテーマを持っていることが多い。一般的なモチーフとしては以下のようなものがある。日本神話においても、始原の神々とともに天地の創生が語られており、イザナギとイザナミという二柱の兄妹神が結婚し、主な島々や神々たちを生みもうけたという。イスラム教では、すべてのものはアッラーフ(アラビア語で「神」、イスラム教では神は唯一で絶対である。)によって創造されたとされる。クルアーンには、アッラーフが創造主であることを示す記述がいくつもある。

北欧神話の中にはスカンディナヴィアの伝承の一部となったものもあり、現在まで残存してきた。その他は近年、ゲルマン・ネオペイガニズムとして再考案・構築されている。ステージでの上演劇や映画に同じく、神話は現在も様々な文学での着想として残されている。北欧神話について現存する記録の大多数は13世紀にまで遡ることができ、少なくとも正式にキリスト教社会となった世界に、2世紀以上も口承の形で保存されていた。13世紀に学者達はこの口伝えに残る神話の記録を始め、特にキリスト教以前の神々が実際の歴史上の人物にまで辿ることができると信じていた学者、スノッリ・ストゥルルソンにより、『エッダ(散文のエッダ、新エッダ)』や『ヘイムスクリングラ』が書き起こされた。このほかには、北欧の神々がより強くエウヘメリズム化(神々は人間が神格化されたものであるという解釈)された、サクソ・グラマティクスの『デンマーク人の事績』がある。『エッダ』を13世紀初期に書いたこのスノッリ・ストゥルルソンという人物は、卓越した詩人・指導者で、アイスランドの外交官でもあった。この『エッダ』は本来、その技法の学習を熱望する詩人へ向け、入門書として作られたとされる。この作品には伝統的なケニング(婉曲表現技法)や、詩に詰め込まれた暗喩表現を散文体で解説した内容が含まれている。こうした散文体での語りが、北欧の神々についての様々な物語を体系的かつ首尾一貫したものにしたのである。

大正時代に入ってきた「メルヘン」というドイツ語は「童話、またはおとぎ話」と訳されたので、昔話(おとぎ話)と童話が混同して使われた事もあった。昔話や伝説などの民話、おとぎ話、広くは神話や仏教説話を含む。モチーフによって起源説話、神婚説話などと分類される。仏教説話のように啓蒙的な要素を持ったものもある。また民俗学者の柳田国男によって完形昔話、派生昔話に分ける分類法も提唱された。

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