本日、土曜日。お天気は晴天。
ニールに下着事情がばれてしまった刹那は那由多共々連行に近い形でショッピングに連れ出されていた。
買い揃えるにしても複数の意見もほしいとの事で、ライル、ティエリアにクリスとフェルトも召喚している。
そうして連れ立って来たのは最近出来たばかりのランジェリーショップ。
「へぇ〜…結構種類あるのな…」
「これだけあれば刹那と那由多に似合うもんもごろごろあるだろ。」
「逆に種類があり過ぎて困るんだが…」
「壁一面だな…」
「だーいじょうぶ。その為に皆で来たんだしさ!」
「そうそう、気軽に聞いてくれたらいいよ?」
「…迷惑をかける…」
「気にしないで。いっぱい良いの選ぼうね?」
「「了解。」」
かくしてガールズショッピングの幕開けとなる。
* * * * *
「せーつな、こんなのどうだ?」
「こっちでもいいんじゃね?」
「…いや…その…レース布地とか大きいリボンは…恥かしい…」
「なぁに言ってんだ。そんなこと言ってたらヒモパン履けないじゃん。」
「そうだ。ティーバックも履けないし。」
「…それは履かなくちゃいけないものなのか?」
「「女の子なんだから当然。」」
「そう…いうもの…なのか???」
* * * * *
「うぅーん…なんだか源氏物語みたいに見えるのは気のせいかな?」
「いや、あながち間違いではないだろう。」
「でも止めないんだね?」
「むしろ良い傾向だ。」
「そう?」
「そうだ。あの双子はもっと女の子らしいことに興味を示した方がいい。会計に行ってくる。」
「え?あ、ちょっとティエリア?」
「…どういう意味かな?」
「ちゃんと服装に気を払えばずっと可愛くなるのに勿体無い、ってことだよ。」
「あれ?ネーナも来てたの?」
「もっちろ〜ん☆ティエリアから教えてもらったんだけどね?」
「あ、なるほどね。」
「…それにしても…双子でも違うんだね?刹那と那由多は。」
「ん?何が違うの?」
「那由多は自分でいくつか決めていってるみたいだけど刹那は流されっぱなしみたい。」
「あ〜…それは…あれじゃない?生徒会活動の時の影響が出てるっぽい。」
「どんな影響?」
「ほら、刹那はハレルヤとずっと造形についての意見交換しかしてないでしょ?」
「「うんうん。」」
「でもね、那由多はあたしとティエリアに混じってリボンとかレースとかプリント布地とか見て組み合わせとかの話を聞いたりしてんのね?」
「…ということは…」
「那由多は自分に合いそうなものを把握してて、少なからずストライプ柄と水色が気に入ってるってこと。」
「それであぁなっちゃうわけだ。」
「でもさすがに那由多も刹那を放置しないからそろそろ聞き出すんじゃないかな?ほら。」
* * * * *
「これとかどうだろ?」
「ラメがちょっとキツクないか?それならこっちのが…」
「サテン?それならもうちょいレース付いたのとかのがいいんじゃね?」
「ん〜…レースっていうより俺はこのフリルをプッシュしたいかな。」
「あ〜…いいかも。ならせめてワンポイントで飾りレース付いてる方が…」
「刹那、これはどうだ?」
「「へ?」」
「…これ…か?」
「あぁ。オフホワイトと紺のチェックで柔らかい雰囲気があるし、梯子レースと青色のリボンで落ち着いてるだろう?」
「…それなら着けてもいい。」
「そっちのコーナーに似たタイプが並んでた。見に行こう。」
「あぁ。」
「あ…ちょ…」
「…連れてかれちゃったな…」
「当然だな。」
「うわ!びっくりした!」
「脅かすなよ、ティエリア…」
「まったく貴方達は…刹那の年齢分かってますか?」
「ねん…れい…」
「…中等部二年…」
「分かっているのならせめてガーリッシュ系を選んでください。」
「「……すんません…」」
「分かればいいんです、分かれば。」
「…ところでティエリアさん。」
「なんですか?」
「その紙袋は…?」
「セイエイ姉妹の分だ。」
「2人…の?」
「今の那由多は柄物しか選ばないだろうから一組くらいはほぼ無地のものもいるだろうと思って先回りした。」
「ほぼ無地って…どんな?」
「紺のデニム地に小さく羽根の刺繍が入ったものだ。他にも色々迷ったが…」
「例えばどんなの?」
「水色で細かなピンタックにケミカルレースを施したものとか…」
「とか?」
「カップの間が編み上げで肩紐が2本使いのものに、トップとアンダーにケミカルレースが付いたものとカップのラインに合わせてリボンを縫い合わせてあるのが印象的だったか…」
「それ!それ置いてあったのどの辺?!」
「あ…あぁ、あっちの棚にあったが…」
「よし、移動しよう。」
「…付き合いましょうか?」
「「よろしくお願いします。」」
「いいでしょう。また趣味に偏ったものを選ばれても困りますから。」
「…それにしてもティエリアのチョイスは完璧だなぁ…」
「だてにデザイン担当をしてるわけじゃありませんから。」
「あ〜…いつも、『これだぁ!』って感じに出来上がるもんなぁ…」
「…確かにな……あのさ、ティエリア…」
「なんですか?」
「ついでに『セイエイ姉妹のコーディネイト術』の教えを請いたいのですが…」
「右に同じく。」
「………」
「「………」」
「…報酬は?」
「副会長権限使ってセイエイ姉妹の衣装をミニスカート優先。」
「会長権限で一週間生徒会活動にて好きな衣装着せ放題。」
「のった。」
「「よっしゃ!」」
* * * * *
「あれ?ロックオンズがティエリアと移動していく…」
「刹那は那由多と一緒だね?」
「ん〜…落としたかぁ…ティエリアったら策士だなぁ。」
「え?」
「どういう意味?」
「ん〜と…多分来週辺りからセイエイ姉妹による毎日の着せ替えショーが見れるよ〜って話〜☆」
「「うん??」」
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アーデさんによるコーディネイトは神ですって話。
次からは本編に戻りマース!
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