カタカタと震える躯に気付かないわけないというのに…先端を舐め上げたイワンは更に舌を這わせてくる。竿をなぞって根元へと下りると、付け根をぐるりと舐め回してきた。きっとしとどに濡れているだろう部分をすべて舐め上げるつもりなのか…淫嚢にまで舌を寄せてくるから腰が勝手に跳ね上がる。
「(……卑猥だ…)」
逃げたいのか…押し付けたいのか…どちらにも受け取れる動きで腰が揺らめいている。完全に勃ち上がった肉棒は溢れ出る蜜の量を増やし、自身をしとどに濡らして…ぬらり…と妖しい光を纏わせていた。寝椅子の淵から力なく下ろされている足は閉じる事を忘れ、自ら開いて見せつけているかのようだ。ぴくっ…ぴくっ…と跳ねる内腿を横目に舌触りの良い肌をじっくりと愉しむ。じわりと汗を纏い始めたのか、甘い芳香を放ち始めた躯から一瞬たりとも唇を離したくないと思った。
ふと気付くと、髪に絡みついていた手がいつの間にか離れ、口元を覆い隠している。道理で先ほどから甘い啼き声が聞こえなかったわけだ…と納得すると、無理矢理引き剥がす事はせず今にも弾けそうな肉棒の周辺をしつこく愛撫し続けた。
「…っ…ふっ…〜ッ!」
足の付け根の皮膚が薄い部分…腰骨が浮きでる腰の付近…内腿の筋が浮かび出る付け根…肝心な中心には一切触れず、あちらこちらと舐めては歯を立てて唇を滑らせるイワンの愛撫に…虎徹の躯はぐずぐずに溶けていた。触って欲しいと願うのに触れられないじれったさがますます肌を敏感にする。膝を立てて押さえ込もうとしても緩やかに撫でてくる指先がくすぐったく…ぞわぞわとした悦楽を送り込んできていた。
腰の奥に溜まり続ける欲はどこまでも膨らみ、今にもはち切れそうだ。僅かに残る理性で口を塞いではいるが、漏れ出る荒い呼気までは押し隠せず…開いていた瞳も牙を剥く快楽に耐えようと強く閉じられる。
「(…美味しそう…)」
身悶える躯を見上げていたが、ぴくぴくと震える内腿に視線を動かしていると…だらだらと止め処なく蜜を零す肉棒の下…奥まった位置にひっそりと覗く菊華が見えた。肌を伝う蜜が菊華にまで辿り着き、淫媚な艶を纏わせる。震える内腿に連動してひくひくと震える様は「喰らって欲しい」と強請っているように見えた。
「っ…ぁ…?」
延々と続く快楽の渦に意識が朦朧としていると、突然片足を担ぎ上げられた。完全に力が入っていない状態で重いだろうにと思ったが軽々と持ち上げられ…そういえば『力』も制限されていたんだっけ…とぼんやり思い出す。けれど、そんなことを悠長に考えている場合ではなかった。
「ッひぅ!?」
涙で滲む視界に、折り曲げられた己の膝を見つめていると普段晒される事のない肌にぬるりと這う感触が襲ってきたのだ。途端にざわりと逆撫でされるような感覚に悲鳴が漏れる。あり得ない場所に舌を這わされ…しかも、甘美な毒であるイワンの体液を塗り込まれていくと耐えられなくなった。
もっと欲しい…と…もっと躯の奥底まで嬲って欲しい…という浅ましい願いで頭がいっぱいになる。
「…タイガー、さん…」
「…っは…ぁ…?」
窄まる華かを執拗に舐め続けていると頑なに閉じていた入口が柔らかく解けていく。けれど…本能が…もっと喰らい尽くしたい…と貪欲に求めているのに、何をどうしたらいいのか分からない。…欲しい…という願いを込めて顔を上げると、涙に濡れた瞳とかち合う。
「……あ…の…」
あられもない格好をさせられているというのに、いきなり中断されてしまい躯が苦しいほどに焦れている。何かあったのか…と腕に埋めた顔で振り向くと、困った表情をしたイワンの顔が見えた。そこでようやく…あぁ…と気づく。
「…こっから先の…やり方…分からない?」
「…すいません…」
少し首を傾げてゆったりとした口調で聞けば思った通りの答えが返って来た。年齢や今までの生い立ちを軽く聞いていただけにすぐ予想出来る。つい今しがたまでは本能の求めるままに肌を貪っていたに過ぎないのだろう…ぎりぎりまで煽り続けられた躯が結構辛いが、せっかくの初体験なのだし、自分の躯を壊さない為にも知識を与えなくては…と手を伸ばす。
「…クッション…取って?」
小さい子が強請るように、手を伸ばして告げられた言葉にふと見回す。寝椅子に置いてあったクッションはすべて床に落ちており、その内の一つを手に取ると差し出された手に渡した。すると虎徹はそのクッションを抱き込む様にぎゅっと抱きしめる。
「あと…腰の下にも敷いてほしいな…」
「あ…はい…」
言われるがままに浮かせてくれた腰の下にも一つ挟み込むと、虎徹は抱きしめたクッションに顔を半分ほど埋めながら足を上げた。
「っ…」
「…恥ずかしいから…あんま見るなよ…?」
自らM字開脚をするのはかなり恥ずかしい…なんとか羞恥を軽減すべく抱いたクッションに顔を埋めたのだが…あまり効果はなかった。軽く注意を促したが無駄だろう…と予想していた通り、じっと見つめてくるイワンの視線が下半身に突き刺さるような気分だ。
「…今…舐めてた…とこ…」
「…はい…」
「もっと…濡らして………その…」
「…はい…?」
「ゆ…指…入れて…慣らして…」
的確な指示…ではあるのだが…いかんせん恥ずかし過ぎる。何せ、自分から「突っ込んで」と頼んでいるようなものだ。けれど…これは必要な事…と自分によく言い聞かせてイワンが動くのを待ち続ける。
「…ふっ…!」
さほど待つ事なく動いたイワンは足の付け根を掻き分ける様に手を這わせると、割り開いた臀部の間から覗く菊華に再び舌を這わせた。びくっと跳ねる躯と折り曲げられた足の指がきゅっと身を縮めるように丸くなる。丸くなった爪先を見つつ、ひくつく華を丹念に舐め上げ、入口が弛みだした所で指を沿わせてみた。
「…ん…ぅ…」
きゅっと閉ざされた口を撫でていると時折ふわりと弛んで指先が浅く出入りする。勃ち上がった肉棒から垂れてくる蜜も塗りつける様にすると、腰がもじもじと捩られた。
「ッん、ぅ…」
出来るだけ力をいれないようにしているのだが、くにくにと思わせぶりになぞる指がもどかしい。吐き出される熱い呼気をクッションに隠してやり過ごしていると、入り込んでくる感覚に…ぶるり…と震えた。爪先まできゅうっと縮まって異物を咥えさせられた菊華が感覚を鋭くしていく。
「(…っわぁ…)」
思った以上にスムーズな動きで入っていった指を驚きと湧き上がる興奮の中で見つめていた。きゅっ…きゅっ…と絞まる菊華が指を甘咬みし、もっとと強請っているような錯覚に陥る。ちらり、と少し視線を上げればふるりと震える肉棒が相変わらず蜜を滴らせていた。
「…っんんぅ…」
感触を確かめるようにゆるゆると動く指が酷い異物感を与えている…けれど…覚悟していたとはいえ…指を咥え込んだ際に内壁へ擦りつけられる事になるイワンの唾液が内側からぐずぐずに溶かしていくようだった。
「ッは!…ふ、ぅ…っ!」
差し入れた指を動かしながら菊華の淵を舐めると震える吐息が聞こえてくる。脳内を甘く掻き乱す声をもっと聞きたくて指の動きを速めると意図した通りに甘やかな声が溢れだした。しかし、クッションに邪魔されクリアに聞こえない分、くぐもった声では満足できない。一本だけだった指の動きに慣れたのか、菊華の締めつけが徐々に弛みだした。
その証拠に指を回してみると、虎徹の菊華は容易くその口の形を変形させても拒みはしない。
「んんっ…っぅ…」
大人しかった指の動きが徐々に大胆になってくる。単なる抜き差しだけだったのに、ぐりぐりと入口をこじ開ける様な動きに変わって来た。強引に開かされる菊華の隙間からイワンの舌が浅く出入りすると、クッションを掴む指さえも力が入らなくなってくる。
「くッ…ぅんっ…!」
指を咥えて尚…はくはく…と開閉する菊華に指を2本増やしてみると、難なく咥えられた。が、咥えさせた指がぎゅっと絞め上げられる感触に抜いた方がいいか…と思うも、ぎちり…と強く締めつけられ、思う様に動かせない。苦しかったのかも…と虎徹の貌を覗き見るも、半分以上がクッションの中だ。困って視線を下ろすとつい先ほどまで張り詰めていた肉棒も少し力がないように思う。どうにかしなくては…と逡巡の後、先端に唇を寄せた。
「ッふぁあ!?」
「!」
ぞくぞくっと駆けあがる快感に部屋中へ響く声を上げてしまった。…というのも、抱え込んだクッションから顔を上げて喉を反らせてしまったせいだ。イってしまったんじゃないか、と思う程の強い刺激は、絶頂を極める寸前で止まっていたらしく…声に驚いたイワンがじっと顔を見つめていた。
「〜〜〜っ!」
途端に上がった甘い啼き声…驚いて見上げた先にある虎徹の貌も唖然として…一瞬の後にぶわぁっと赤く染まった。その変化に背筋がぞくりと震える。慌ててクッションに埋めてしまった貌を見たい…ともう一度肉棒に唇を寄せた。今度は蜜をとろとろに溢れさせている鈴口を重点的に舌先で弄りながら、締め上げの弛んだ菊華に咥えさせている指も動かす。
「ぁっ…ぁう…ふ…っんん…!」
必死に口元へクッションを押し付けて声を殺そうとしているにも関わらず、内壁を押し上げられ甘い毒を含んだ舌で敏感な肉棒を舐められるとどうしていいのか分からないほど感じ入ってしまう。咥えさせられた指が菊口をぐにぐにと広げ、ナカを犯す動きに背筋がぞくぞくと震えてきた。内腿が痙攣を始め、全身がガクガクと震えだす。
「っぁ…い、わ…んっ…も…はな、し…ッ!」
聞こえてくる切羽詰まった声が更に興奮を煽りたてる。ナカを掻き回す指で蠢く内壁を触ろうと曲げれば躯が大きく跳ねた。
「ッひぁあっ!」
「っ!」
「やッ…あっ…ぁうっ…!」
ギリギリまで追い詰められた状態に更に追い打ちをかける様な刺激を与えられ、背中が大きく反りかえった。今にも弾けそうなのだが…イワンの口の中で果てるにはいかない、と身を捩り、腰を揺らしてどうにか耐える。それなのに、ナカを犯す指は容赦なく同じ場所を擦り上げようとしていた。
「やっ…やめっ…っぃあぁ!」
じゅぷじゅぷとはしたない音を立てながら震える肉棒にしゃぶりつき、ナカを探る指で先ほど戦慄いていた部分を押し上げると、頭を押しのけていた手が髪を握りしめた。
「ぃあぁぁぁッ!!」
ずん…と重く鈍い感覚の塊が腰の奥へのしかかる。途端に弾けた塊は四肢をぞくぞくっとした甘い痺れを全身に撒き散らされて果ててしまった。
「ぅ…っ…」
一際高い嬌声を上げて虎徹の躯が反りかえる。口に含んだ肉棒がぶるり、と震えて蜜を吐き出した。…とぷ…と口の中に溢れだす蜜を味わう。
「(…甘い…美味しい…)」
溢れだした蜜を一滴残らず喉の奥へと納めていくが…まだ足りない、とばかりに更に吸い付いて離さなかった。するとカタカタと震えていた手が頭を押しのけようとしてくる。
「ッあ…んんっ……こ、こら…!」
ついつい夢中になってしまっていると、諌める声が聞こえてきた。ついでに頭を押さえ付ける手も再び押し退けようと動き出す。そこでようやく顔を上げると、頬を真っ赤に染めて涙目になった虎徹の顔が見えた。
「?」
「不思議そうな…顔、するんじゃない…っての…」
「…ん…と?」
「…ソコは、もう…いいから…」
「は…はい…」
『お預け』とばかりに今しがたまで咥えていた肉棒を衣の裾で隠されてしまう。その代わりに温かな内壁に包まれたままの指が絞め上げられて…はっ…とした。じっと見つめたままだった顔がますます赤くなっていく。
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